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M&A/組織改編

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[米国] 【解説】
EDSの買収で、HPはIBMに勝てるのか

サービス部門の拡大に対し、アナリストの見解は真っ二つ

(2008年05月14日)

米国Hewlett-Packard(HP)は5月13日、ITサービス企業の米国Electronic Data Systems(EDS)を139億ドルで買収すると発表した。HPは今回の買収の目的を、「サービス分野の拡大を目指すため」と語っている。近年積極的な企業買収を行ってきたHP。アナリストらは今回の買収を「打倒IBMの第一歩」と見ているようだ。

Patrick Thibodeau/Computerworld米国版


 HPでCEOを務めるマーク・ハード(Mark Hurd)氏は、人手を使うよりも自動化を好む。同氏は以前にも、海外の労働力はコスト削減に役立つが、自動化すれば「コストそのものがゼロになる」と発言していた。

 Hurd氏が目指すのは、「真っ暗なデータセンター」だ。同氏はスタッフでごった返したサービス部門に批判的だった。しかし、EDSの買収が完了すれば、Hurd氏の理想とは裏腹に、サービス部門はスタッフであふれ返ることになるだろう。

 この買収でHPは、自社の従業員15万9,000人に加え、EDSの従業員13万9,000人も擁することになる。しかし売上高は、さしたる“増加”にならない。2007年度におけるEDSの年間売上高は221億ドルだ。一方、HPの同年における売上高は1,040億ドルに上る。

 今回の買収で、HPとEDSの顧客にはどのようなメリットがあるのだろうか。Hurd氏は買収に関する電話会見で、「今回の買収は、アウトソーシング分野およびサービス分野の拡大を目指すものだ。特にEDSの顧客は(買収により)低価格で質の高いサービスを享受できるようになる」と語っている。

 両社の統合がスムーズに完了すれば、すぐにでもIBMに匹敵する巨大なサービス部門が誕生する。言うまでもなくIBMの「Global Technology Services」部門は、グローバル・サービス市場において長期的に利益を上げている。しかし、Hurd氏は“新生HP”のサービス部門を、IBM型のサービス部門にするつもりはないようだ。

独自のサービス路線を突っ走るメリットとデメリット

 そもそも、EDSとIBMのグローバル・サービスには決定的な違いがある。

 EDSはデータセンターやヘルプデスク、ネットワークの運用など、インフラストラクチャ管理サービスに特化し、数多くのデータセンターを所有しているベンダーである。

 一方IBMは、EDSと同様にインフラストラクチャ管理サービスを提供しているが、経営コンサルティング分野にも注力している(そして大手だ)。この点が両社の明確な違いだといってよいだろう。EDSは1995年に経営コンサルティング会社である米国A.T.Kearneyを買収し、同分野の強化を図ったことがある。しかし、A.T.KearneyはEDSの利益増に貢献するまでには至らず、2006年に分離独立している。

 今回の買収を、アナリストらはどのように評価しているのだろうか。

 否定的な見解を示すのは、米国Forrester Researchのアナリスト、ポール・レーリッヒ氏(Paul Roehrig)だ。同氏は、「今回の買収は、グローバル事業の拡大、顧客数の増加、サービス事業の成長を目指すとのことだが、なぜそのためにEDSを買収する必要があるのかわからない」と語る。

 現在のIT業界におけるアウトソーシングのトレンドは、個々のITニーズを満たすため複数のベンダーと契約し、それぞれのベンダーを活用しながら必要に応じて乗り換えるという方法だ。1社のベンダーに丸投げする時代ではない。

 コンサルティング会社である米国Technology Partners International(TPI)でパートナー兼マネージング・ディレクターを務めるピーター・アレン(Peter Allen)氏も、「そもそもEDSが多数の(アウトソーシング)契約を獲得できたのは、IBMと違ってハードウェア製品に依存してなかったからだ」と指摘する。

 「もちろんHPが(今後急成長を遂げるであろう)クラウド・コンピューティング・サービスを提供するためのリソース確保としてEDSを買収したのであれば、その意味は大きい。しかし、HPがそこまでのビジョンを持っているのだろうか」(Allen氏)

 一方、肯定的な見解を示すのは、米国のコンサルティング会社EquaTerraでマネージング・ディレクターを務めるスタン・ルピーク(Stan Lepeak)氏だ。同氏は、「HPのサービス部門はすでに巨大であり、2007年度は166億ドルを稼ぎ出している。また、EDSはアウトソーシング事業を拡大しており、HP製品群と相性の良いサービスを、幅広く提供している」と語り、合併によるシナジー効果があると指摘している。

 米国の調査会社Pund-ITでアナリストを務めるチャールズ・キング(Charles King)氏は、「データセンターがますます複雑化/分散化していけば、企業にとってそれらを管理するのはますます困難になる。その場合、EDSが提供するサービスに対するニーズは高まるはずだ。今回の買収でHPは、IBMと“効果的に”戦えるようになるだろう」と述べている。

(Computerworld.jp)




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