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マルチコア・コンピューティング

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マルチコア・コンピューティング

【解説】
クアッドコア時代のCPU新事情[インテル編]

TICK TOCK戦略に基づき、サーバ/デスクトップ/モバイルの各レイヤでマルチコアCPUを推進

(2008年05月21日)

2007年に45nmプロセスのPenrynが登場

写真1:45nmプロセスを適用したPenrynのダイ

 Coreマイクロアーキテクチャをベースに45nmプロセスで製造されたPenryn(開発コード名)は、Intelと一般ユーザーの双方が期待したとおりの価格性能比を実現したことで、2007年におけるCPUの最大の目玉となった(写真1)。PC Worldなどの専門誌から各種ハードウェアを取り上げる個人サイトに至るまで、実に多くの性能検証が行われ、そこに掲載された多数のテスト結果から、Penrynは平均20%も性能がアップしていることがわかった(関連記事)。

 さらに、CPUのサイズを小型化したことで、シリコン・ウェハ1枚当たり、より多くのCPUを量産できるようになった。これは、Intelにとって、CPUの低価格化と利幅の向上に大きく貢献している。また、Penrynの新機能や改良点としては、仮想化技術の改良、マルチメディア拡張命令セット「SSE4」の搭載、消費電力の低減などが挙げられる。

 2008年は、高性能なPenrynプロセッサを擁するIntelの優勢が、しばらく続きそうな情勢である。

コンシューマー向けに初の8コア・プラットフォームを投入

 Intelは、コンシューマー向けとして最高性能となるクアッドコアCPUであるCore 2 Extreme QX9770および同QX9775を2008年第1四半期に出荷している(写真2)。両CPUは、動作周波数3.2GHzを誇り、2007年末にリリースされた同QX9650(3.0GHz)よりも高速化されている。

写真2:コンシューマー向けとして最高性能を誇るクアッドコアCore 2 Extremeプロセッサ

 両CPUの最大の特徴は、FSB(フロントサイド・バス)のスピードが1,333MHzから1,600MHzへと大幅にアップしている点だ。QX9770は、X48チップセット(1,600MHz FSBをサポート)で動作し、それよりスピードの遅いX38チップセットとの互換性も持つ。

 QX9775は、サーバ向けのLGA771ソケットをベースとする新プラットフォーム「Skulltrail」(開発コード名)への搭載を想定して開発されており、ユーザーはSkulltrail上にQX9775を2個搭載できる。Skulltrailは、コンシューマー向けとして初めての8コア・プラットフォームとなるわけだ。

 また、QX9770/QX9775は、動作周波数が3.2GHzであることに加えて、12MBという驚くほど大容量のL2キャッシュを備えている。ただし、価格は1,500ドル近くとかなり値が張る。

 さらにIntelは、2008年内に3.4GHz、もしくは4.0GHzの動作周波数を実現したコンシューマー向けのCPUをリリースする可能性もある。

ミッドレンジ市場向けの45nm製品も続々リリース

 Intelは、2008年内にPenryn QシリーズおよびEシリーズもリリースする計画だ(Qはクアッドコアの意。Eシリーズは標準のCore 2 Duoライン)。

 ミッドレンジ市場については、デスクトップPC向けにCore 2、サーバ向けにXeonの名を冠した多数のクアッドコアおよびデュアルコアCPUを45nmプロセス・ベースでリリースする。同市場に投入されるクアッドコアCPUは、“ネーティブ”なクアッドコアではなく、2つのデュアルコアCPUを組み合わせたものとなる。

 2008年上半期だけでも、Core 2 Quad Q9300(動作周波数2.5GHz、6MB L2キャッシュ)、同Q9450(2.7GHz、12MB L2キャッシュ)、同Q9550(2.8GHz、12MB L2キャッシュ)が登場する。これら3製品は、すべて1,333MHz FSBとLGA775ソケットに対応している。

 2008年第3四半期ごろには、Core 2 Quad Q9400(動作周波数2.7GHz、6MB L2キャッシュ)と同Q9650(3.0GHz、12MB L2キャッシュ)の登場が控えており、両CPUともLGA775ソケットおよび1,333MHz FSBに対応している(QシリーズのCPUに記載されている“50”の数字は、12MB L2キャッシュを意味する)。

 CPUの市場動向がこの2、3年の間に大きく様変わりしたことは、45nmプロセスへの移行や、動作周波数2.6〜3.3GHzのデュアルコアCore 2 Duoプロセッサが、今やミッドレンジ市場向けCPUのローエンド・モデルに位置づけられている点からも容易にわかる。

 さらにIntelは、Core 2 Duo E8190(動作周波数2.7GHz)、同E8200(2.7GHz)、同E8300(2.8GHz)、同E8400(3.0GHz)、同E8500(3.2GHz)を含む45nmプロセスを適用した一連のCore 2 Duoプロセッサを2008年上半期にリリースする。2008年第3四半期には、同E8600(3.3GHz)もデビューする予定だ。これらのCPUは、どれもLGA775ソケットに対応しており、6MBのL2キャッシュを搭載し、1,333MHz FSBで動作する。加えて、Intelの仮想化技術「Intel VT(Virtualization Technology)」をサポートする。

 Core 2 Duoシリーズのローエンド・モデルは、2MBのL2キャッシュを搭載し、800MHz FSBで動作する65nmプロセスを適用した動作周波数2.6GHzのCore 2 Duo E4700となる。また、3MBのL2キャッシュを搭載し、1,066MHz FSBで動作するPenrynベースの同E7200(動作周波数2.5GHz)も用意されている。しかし、両CPUは、いずれもIntel VTには対応していない。

Topics
「破壊的な影響力を持つ技術」ランキング、1位はマルチコアCPU

Chris Kanavacus/IDG News Serviceボストン支局

 米国の調査会社Gartnerは2008年4月8日、同社主催のシンポジウムにおいて、2012年までの4年間にわたって「破壊的な影響力」をIT業界に及ぼす技術をランキング形式で披露した。

 結果は、1位がマルチコアCPU、2位がクラウド・コンピューティング、3位がユーザー・インタフェースとなった。

 同ランキングをまとめたのは、Gartnerのアナリストであるデビッド・シアリー(David Cearley)氏とカール・クランチ(Carl Claunch)氏の2人だ。両氏は米国ラスベガスで開催された「Symposium/ITxpo 2008」で講演し、こうした技術が今年から2012年にかけてIT業界の状況を一変させると語った。

 両氏がまとめたランキングのトップ10には、前出の3つの技術のほか、ソーシャル・ネットワーキング/ソーシャル・ソフトウェア、Webマッシュアップ、ユビキタス・コンピューティング、コンテキスチュアル・コンピューティング、拡張現実感(Augmented Reality)、セマンティクス、仮想化が入っている。

 両氏は、1位のマルチコアCPUについて、「これまでの技術にない利点がある」と述べている。しかし、その一方で両氏は、シングルスレッドにしか対応していないアプリケーションでは、マルチコアのパワーを引き出せない点も指摘した。「例えば、シングルスレッド・アプリケーションを8コアのシステムで稼働させても、利用可能なコアを8分の1しか使えないため、利用率は12.5%にとどまる」

 こうしたことから、「(マルチコア対応へと)修正が必要なアプリケーションを特定する必要がある」と両氏は述べている。

 とは言え、マルチコアCPUが標準となりつつある現状を考えると、今後はアプリケーションも続々とマルチコア対応に変わっていくと考えられる。Cearley氏らの指摘は、急激に進むマルチコア化に追いついていない現状を如実に示すものと言え、そのことからも、マルチコアCPUの浸透ぶりと影響力の高さをうかがい知ることができる。


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