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訴訟/知財問題

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[米国]
米国議会で特許改革法案を巡るロビー活動が過熱

賛成反対の両派が声明を出し、上院に働きかけ

(2007年10月26日)

 米国議会で特許改革法案を巡る攻防が激しさを増しており、賛成反対双方の企業が議員に対する圧力を強めている。この法案に関しては、上院での採決が近日中に行われるとの観測も出ている。

 米国連邦議会の議事堂では、10月25日、賛成反対双方のグループが相次いでこの問題に関する記者会見を開いた。ヒューレット・パッカード(HP)、シスコシステムズ、SAPの弁護士などが加わっている「Coalition for Patent Fairness(特許の公正さを求める連合)」は、上院で審議されている特許改革法が幅広い支持を得ており、上院も下院に習って速やかに可決するよう期待するとの声明を出した。

 このグループは、10月24日、有力な上院議員に書簡を送り、特許改革法案を通過させるよう求めた。書簡には、「(この法案は)米国内のあらゆる勤労者と消費者に利益をもたらす」と書かれており、アマゾンやデル、イーベイ、インテルなど128の企業が署名している。

 一方、反対派のグループである「Innovation Alliance(革新連合)」は、10月23日、法案を否決するよう求める書簡を上院に送った。

 430の企業や団体が署名したこの書簡には、「このような様式で書かれた法案に説得力のある根拠はない。法案は、現在の特許システムが危機に瀕しているという根拠のない主張に基づくものであり、きちんと精査されていない一部の人の断定に裏打ちされている」と書かれている。署名した企業および団体には、米国電気電子技術者協会(IEEE)、ナノテク企業の業界団体であるナノビジネス・アライアンス、カーギル、コカコーラ、クアルコムなどが含まれている。

 特許改革法は、上下両院いずれの法案とも、米国の特許システムを刷新する内容になっているが、議論の的になっているのは、承認された特許に異議を申し立てるための新たな手段を設けるという条項と、特許侵害訴訟で裁判所が損害賠償額を算定する方法を改めるという条項の2点だ。

 現在、裁判所は製品の一部が特許を侵害している場合でも、製品全体の価値を考慮して賠償額を算定している。特許改革法が成立すれば、特許侵害が発生している部分の価値だけを考慮して賠償額を算定することができるようになる。

 医療機器ベンダーであるマシモのCEO、ジョー・キアニ氏は、このような形で法律が変わると、特許の有効性に疑念が生じ、ベンチャー・キャピタルの資金が革新的な企業から逃げてしまう可能性があると指摘する。

 キアニ氏をはじめInnovation Allianceの人々は、特許改革法案が成立した場合、最近、連邦最高裁で下された判断(この中には、特許侵害訴訟で、原告による差し止め請求の使用に制限を加えるという判断も含まれている)とも相まって、多くの特許の価値が大幅に下落すると指摘する。同氏は、「(特許改革法が成立すれば)中国などの国々が、わずかなコストでわれわれの技術をコピーし、米国に輸出することができるようになる」と語っている。

 Innovation Allianceのパネリストは、米国特許商標局(USPTO)の予算を増額し、特許審査官が申請書類を十分に調査できるようにするという形での特許制度改革を支持している。ナノビジネス・アライアンスのエグゼクティブ・ディレクター、シーン・マードック氏は、「われわれは、思慮深いやり方で進められる特許改革を支持する。現行の特許改革法案は思慮深いとは言い難い」と語る。

 一方、Coalition for Patent Reformのメンバーは、Innovation Allianceに数時間遅れて記者会見を開き、名の通った企業を訴える「特許相場師」の問題を解決する必要があると強調した。SAPの最高知的財産責任者ティム・クリーン氏は、最高裁の判断とUSPTOの予算増額だけでは不十分と指摘する。

 最高裁は、過去2年間の特許訴訟で新たな判断を示している。例えば、従来はほとんどの訴訟で特許侵害に当たるとされた製品には販売差し止めを命じてきたが、2006年5月にはこの慣行を覆す判断を下した。こうした動きはあるが、特許訴訟の件数は増え続けており、今年は過去最高になる見通しだ。Coalition for Patent Reformによると、1990年には20カ所の連邦地裁でおよそ625件の訴訟が起こされていたが、今年は、9月末時点までで、同じ20カ所の連邦地裁に1,550件の訴えが出されているという。

 HPの総合弁護士マイケル・ホルストン氏によると、今年同社は、特許訴訟への対応に約7,500万ドルを支出する見通しであり、その半分以上は、特許相場師が起こしたものだという。また、シスコの総合弁護士マーク・チャンドラー氏も、「(現在の特許システムは)訴訟ゲームに利用されている」と同様な意見を述べた。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)




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