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【インタビュー】
IBMのLinux戦略の行方――Linux/オープンソース担当幹部に聞く

ノベルとマイクロソフトの提携は戦略に影響を与えない

(2007年03月15日)

米国IBMでLinux/オープンソース担当バイスプレジデントを務めるスコット・ハンディ氏は、1983年にシステム・エンジニアとして米国IBMに入社した後、営業、マーケティング、戦略関連などさまざまな仕事を経験し、Windows NT、Sun Solaris、OS/2 Warp対応IBM製品など広範な製品にかかわってきた。現在の立場に就いた後は、IBMのオープンソース戦略の“顔”として活躍している。先ごろニューヨークで開催された「LinuxWorld Open Solutions」の会場で、同氏に、IBMのLinuxおよびオープンソース・イニシアチブ戦略について聞いた。

エリザベス・モンタルバノ
IDG News Serviceニューヨーク支局

──IBMでは、社内でもLinuxの利用を推進しているようだが、その現状を教えていただきたい。

 約4年前から、社内でWindowsとLinuxの双方を使えるようにしているが、そのためにわれわれがクロス・プラットフォーム環境として選んだのは「Eclipse」だった。この取り組みを進めたところに、(IBMが今年2月12日に発表した、LinuxとWindowsのどちらでもLotus、オープンソース、その他の商用ソフトウェア製品を混合して使用することができるという)「Open Client Solution」がある。

 今は全社員にOpen Client Solutionを利用してもらうことを、当面の目標にしている。これによって、どのOSを使用しているかはあまり問題ではなくなるが、われわれの作業はこれで完了したわけではない。具体的な数値目標はないが、当社のLinux利用はまだまだ増えると期待している。例えば、IBMリサーチや中国の開発研究所はLinuxを好んでいるようだし、ブラジルやインドなど(の現地法人)でもLinuxのほうがより使われているようだ。

――IBMは、以前から、レッドハットとノベルを同等にサポートしていくと宣言しているが、ほかのディストリビューションについてはどう考えているのか。

 当社のLinuxディストリビューション戦略では、とにかく2つ以上のLinuxディストリビューションをサポートすることにしている。それで、1999年には「TurboLinux」、「Caldera」、「SUSE」、「Red Hat」の4つのディストリビューションをサポートしていたが、時代とともに顧客の購買傾向が変化したことで、Linux事業も必然的に(サーバ・レベルで)整理統合されていくことになった。現在では、出荷されるLinuxサーバの90%以上に、Red HatかNovell SUSEが搭載されるようになっている。

 (だから、現在はその2つのディストリビューションがあれば十分なのだが)顧客の側から見れば、「ベンダーに偏らないサプライヤー」あるいは「(複数ディストリビューションを提供する)デュアル・サプライヤー」というコンセプトは非常に魅力的に映るはずだ。

 先ほど述べた「2つ以上」というのは、(そういう顧客の期待にこたえるべく)将来的にレッドハットとノベル以外のベンダーがシェアを拡大してきた場合に備えて、当社がそのディストリビューションを追加サポートする可能性を留保しておくという意味でもある。もちろん、そうなればさらにコストがかさむことにもなるわけだが……。

 実際、当社は、現時点でもすでにかなりのLinuxポートフォリオを持っており、当社のソフトウェア・グループは、今後Linuxをサポートしなければならない(テストが必要な)ソフトウェア製品を、「DB2」「WebSphere」「Lotus」「Tivoli」「Rational」などの分野で500以上も抱えている。

 それでも、別の(現在サポートしていない)ディストリビューションがシェアを大きく広げたときには、それを追加サポートすることを厭わないという戦略をとっているわけだ。

 「シェアを大きく広げる」とは、顧客がそのLinuxディストリビューションを欲しがったり購入したがったりする傾向が強いという意味であり、そうした動きが認められれば、IBMは躊躇なくその流れに従うつもりだ。アジアで「Asianux」をサポートしているように、すでにそうした追加サポートを行っている地域もある。

――IBMはノベルとマイクロソフトの戦略提携を肯定的にとらえているのか。それともノベルの信頼性が損なわれたと考えているのか。

 IBMとしては、マイクロソフトとノベルの提携については「興味深く見ている」といったところだ。一方、顧客はと言えば、立場や考え方によって、さまざまなとらえ方をしているようだ。「ベンダー同士の争いはすべて悪い」と考える人たちは、今回のパートナーシップを評価している。

 もちろんその一方で、(ノベルがマイクロソフトという)アンチLinux派の代表と手を結んだことをネガティブにとらえる向きもある。私は、この件について多くの顧客と話をしたが、これまでの感触では、好意的な意見が否定的な意見を若干上回っているような気がする。

 この提携では、特に仮想化に関する合意内容が興味深く、個人的には、この合意は顧客にとってプラスに働くのではないかと見ている。仮想化の分野は競争が激しいが、ノベルはここで競争優位を確立しようと動いている。今後どうなるか、お手並み拝見というところだ。

 ちなみに、IBMのノベルに対するサポートは、これまでと何ら変わることはない。ノベルとともに積極的に市場に攻め込んでいくつもりだ。同時に、もちろんレッドハットとの提携も継続・推進していく。したがって、(ノベルとマイクロソフトの提携が)当社の戦略に大きな影響を及ぼすことはないだろう。

――IBMが支持しているオープン・ドキュメント規格(ODF)に、マイクロソフトが反対していることについてはどう思うか。

 IBMの戦略の基本は、業界を牽引するあらゆる技術を後押ししようというものだ。その観点からすれば、ベンダーはもちろん、顧客、各国政府等々、多く関係者の支持を得ているODF(OpenDocument Format)はサポートするに十分値すると言える。われわれはその戦略にのっとって「Lotus Notes」とそれに搭載されるエディタをすでにODFに準拠させており、果たすべき役割をきちんと果たしている。

(Computerworld.jp)




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