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マルチコア・コンピューティング

[米国]
インテル、新型CentrinoへのHSDPA導入計画を撤回

十分な投資収益が得られないと判断

(2007年02月15日)

 米国インテルは、ノート型PCプラットフォーム「Centrino」の新製品投入を数週間後に控えた2月14日、ノキアが開発したHSDPA(高速ダウンリンク・パケット・アクセス)モジュールを使った無線アクセス機能を同プラットフォームに組み込む計画を撤回すると発表した。

 これにより、次世代Centrino Duoプラットフォーム(開発コード名:Santa Rosa)に搭載される無線インターネット・アクセス機能は、Wi-Fi技術のみとなる。インテルは、同プラットフォーム製品を2007年第2四半期に出荷する計画だ。

 インテルは、昨年9月にノキアとの提携を初めて発表した。同社はその際、ノキアのモジュールが次世代Centrino Duoプラットフォームの構成要素になり、Core 2 Duoプロセッサをベースにしたバッテリ駆動時間の長い無線対応ノート型PCを製品化できると説明していた。

 しかし同社は、この機能を実現するための投資を価格に上乗せした場合、ノート型PCベンダーが製品を購入しない可能性が高いと判断した。

 インテルの広報担当者コニー・ブラウン氏は、「詳細な分析を行い、今ノート型PC市場にこの製品を投入しても、十分な投資収益が得られないと判断した。しかし、だからといって、Santa Rosaの価値が変わるわけではない」と述べている。

 ただし同社は、将来投入するプラットフォームにHSDPAを使用するという計画まで捨てたわけではない。

 「われわれは、今後も組み込み3G機能の研究を続けるつもりだ。実際に検討中のものもあるが、現時点で公表することはできない」(ブラウン氏)

 インテルは当初、HSDPAモジュールを追加することでWi-Fiコンポーネントを補完し、人気の高い国際標準を使用した無線ブロードバンド接続機能をノート型PCユーザーに提供することができると説明していた。

 同社とノキアの提携では、プラットフォームの設計、ソフトウェア開発、インテグレーション、サポート、販売、マーケティングなどをインテルが担当することになっていた。

 一方、ノキアはモジュールを生産するとともに、3G HSDPA、接続製品、キャリアとの関係についての専門知識をインテルに提供する予定だった。

 インテルは、IEEE 802.11 Draft-n標準および既存のa、b、g標準を使用する組み込みネットワーク・アダプタ「Kedron」Next-Gen Wireless-Nカードを使ってすべてのノート型PCに接続機能を提供する予定だ。同社は、今年1月、IEEEが新しい標準を正式に採用するのを待たずにこのカードを発表した。

 新しい無線カードを使えば、現在使われている802.11a/gカードの2倍のレンジで、5倍のデータをやり取りすることができるため、音楽や高品位のストリーミング・ビデオをダウンロードする際のパフォーマンスが大幅に向上するという。

 すでにエイサーやアスーステック・コンピュータ、ゲートウェイ、東芝などのノート型PCベンダーがこのカードを組み込んだPCの販売を開始している。一方、デルとヒューレット・パッカードは、完全なSanta Rosaシステムの投入を待つと見られている。

 インテルは今回、HSDPAの需要が高くないと判断したが、携帯電話ベンダーの間では、この標準はすでに広く採用されている。

 今週スペインのバルセロナで開催された3GSM関係の展示会では、クアルコムがHSDPAベースのチップを使ってハンドヘルド・デバイスにモバイル・テレビ機能を提供するという計画を発表した。

 また、サムスンはトライバンド・データ・スキーマの一環としてHSDPAを採用した厚さ12.9ミリのスライド型携帯電話を発表している。

 ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズABも2月7日、Macとノート型PCに対応するモバイル・ブロードバンド・アクセス・カード「PC300」でHSDPAを採用すると発表しており、ノートPCユーザーも、2007年第3四半期までにはHSDPA標準を利用できる見通しとなった。

 一方、IDCの上級リサーチ・アナリスト、リチャード・シム氏は、HSDPAよりも低速な既存無線技術のEV-DOを使ったノート型PCが、すでにソニーやゲートウェイ、レノボなどから出荷されていると指摘する。

 「新たな標準の登場で、セルラ・ワイド・エリア・ネットワークが大きな影響を受けている。HSDPAがチップセットに組み込まれたら、ユーザーは増えるかもしれないが、キャリアが乗ってこなければ、新たなネットワークが整備されるという展望も開けない」(同氏)

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)




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