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マルチコア・コンピューティング

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マルチコア・コンピューティング

最先端ITの“夢”と“現実”――企業ITのあり方を変える?!

超伝導/自律/DC電源/相変化/量子/TIA ……

(2007年04月02日)

デスクトップWebアプリケーション

 「あなたは、Webを介して提供されるフル機能のデスクトップ・アプリケーションを使いたいと思いますか」――こう問われたとき、人はどう答えるだろうか。

 おそらく、比較的多くの人が、旧来のJavaやJavaScriptで記述された、使い勝手の悪いWebアプリケーションを想像し、「そんなものは使いたくない」と答えるかもしれない。

 だが、そうした人も、今日の洗練されたスクリプト言語や、アドビ システムズのFlash、およびShockwaveといったツールを使って開発されたWebアプリケーションを見ることで、自分の認識や考え方が誤りであることに気づくかもしれない。

 例えば、Flashベースで開発されたWebアプリケーションの1つに、「Gliffy」と呼ばれるものがある。これは、マイクロソフトの「Microsoft Visio」のように動作する、非常に魅力的で、安定した作図アプリケーションだ。しかも、このアプリケーションを動作させるには、Flash 7に対応したWebブラウザさえあればよい。.

 また、「EyeOS」と呼ばれるソフトウェアも、なかなか興味深いWebアプリケーションの1つだ。このソフトウェアは、一見するとFlashアプリケーションのように思えるが、スクリプト言語のPHPとJavaScriptによって開発されており、Apacheサーバ上で動作する。

 ともあれ、デスクトップWebアプリケーションを開発する技術は急激に進化しており、その操作環境は以前とは比べ物にならないほど進歩している。Webベースのデスクトップ・アプリケーションが、企業ITのクライアント環境を大きく様変わりさせる日も、そう遠くないかもしれない。

プロジェクト・ブラックボックス

 「プロジェクト・ブラックボックス」とは、サン・マイクロシステムズが推進するプロジェクトであり、仮想化された移動式(可搬型)のデータセンターを実現する取り組みだ。

 このプロジェクトに基づく移動式のデータセンターはすでに構築されている。具体的には、20フィートの運送用コンテナに、空調設備やネットワーク機器、電源装置、センサー、アラーム、GPS、さらには、8つの19インチ・サーバ・ラック(耐衝撃性機能を備えたラック)が統合化されており、その移動式センター内に、「120 SunFire T2000サーバ」や「250 SunFire T1000システム」などが備えられている。

 ちなみに、同センターに収納可能なサン製サーバのプロセッサ・コア数は合計で1,000〜2,000に達し、メモルの総容量は7テラ・バイト(TB)、ストレージ容量は2ペタ・バイト(PB)強に及ぶ。

 さらに、センター内のITリソースは、運用管理の合理化(完全リモート・コントロール)を実現すべく、すべてが仮想化され、グリッド環境に統合化されている。

 サンによれば、このコンフィギュレーションで同時に1万台のデスクトップ・マシンを管理者なしでサポートすることができ、運送用コンテナ(つまり、移動式データセンター)は、ビルの屋上でも、駐車場でも、安全な倉庫内でも、ほとんどどこにでも設置することが可能であるという。

 加えて、サンによれば、プロジェクト・ブラックボックスのデータセンターは、開設コストが標準的なデータセンターの10分の1で済むばかりか、システムの立ち上げや設定も1日で行えるという。

 読者の会社が、ビジネスの成長スピードに対応しうるデータセンターをまだ構築できていない、もしくは、本社から遠くなれた農場地帯などにデータセンターを置きたいと考えているならば、プロジェクト・ブラックボックスは、非常に魅力的なソリューションとなりうるかもしれない。

量子コンピューティングと量子暗号

 量子コンピューティングは、コンピュータの演算能力を劇的に向上させる構想として、長く注目を集めてきた。

 ただし、この研究領域で実用化のメドが立っているのは、量子暗号(量子暗号鍵)の分野だけだ。これは、量子(光量子)の特性を利用して、データを安全に伝送する技術である。

 例えば、光量子(光子)のある1つの状態を測定すると、それは必ず別の状態に変化するという原理がある。この原理を応用すれば、光子データの状態の変化によって、それが盗聴(ないし、改竄)されたかどうかがわかることになる。
 
 IBMと米国ロス・アラモス国立研究所ではすでに、量子暗号用の実験装置を開発しており、それを用いて、光ファイバや空気を通した光子データ伝送の実演を行っている。

 このほか、量子コンピューティングの領域では、既存のコンピュータでは天文学的な時間がかかる整数の因数分解を、量子力学を応用したコンピュータによって、いかに高速に解くことができるかを証明する論文が発表され、話題を呼んだ。

 この論文により、「量子コンピュータは、今日の暗号技術を無力化しうる」ということが、論理的に証明されたことになる。というのも、ITの世界で用いられている今日の暗号技術には、「整数の因数分解」が手法として用いられているからだ。

 つまり、暗号化されたデータを第三者が解読するには、整数の因数分解を行わなければならず、既存のコンピュータでそれを行おうとすると、おそろしく時間がかかり、事実上、不可能であるというのが、今の暗号化技術の基本的な考え方であるわけだ。

 ところが、量子コンピュータの出現によって、その論理が完全に崩れてしまうのである。

 とはいえ、量子コンピュータは、まだまだ学術研究の域を脱しておらず、企業ITの領域で実質的な成果を上げられるようになるのは、かなり先の話となろう。現時点においては、だれも実用的な量子コンピュータを開発できていないのである。


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