【 ここから本文 】

マルチコア・コンピューティング

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


[米国]
インテル、メニーコア・プロセッサ「Larrabee」の概要を明らかに

高度なゲーム/グラフィックス処理に照準。リリースは2009年以降

(2008年08月05日)

 米国Intelは8月4日、メニーコア・プロセッサ「Larrabee」(開発コード名)の概要を明らかにした。多数のコアを搭載する新プロセッサの詳細は「SIGGRAPH 2008」で8月12日に発表される予定だが、最重要ポイントの1つであるコア数は公表されない見通しだ。

 Larrabeeは、米国NVIDIAやAMDなどが提供するGPUと競合する製品で、リリースは2009年または2010年の予定。x86アーキテクチャをベースとしたプロセッサ・コアを多数搭載する。また、既存のゲームやグラフィックス・ソフトウェアとの互換性を保つため、OpenGLとDirectXの2つのグラフィックス・ライブラリをサポート。金融業界や学術研究向けのソフトウェアなど、膨大なパワーを必要とするアプリケーションにも対応できるとされている。

IntelはLarrabeeプロセッサの詳細を「SIGGRAPH 2008 」(8月12-14日開催)で明らかにする

 Larrabeeの技術ベースとなっているのは、Intelが多額の資金を投入している技術研究プロジェクト「テラスケール・リサーチ」である。ちなみに、同社は今年第2四半期だけで調査・開発費用に14億7,000万ドルを投資したが、この金額はライバルであるAMDの、同四半期における売上高をも超えている。

 Intelのビジュアル・コンピューティング・グループのチーフ・アーキテクト、ラリー・セイラー(Larry Seiler)氏は、x86ベースのチップを利用して高度なグラフィックス処理能力を提供することがLarrabeeの目標だとしたうえで、同プロセッサは、“爆発的”な並列処理能力と強力なグラフィックス性能が求められるゲーム市場/業界をターゲットにした、Intel初のメニーコア・プロセッサだと語った。

 現段階では、最初にリリースされるLarrabeeプロセッサの搭載コア数などは伏せられている。しかしIntelは、複数のチップを搭載したプロセッサが、8から48までのコア数の違いにより処理能力が向上することを示すプレゼンテーションを、ジャーナリストを対象に行った。同社幹部の過去の発言からも、Larrabeeのコア数が数十単位になることはおそらく間違いないと見られる。

 Larrabeeが搭載するチップ・コアは、同社のPentiumプロセッサ・コアの設計を土台に、よりワイドなベクタ演算ユニットや、64ビットへの拡張、マルチスレッド、プリフェッチといった機能を追加したものだという。さらに、画像のテクスチャなど、特定のグラフィックス機能に対処するためのコプロセッサも搭載される。

 Seiler氏によると、Larrabeeが備えるプロセッサ・コア配列により、GPUの並列処理能力とx86アーキテクチャが結合し、各アプリケーションやグラフィックス性能が向上したという。

 なお、グラフィックスのレンダリングは、GPUを利用してラスタライズやピクセル・シェーディング(付影処理)といった処理を積み重ねることで実現する。Larrabeeの場合、こうした複数の処理をまとめ、わずか3段階でレンダリングすることが可能だとSeiler氏は説明した。

 もっとも、Larrabeeがその性能を十分に発揮するためには、チップのパワーを引き出すアプリケーションの開発が必要となる。これについて、Intelのソフトウェア・エンジニア、トム・フォーシス(Tom Forsyth)氏は、x86アーキテクチャ関連のソフトウェア・サポートや専門技術が広く普及していることから、多くの開発者がLarrabee向けのプログラムを手がけることが期待できるとしている。

 ただし、Larrabee専用のプログラムをゲーム機器など他のプラットフォームに移植することが容易ではないことは、Intelの幹部も認めている。そのため、同社は現在、より多くのソフトウェア環境に対応するべく問題の修正に取り組んでいる。Intelはさらに、米国AppleやMicroosftなどと共同で、並列プログラミング・ツールも開発中だ。

(Sumner Lemon & Agam Shah/IDG News Serviceシンガポール支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


キャッチアップ

「Nehalem」プロセッサの実力を徹底検証する

驚異的な性能を示す新型Xeonプロセッサの魅力に迫る

Windows 7/Vista/XPの“マルチコア対応力”を検証する

デスクトップ向けWindowsは最新CPUの能力をどのくらい生かせるか

マルチコア・プロセッサの普及で激変するアプリケーション開発の現場

最適化ツールでデベロッパーにのしかかる負担を軽減せよ!

“ミスターx86”のパット・ゲルシンガー氏が語る「x86プロセッサの成功秘話」

プロセッサ・アーキテクチャの進化と共に歩んだ技術者人生

x86プロセッサの 「これまで」と「これから」

登場して30年――進化し続けるメインストリームCPUの軌跡

「GPUコンピューティング」の可能性――高速汎用計算に挑む

GPUの汎用的な計算処理への応用で、ベクトル型HPC市場を切り開くか

仮想化とマルチコア技術

「仮想化時代」に到来する3つのテクノロジー・トレンド

グリーンIT/プロビジョニング/自律コンピューティング

仮想化を巡る8つの課題

性能、セキュリティ、ライセンス、ストレージ……

注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

サーバ仮想化ソフト「注目5製品」の特徴

有力ベンダーの最新製品に見る、技術/機能のトレンド

ITインフラ効率化

サーバの技術革新をTCO削減に生かす

最新サーバで今こそITインフラの効率化を

データセンター再構築プロジェクト――“高密度化”時代のROI向上術

新設データセンターへの投資効果をいかに高めるか

グリーンITでIT部門がなすべきこと

「地球にやさしいIT」に向けた多角的なアプローチを実践する

データセンター内をさまよう“幽霊サーバ”を暴き出せ!

存在していないはずなのに金だけは食う、やっかいものの正体とは

“グリーン・データセンター”を構築せよ

省エネを実現するために踏むべき7つのステップ

高可用システムの根幹を成す「物理インフラ」を再点検する

データセンターの「立地・建築・設備」やサーバ・ルームの「電力/熱問題」に着目

Weekly Ranking

集計期間:03/11〜03/17



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国