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マルチコア・コンピューティング
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[米国]
インテルとAMDが描く「モバイルCPU」のロードマップ
両社の開発競争は高速・低消費電力型のチップへ
(2007年03月12日)
モバイル・チップ市場で巻き返しを図るAMD
AMDが昨年夏にグラフィックス・チップ・ベンダーのATIテクノロジーズを買収したことは、業界関係者の耳目を集めた。両社の統合がどのような効果を生むのか、アナリストやジャーナリスト、業界専門家たちは熱いまなざしを向けている。ユーザー・インタフェースのレンダリングにGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を活用するVistaの登場で、この連合がモバイル・チップ市場に影響を及ぼすことは十分に考えられる。
業界観測筋によると、AMDは2007年後半か2008年前半に、「Fusion」の開発コード名で呼ばれる革新的なモバイル・プロセッサを発表する。それまでの間、同社は現行のモバイル・プラットフォームとプロセッサ・ラインの強化に注力すると思われる。
今年前半に65nm Hawkプロセッサがデビュー
昨年、AMDはインテルに決定的な技術的リードを許した。ほとんどのモバイル・プロセッサを65nm製造プロセスに移行したインテルに対し、AMDはいまだ相対的に非効率な90nmチップで足踏みしている。そのため、今のAMDにとって最も優先すべきなのは、モバイル・プロセッサのラインアップを65nm製造プロセスのパーツで一新することだ。
今年第1四半期の終わりか、第2四半期の初めに、AMDは「Turion 64 X2」およびモバイル用の「Sempron」ラインで線幅65nmのプロセッサをリリースする。この新プロセッサ・ラインは、今後リリースされる65nmモバイル・プロセッサの基盤となる。
「Hawk」という開発コード名で呼ばれている同プロセッサは、線幅65nm以外にもいくつかの機能強化が施される。AMDによると、アイドリング時の電力消費をインテルのCore 2 Duoプロセッサの33%に抑えるなどして熱効率を向上させるほか、800MHz DDR2メモリをサポートする。ただし、現時点で型番などの詳細は明らかにされていない。
当然のことながら、Hawkプロセッサのリリースは、次のような新機能を搭載した一連のチップセットのリリースと同時に行われる。
- 800MHz DDR2メモリをサポート
- HDMI表示インタフェースをサポート
- フラッシュ・ハードドライブ(NANDドライブ)との互換性を確保
この新プラットフォームにおいて最も興味深い点の1つは、ハイブリッド型のグラフィックス・チップだろう。これは、その名のとおり、2つの異なるGPUを組み合わせたものになる。1つは独立した高速のGPU(マザーボードに集積されていない)で、もう1つは比較的性能の低い集積GPUだ。このチップセットの場合、ノートPCがバッテリで駆動しているときは、独立したGPUを無効にすることで駆動時間を伸ばすことができる。
特筆すべきは、インテルがCentrinoプラットフォームで特定パーツやスペックに固執しているのに対し、AMDのモバイル・プラットフォームはあくまで推奨であり、必要条件ではないという事実だ。また、AMDは無線対応のチップセットを製造していないが、同社によると、HawkはIEEE 802.11nのWi-Fiデバイスと互換性を持つことになるという。
Griffinプロセッサはクアッドコア?
今年後半、AMDはもう1つの新しいモバイル・プロセッサを発表する。「Griffin」という開発コード名を持つプロセッサがそれだ。これもまた、線幅65nmで製造され、800MHz DDR2メモリをサポートする。
Griffinがこれまでのプロセッサと大きく異なるのは、HT(HyperTransport)3.0を採用する点だ。これにより、システム・バス速度の向上と同時に、コアが未使用のときは、プロセッサが個別にクロック周波数を落としたり、シャットオフしたりすることが可能になる(スプリット・パワー・プレーン)。
AMDはGriffinプロセッサに関するコメントを拒否しているが、HT 3.0やスプリット・パワー・プレーンを採用していることから、専門家やアナリストは、Griffinがクアッドコアのモバイル・プロセッサとしてデビューする可能性を指摘している。
Griffinプロセッサは、「Puma」という開発コード名で呼ばれる、AMDのまったく新しいモバイル/ワイヤレス・プラットフォームと同時にリリースされるだろう。この新しいプラットフォームは、クアッドコア・アーキテクチャをサポートし、パワー管理に優れ、IEEE 802.11nと互換性を持つ。
Fusionのヘテロジニアス・プロセッシング
より微細な線幅45nmのモバイル・プロセッサをAMDがリリースするのは、2008年後半以降になる見込みだ。このプロセッサは「Fusion」の開発コード名で呼ばれている。
同一のCPUコアを複数用いるのではなく、CPUとGPU(当然ATIのもの)を単一のマルチコア・チップに融合させるというのが、AMDがFusionプロセッサで採用するアプローチだ。この比較的新しいアプローチはヘテロジニアス・プロセッシングと呼ばれており、AMDはこの革新的な新手法に「Accelerated Processing Units」という名称を与え、昨年12月の「Analyst Day」で発表した。
ノートPCユーザーにとって、Fusionはパフォーマンスの面でどのような意味を持つのだろうか。現時点で評価を下すのは早計かもしれないが、CPUとグラフィックス・ハードウェア間での情報のやり取りが高速化すれば、ゲーム・ソフトやVistaのユーザー・インタフェース機能にきわめて有利に働くことは間違いない。
Fusionを搭載したマシンは、理論的には浮動小数点演算などの非グラフィックス機能をプロセッサにオフロードすることができる。また、統合されたCPU/GPUは電力消費の抑制に貢献するため、より小型のノートPCにも搭載可能になる。
AMDは昨年12月のAnalyst Dayで、早ければ2008年前半にデビューするAccelerated Processing Unitsが、同社のプロセッサ開発ロードマップにおいて中核になることを明確に示した。一方のインテルは、現時点でヘテロジニアス・プロセッシングに関する同等のプラン、あるいはロードマップを示していない。
こうしたAMDの果敢なロードマップは、デスクトップPC向けのAthlon 64プロセッサでシェア奪取を果たした4年前を再現する予兆となるのだろうか。われわれは今後も、モバイル・チップ市場の動向を注意深く追い続ける必要がありそうだ。
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