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訴訟/知財問題

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[欧州]
マイクロソフト、欧州委との反トラスト法違反控訴審で敗訴

大方の予想に反し、裁判所は欧州委の主張を全面的に支持

(2007年09月18日)

 ルクセンブルクの欧州第1審裁判所は9月17日、反トラスト法違反に関する米国マイクロソフトの訴えを退けた。これでマイクロソフトは、欧州委員会が2004年に同社に対して下した反トラスト判決を覆す控訴審でも屈辱的な敗北を喫したことになる。

 今回の判決は多くの関係者にとって驚きだった。欧州で2番目に高位の裁判所である第1審裁判所は、同裁判における2つの主要ポイントについて、欧州の反トラスト法を担当する規制担当官を全面的に支持したからだ。大方の予想では、複合的な評決になると思われていた。

報道陣の質問に答えるマイクロソフトの主席顧問弁護士、ブラッド・スミス氏

 判決内容の細部についてはまだ言及できる段階にないが、すでに明白になった結果がいくつかある。その1つは、第1審裁判所が3年間に及ぶ審議の末に、Windowsに「Media Player」をバンドルするというマイクロソフトの戦略を反トラスト法違反とした欧州委員会の判断は正しいと結論づけたことだ。これは、同社に対する将来の反トラスト法訴訟で強力な判例として使われるとともに、日進月歩のIT業界における、特に反トラスト法の乱用を扱う裁判で欧州委員会の権限を強化することになるとみられる。

 また同裁判所は、Windowsと連携するサーバOSの開発に必要な相互運用性に関する情報をマイクロソフトがライバル他社に提供するのを拒否した点についても、違法と判断した。

 マイクロソフトの主席顧問弁護士であるブラッド・スミス氏は、「判決には失望している」と語ったが、欧州司法裁判所に上訴するかどうかは未定だとして言及を避けた。上訴したとしても、先の判決を覆すことは難しく、単に法解釈をめぐる議論に終始する可能性が高いからだ。

 「17日の判決は、Windows OSに各種アプリケーションをバンドルするというマイクロソフトの戦略に影響を及ぼすだろう」と同氏は述べている。

 マイクロソフトのバンドル戦略はこれまで大きな成果を上げてきた。同社は1990年代中ごろ、Webブラウザ「Internet Explorer」をWindowsにバンドルすることでネットスケープを衰退させた。Media Playerと同類の「RealPlayer」についても、マイクロソフトが1999年にMedia PlayerをWindowsにバンドルするまでは、ストリーミング・メディア・アプリケーションの市場を独占していた。

 欧州委員会は2004年、Media Playerのアンバンドル版を販売するようマイクロソフトに命じることで、RealPlayerがネットスケープと同じ運命をたどるのを救おうと考えたが、すでに手遅れだった。市場は2004年の判決を待たずにマイクロソフトの寡占状態となり、逆転の見込みはなくなっていた。欧州委員会は、Media Playerを外したバージョン(「Windows N」)を販売するようマイクロソフトに命じたが、この救済措置も市場に影響を与えることはなかった。

 とはいえ、欧州委員会の高官やマイクロソフトの反トラスト法訴訟に詳しい弁護士らによると、バンドルをめぐる当時の裁判でマイクロソフトに勝利したことは、欧州委員会にとっても、またマイクロソフトの不公平なバンドル戦略に苦しんできたソフトウェア・ベンダーにとっても、非常に大きな意味を持っていたという。

 17日、欧州委員会で競争政策を担当するニーリー・クロエス氏は、記者会見の席でこう強調した。「今回の判決は、ストリーミング・メディア・ソフトウェア市場のRealPlayerに限らず、IT業界全体にとっても深い意味のある判例だ」

 同氏はさらに、「(反トラスト法違反で)マイクロソフトを提訴する欧州企業が新たに現れたら歓迎する」と述べている。

 相互運用性の推進を掲げ欧州委員会を支持する業界団体ECIS(European Committee for Interoperable Systems)の弁護士、トーマス・ビンジ氏は、今回の判決によりIT業界における競争調整役としての欧州委員会の権限は強まったと前置きし、ECISが2年前に提訴した反トラスト法訴訟を迅速に進めるよう欧州委員会の規制担当官に促すつもりだと語った。

 ビンジ氏は、この判決がすべての成功企業にとって脅威になるのではないかという懸念に対し、マイクロソフトの場合は超独占企業という点で、きわめてまれなケースにすぎないと反論する。

 「裁判所の支持を取り付けたことで、欧州委員会は他のITベンダーに対しても法的措置を講じられるようになった。グーグルが検索市場を独占している点やダブルクリックを買収する計画についても何らかの対策がありうるが、マイクロソフトのケースとは細かな部分でだいぶ異なる。マイクロソフトの敗訴が本当に大きな影響を及ぼすのは、マイクロソフトに対してだけだ」(ビンジ氏)

(ポール・メラー/IDG News Service ブリュッセル支局)




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