【 ここから本文 】

マルチコア・コンピューティング

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


マルチコア・コンピューティング

[米国]
インテルとAMDの「マルチコアCPU競争」が再び激化

現在の主戦場はクアッドコア。次は6コア、8コアへ

(2008年03月19日)

 米国IntelとAMDによる「マルチコアCPU競争」が再び激化の様相を示している。AMDのクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)が、当初の予定から数カ月遅れでようやく4月に一般向け出荷となるが、Intelが3月17日に6コアCPUを発表。Barcelonaの登場で縮まりつつあったAMDとの差をまた広げようとしている。

いよいよ4月より一般向け出荷が始まるAMDのクアッドコアOpteron「Barcelona」

 Intelの6コアXeonプロセッサの開発コード名はDunningtonで、2008年下半期の出荷開始を計画している。一方のAMDは、同社コマーシャル・ビジネス担当バイスプレジデント、ケビン・ノックス(Kevin Knox)氏がNetwork World米国版の取材に対し、「今月中にパートナー向けにBarcelonaを出荷し、4月にはリセラーを通して一般リリースする」と回答した。

 このスケジュールについて、「Barcelonaは確かに進化しているが、出荷するのが遅すぎる。昨年の下半期に出すべきだった」と米国の調査会社Gartnerのアナリスト、マーティン・レイノルズ(Martin Reynolds)氏は語った。

 AMDは当初、Barcelonaを2007年末にかけて一般リリースする予定だったが、高負荷環境での問題が発覚したことを受け、出荷を延期していた。「特定の処理でシステムがハングしたり、仮想化が正しく実行されなかったりといったトラブルはあったが、データが壊れたわけではない」とKnox氏は説明した。Barcelonaはまだ生産数が限られており、現在のところ、Texas Advanced Computing Center(TACC)やNebraska大学のHolland Computing Centerなど、主にHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)施設で採用されているにすぎない。

 Intelは、2007年初頭からクアッドコアXeonを販売しており、同年9月には4個以上のCPUを搭載するハイエンド・サーバ向けのクアッドコアCPU「Xeon 7300」を発表している。

 Reynolds氏は、Barcelonaが一般リリースにこぎ着けたとはいえ、そのパフォーマンスについては、プロセッサの処理速度、帯域幅の利用率とも、IntelのクアッドコアCPUの後塵を拝していると指摘する。「今後1年半、パフォーマンス面での競争はIntel優位で進むだろう。だが、AMDがこのまま終わるはずもなく、2009年に何を出してくるか期待したいところだ」(Reynolds氏)

 Knox氏が言うには、業界で最新のクアッドコアCPUであるBarcelonaはIntelのそれより高性能であり、チップ・レベルの新たな命令により、プロセッサ上で仮想ワークロードをより効率的に処理できるとのことだ。ワット当たりの価格性能比は格段に高まっている、と同氏は強調する。「われわれは、熱設計枠(Thermal Envelope)を同じレベルに抑えながらデュアルコアからクアッドコアに移行した。これは単なるクアッドコアではなく、Opteronを発売して以来、アーキテクチャに最も大規模な改良を加えたプロセッサだ」(Knox氏)

 米国HPは、いち早くBarcelonaの採用を表明した。同社は3月17日、5月にBarcelonaを採用した8ソケットのx86サーバを出荷すると発表した。Knox氏によると、DellやSun Microsystems、IBMなども、Barcelona搭載サーバの準備を進めているという。「4月にはかなりの数のサーバ・システムが出揃うはずだ」(Knox氏)

 クアッドコア競争でライバルに遅れをとったのは痛手だが、Knox氏の表情からは自信がうかがえる。同氏はこう語っている。「4CPUサーバ市場には、いつだってIntelというライバルが存在する。同社の存在はわれわれにとってもちろん脅威だが、よい面もある。クアッドコアに対する意識を高めてくれたのはほかならぬIntelだ」

 一方、Intelが次に目指すのは、6コアに対する意識を高めることである。「クアッドコアの次は8コア」というのが自然な流れに見えるが、「毎回、コアの数を2倍にしていくことに技術的な理由はない」とReynolds氏は言う。

 Intelの話では、Dunningtonは、新しい仮想化技術「FlexMigration」をサポートするという。同技術は仮想化リソースのプールを作り、Intelの異種サーバ間で移行できるようにするものだ。

 また、Intelは、HPC向けの新しいクアッドコアItanium(開発コード名:Tukwila)など、現在取り組んでいる他のマルチコア・プロジェクトについても説明した。同社は17日にリリースしたファクト・シートで、「Tukwilaは、世界で初めて20億個のトランジスタを搭載するプロセッサであり、現行世代のItaniumの2倍以上の性能に達する」と紹介している。

 これらに加えて、Intelは「Nehalem」(開発コード名)と呼ばれるCPUの開発にも着手している。これは2〜8個のコアを備え、現在、最高性能を誇るクアッドコアXeonと比較して4倍のメモリ帯域幅を持つ。Nehalemのアーキテクチャは、最終的にノートPCから高性能サーバに至るまで、あらゆるシステムに採用されるとのことだ。

 Intelは、高いグラフィックス性能を特徴とする次世代ゲーム機や、人間の動きに呼応するゲーム・コントローラ、医者がコンピュータを駆使して手術する際に患者についての情報をリアルタイムで得られるようにする医療用画像処理センサーなど、さまざまなテクノロジーに投資しているところだ。

(Jon Brodkin/Network World米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


特別インタビュー

IT環境の“64ビット化”と“仮想化”を加速するAMD OpteronプロセッサとWindows Server 2008

【日本AMD/マイクロソフト】

インタビュー覧

スペシャル・フォーカス

Windows Server 2008の実力を探る

64ビットのプロセッサ・パワーをフルに引き出す

プロダクト&テクノロジー

クアッドコア AMD Opteron プロセッサ

低消費電力と仮想化支援機能が最大の魅力

AMDのHD映像ソリューション「AMD HD! エクスペリエンス」

高精細動画のスムーズな再生/編集をメインストリーム上で実現

関連製品一覧

事例研究

「スクーデリア・フェラーリ F1 レーシング・チーム」

クアッドコア・プロセッサで空気力学のシミュレーション時間を短縮
(PDFファイル:274KB)

消費電力は同等でも性能は7倍――京都大学が新スパコン導入へ

AMDのクアッドコアOpteronを1,664個搭載

連載コラム

プロセッサ今昔物語

【第1回】
誕生から半世紀。今もなお、加速するプロセッサの進化

AMD関連製品カタログ

AMDデスクトップ/モバイル向けCPUラインナップ

(PDFファイル:683KB)

AMD Opteronプロセッサ搭載サーバ製品カタログ

(PDFファイル:1.77MB)

仮想化とマルチコア技術

「仮想化時代」に到来する3つのテクノロジー・トレンド

グリーンIT/プロビジョニング/自律コンピューティング

仮想化を巡る8つの課題

性能、セキュリティ、ライセンス、ストレージ……

注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

サーバ仮想化ソフト「注目5製品」の特徴

有力ベンダーの最新製品に見る、技術/機能のトレンド

ITインフラ効率化

データセンター再構築プロジェクト――“高密度化”時代のROI向上術

新設データセンターへの投資効果をいかに高めるか

グリーンITでIT部門がなすべきこと

「地球にやさしいIT」に向けた多角的なアプローチを実践する

データセンター内をさまよう“幽霊サーバ”を暴き出せ!

存在していないはずなのに金だけは食う、やっかいものの正体とは

“グリーン・データセンター”を構築せよ

省エネを実現するために踏むべき7つのステップ

高可用システムの根幹を成す「物理インフラ」を再点検する

データセンターの「立地・建築・設備」やサーバ・ルームの「電力/熱問題」に着目

トレンド・ウォッチ

クアッドコア時代よさらば――インテル、サーバ向け6コア版Xeonの出荷準備が整う

アナリストは「ライバルAMDに対する先制攻撃の意味合いが強い」と分析(2008年08月20日)

インテル、メニーコア・プロセッサ「Larrabee」の概要を明らかに

高度なゲーム/グラフィックス処理に照準。リリースは2009年以降(2008年08月05日)

富士通とサン、クアッドコアSPARC64 VIIを搭載した「SPARC Enterprise」サーバを発表

従来機種と比較して1.8倍の高性能化を実現(2008年07月14日)

インテルとAMDのCPU価格競争が沈静化――両社の業績は上向き傾向に

デスクトップPC向けを拡充したAMDが巻き返しをねらう(2008年07月07日)

インテルに挑むARM――低消費電力のサーバ向けマルチコアCPUを開発へ

シェア獲得のカギは、ARMアーキテクチャをサポートするインフラの整備(2008年06月20日)

6コアの次は一気に12コア――AMDがCPUロードマップを大幅変更

処理性能の高さ/製造のしやすさを重視し、8コアの開発は中止(2008年05月08日)

半導体業界が「永久」の停滞期に突入?――ガートナーが分析

市場の成長鈍化と米国経済の低迷で加速する業界再編(2008年04月01日)

インテルとAMDの「マルチコアCPU競争」が再び激化

現在の主戦場はクアッドコア。次は6コア、8コアへ(2008年03月19日)

AMD、CeBITで同社初の45nmプロセッサ2モデルを披露

強みは液浸リソグラフィ技術。Intelとの差を縮め、逆襲なるか(2008年03月05日)

インテル、組み込み機器向け45nmプロセッサとチップセットを発表

大幅な性能向上と消費電力削減を実現(2008年02月28日)

インテル期待のSilverthorneチップ、本領は「超低消費電力」にあり

Intelの次代を担う新チップの詳細が国際会議で発表へ(2008年02月05日)

インテル、次期Itaniumプロセッサ「Tukwila」の詳細を明らかに

省電力化に貢献する新アーキテクチャを採用(2008年02月04日)

日本AMD、2008年度の製品/エンタープライズ事業戦略を発表

CPU/GPU統合プラットフォーム製品を積極展開し、不調な業績の回復を図る(2008年01月21日)

「新アーキテクチャの開発は順調」――インテルが2008年度の事業戦略を発表

コンシューマー/モバイル向けにも新製品を順次投入(2008年01月16日)

Weekly Ranking

集計期間:10/07〜10/13



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国