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マルチコア・コンピューティング

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マルチコア・コンピューティング

[米国/ドイツ]
IBM、32nmチップの製造でBASFと提携――2010年に市場投入へ

次世代チップを巡り、IBMとインテル、TIが熾烈な戦いを展開

(2007年06月25日)

 米国IBMは6月22日、化学メーカーの独BASFグループと協業し、回路線幅32ナノメートル(nm)の新世代チップを共同で製造することを明らかにした。

 両社の提携に基づいて製造される32nmプロセスのチップは、2010年に市場に登場する見通しだ。新チップは、45nmチップや60nmチップに比べて消費電力が少なく、サイズも小型であるため、スマートフォンやノートPC、そのほかの電子機器に高性能化をもたらすと期待されている。

 両社は、半導体リソグラフィー工程において化学物質の使用法を改良することを目指している。IBMリサーチのディスティングイッシュト・エンジニアでシニア・マネジャーを務めるロナルド・ゴールドブラット氏によると、新チップの開発は、IBMのニューヨーク州ヨークタウンハイツ工場、およびドイツのルートウィヒスハーフェンにあるBASFの本社で、ただちに開始されるという。

 BASFは従来から多くのチップ・メーカーに化学品質を供給しているが、今回の提携では、従業員とノウハウの一部をIBMと共有することも盛り込まれている。ゴールドブラット氏は、両社はそれぞれの強みを持ち寄り、BASFが技術統合とテストの大部分を、IBMがプロトタイプ作成と応用作業を担当することになると説明する。同氏は、この提携に金銭的な取り引きが含まれるかどうかについては明らかにしていない。

 IBMは提携に基づく新しい化学技術を、同社のすべての半導体製品に採用する計画だ。その中には、5月21日に発表されたハイエンド・サーバ・チップ「Power6」や、電話用バックボーン・プラットフォーム向けの各種ASIC、Cell Broadband Engineチップなどが含まれる。

 Cell Broadband Engineは、ソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation 3、マイクロソフトのXbox 360、任天堂のWiiなどのゲーム機でハイエンド・グラフィックス・データの処理に使われている。

 IBMは、新チップの設計を自社単独で行うのではなく、パートナーとの協業によって進める戦略を展開しており、今回のBASFとの提携もこの戦略に基づくものだ。Cellチップについてもソニーおよび東芝との共同開発に取り組んでいる。

 また、5月23日には、32nm半導体製造技術でチャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリング、フリースケール・セミコンダクター、インフィニオン・テクノロジーズ、サムスン・エレクトロニクスと提携している。

 IBMは今回の提携によってインテルとの競争で優位に立ちたいと考えている。ちなみに、インテルは、2009年までに独自の32nmアーキテクチャ・チップを発売する計画だ。両社は今年1月、高誘電率(High-k)金属ゲート技術の最新成果を同じ日に発表するなど、チップの高速化を巡って競争を繰り広げている。

 インテルは、新技術を採用した45nmチップ「Penryn」(開発コード名)を2007年第4四半期にリリースする計画で、自社がこの業界競争をリードしていると主張する。IBMとそのパートナーのAMDが45nmチップを投入するのは2008年半ばになる見通しだ。

 また、テキサス・インスツルメンツ(TI)も6月13日、High-k素材を45nmチップに採用する計画を発表し、競争に参戦する意向を示している。TIも45nmチップの製造を2008年半ばに開始する予定だ。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)




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