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[米国]
IBM、第4世代のシリコン・ゲルマニウム・チップ製造技術を発表
(2005年08月08日)
米国IBMは8月5日、「8HP」と呼ばれる、第4世代のシリコン・ゲルマニウム(SiGe)チップの製造技術の提供を開始すると発表した。
8HPは、線幅130ナノメートル(nm)のプロセス技術を使用し、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)を材料とする、バイポーラ相補型金属酸化膜半導体(BiCMOS)の鋳造技術。この技術によるチップは、180nmプロセスが使用されている既存のチップよりも集積度が高く、省電力、高性能であり、性能は第3世代技術の2倍以上になるという。
IBMでは、この技術が、一般消費者向けの携帯通信機器のコストを下げ、高速広帯域通信を進歩させるとともに、自動車衝突防止レーダーなどの革新的な新用途の実現に役立つ可能性があると述べている。
また、IBMは8HPと並行して、無線用途向けの「8WL」という低価格バージョンも提供する。これは、携帯電話機のバッテリ使用時間の拡大や機能拡大を可能にして、無線LANやGPS技術の急速な普及を助けることを狙ったもの。
無線用途での期待
この新技術によるチップは、車載レーダー装置や高速大容量のパーソナル・エリア・ネットワーク(PAM)などのための高度な無線機器に利用される可能性がある。
IBMシステム&テクノロジー・グループのチーフ・テクノロジスト、バーニー・メイヤーソン氏によると、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)は、シリコン製造の技法を生かしながら、高い周波数で稼働する無線チップの製造を可能にする半導体素材であり、同社にとって製造技術の重要な要素になっているという。SiGeは、シリコンに微量のゲルマニウムを添加したものである。
8月5月から、IBMのファウンドリ顧客は、旧世代の技術に比べて」ランジスタのパフォーマンスを2倍に高めることができる新世代のSiGeチップ製造技術を実装できるようになる、とメイヤーソン氏は述べた。
コンピュータ・チップの多くは、シリコンで作られている。シリコンは、豊富にある資源であるという点では半導体製造のために理想的だが、純粋なシリコンのトランジスタでは、先進的な無線システムで必要とされる60GHz前後の高周波数レベルを実現できないケースがある、とメイヤーソン氏は言う。高周波数レベルを実現しようとすればシリコン・トランジスタをきわめて小型化しなければならないが、その場合、電気が漏れ、チップがオーバーヒートしてしまう可能性がある。
無線チップ・メーカーは現在、チップ製造にガリウム砒素(GaAs: 砒化ガリウム)という半導体素材を使っている。GaAsは、SiGeよりも高価だが、60GHz前後の周波数を実現する唯一の手段として長年使われてきた、とメイヤーソン氏。しかし、SiGeのチップは比較的製造コストが安いため、GaAsなどの高価な素材で製造されるチップに取って代わることができると、IBMでは考えているという。また、SiGeのトランジスタなら、シリコン・トランジスタほど小型化しなくても60GHz程度の周波数に到達できる、と同氏は言う。
メイヤーソン氏は、60GHzに対応した無線チップの考えられる用途として、ごく狭いエリアだけで高速インターネット接続が可能な無線パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の構築を挙げた。高速なダウンロード速度に受信エリアの狭さという特性が組み合わされるため、オフィスで働く人々が送信する無線信号を外部の人物が傍受・盗聴する危険が減るという。
一部の自動車ではすでに、バックするときに障害物をドライバーに警告する無線レーダー・システムが搭載されているが、77GHzに対応した無線チップならば、前を走る自動車との車間距離に応じて速度を調整する未来のクルーズ・コントロール・システムも実現できる、とメイヤーソン氏は語った。
この種の利用方法はチップ設計者が何年も前から提案してきたものだが、現時点では、大量に生産されている製品はほとんど見当たらない、と米国アイサプライ・コーポレーションのディレクター兼主席アナリスト、レン・ジェリネック氏は指摘している。
「できることを示せば、需要が出現してくる。ようやく最近、Bluetoothを利用した製品が次々登場しつつあるが、それは、同技術を製品に組み込む方法がわかったからだ」とジェリネック氏は言う。Bluetoothは、2000年代初頭には未来の無線ネットワークとして大いに注目された近距離無線技術だが、実際には、携帯電話の無線ヘッドフォンなどの、より限定された用途で定着しつつある。
なお、IBMは、「顧客は、製造計画を競合他社に秘密にしておきたがっている」として、新しいシリコン・ゲルマニウム技術の利用を計画しているチップ・メーカーの具体的な名前は明かさなかった。
(Originally reported by Tom Krazit, IDG News Service 08/04/2005)
(IDG News Service)



















