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マルチコア・コンピューティング

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マルチコア・コンピューティング

[米国]
AMDのクアッドコア「Barcelona」に出荷遅延のうわさ――3カ月遅れの10月に?

同社は「開発は予定どおり」と火消しに躍起

(2007年06月07日)

 サーバ向けクアッドコアOpteron(開発コード名:Barcelona)の出荷時期を巡り、米国AMDがうわさの火消しに躍起になっている。同プロセッサの出荷時期はこれまで7月と見られていたが、10月にずれ込む可能性が取りざたされているのだ。仮に出荷が遅れるとなると、同プロセッサを対インテル戦略の中心に据えたAMDの計画は後退を余儀なくされることになる。

 一般に、サーバ向けのプロセッサは、デスクトップPCやノートPC向けよりも利幅が大きい。そのため、Barcelonaプロセッサの出荷遅延は、AMDの今年の収益に悪影響を及ぼすと見られている。シティグループのアナリスト、グレン・ヤング氏が6月5日に公表したリポートによると、同プロセッサの出荷が遅れた場合、AMDの赤字は1株当たり2ドル48セントから2ドル59セントに拡大するという。

タイヤン・コンピュータによるBarcelonaプロセッサ搭載サーバのデモ

 ヤング氏は同リポートの中で、「AMDにとって、Barcelonaはサーバ向けプロセッサのシェアをインテルに奪われつつある状況に歯止めをかける最大のチャンスと見られていた。AMDは先ごろ東芝からノートPC用プロセッサを受注しており、これで売上高に対する否定的な影響は相殺されると思われるが、それでもBarcelonaの出荷遅延は総利益にマイナスの影響を与えるはずだ」と述べている。

 トムソン・フィナンシャルの予測によると、今年度のAMDは1株当たり2ドル47セントの赤字を計上する見通しだが、ヤング氏は同社の赤字額がさらに増えると見ている。

 AMDは数カ月前から、Barcelonaプロセッサを今年下半期に出荷し、インテルとの価格戦争で受けたダメージから立ち直ると明言していただけに、今回のうわさはタイミングが悪かった。同社は、今年1月の2006会計年度第4四半期決算で5億7,400万ドルの赤字だったのに続き、今年4月の2007会計年度第1四半期決算でも6億1,100万ドルの赤字を計上している。

 AMDのCEOであるヘクター・ルイス氏は、5月3日に開催された年次株主総会の場で、Barcelonaプロセッサこそ財政面の重荷を取り去ってくれる重要な製品であると強調。インテルがチップ製造能力を強化してきても、AMDは革新的な設計で競争力を維持できると語った。

 AMDは6月6日、台湾で開催された展示会「Computex」でBarcelonaプロセッサのデモが行われたことを証拠に、開発が予定どおり進んでいると力説した。このデモとは、同プロセッサの試作品を搭載した各社(スーパーマイクロ・コンピュータやタイヤン・コンピュータ、ユニワイド・テクノロジーズ)のサーバによるものを指している。

 同社広報担当のマリアン・ケリー氏は、「当社は、今夏のBarcelona出荷に向け着々と準備を進めており、パートナーも第3四半期には対応プラットフォームを出荷する予定だ」と語った。同氏によると、Barcelonaプロセッサの出荷が遅れるといううわさは、6月4日にクレイが業績見通しを下方修正し、その根拠としてクアッドコアCray XT4システムの出荷遅延を挙げたことに端を発している。その際にクレイが言及したのは、Barcelonaプロセッサではなく、ミッドレンジ・プロセッサの「Budapest」だったという。

 「当社がこれまで説明してきたとおり、Budapestも、Barcelonaに続いて今年下半期に出荷する予定だ」(ケリー氏)

 しかし、AMDが出荷遅延を否定しているにもかかわらず、シティグループのリポートと同様の見解を示すアナリストは少なくない。いずれも、サーバ・ベンダーや部品販売会社、基板メーカーなどから同様の話を聞いたと語っている。

 5月30日には、「今年半ばにBarcelonaを出荷するというAMDの約束は眉唾もの」と指摘するリポートが発表された。これは、トーマス・ウィーゼル・パートナーズのアナリスト、パトリック・ワン氏が書いたもので、同プロセッサの出荷体制が整うのは早くても8月以降との見方を示している。

 一方、インテルの次期45nmプロセッサ「Penryn」(開発コード名)は、今年の第3四半期末か第4四半期はじめに出荷される見通しだ。ワン氏のリポートには、「このタイミングなら、インテルはAMDに追いつくことができ、Barcelonaの登場による売上げダウンの影響を和らげることも可能」と記されている。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)




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