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[米国]
無線700MHz帯競売で、全米をほぼカバーするCブロックをベライゾンが落札

合計落札額は約196億ドル。10MHz幅のDブロックは落札されず

(2008年03月21日)

 米国連邦通信委員会(FCC)は3月20日、18日に終了した700MHz無線周波数帯競売の落札者を発表した。競売は、700MHz帯の62MHz幅をA〜Eの5ブロックに分割して実施され、ほぼ米国全体をカバーするワイヤレス・ネットワークの構築に利用可能な22MHz幅の帯域であるCブロックは、米国Verizon Wirelessが47億ドルで落札した。700MHz帯全体の合計落札額は約196億ドルだった。

 FCCは、Cブロックにいわゆるオープン・アクセス条項を適用しており、VerizonはCブロックで構築するネットワークで、ユーザーが他のキャリアのモバイル端末など、同社が提供する以外の端末や、同社が提供する以外のアプリケーションを利用することを認めなければならない。Verizonは当初、このFCCのオープン・アクセス・ルールを不服として提訴したが、訴えを取り下げた。一方、業界団体のCTIA(Cellular Telecommunications&Internet Association Wireless)は訴訟を継続している。

なお、今回の競売の目玉であるCブロックについては、米国Googleも関心を示していたが、同社はCブロックの周波数の免許をまったく落札しなかった。

 Verizonは、競売結果について、「非常にうれしく思う。今後もデータ・サービスをリードし、次世代のサービスや家電におけるニーズを満たすための周波数帯を確保することに成功した。われわれは、事業と収益を引き続き拡大し、米国で最も信頼性の高いワイヤレス・ネットワーク事業者としての評価を維持していく」との声明を発した。

 700MHz帯のVerizon以外の落札者の中では、米国AT&Tがニューヨーク、フィラデルフィア、デトロイト、ダラス、ボストン、サンフランシスコ、ワシントンDC、そのほか数十の大都市の都市圏をカバーする周波数帯を落札している。また、米国Qualcommがニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、ロサンゼルスなどの地域をカバーする周波数帯を落札している。

 一方、FCCは20日、Dブロックを他の競売結果と切り離すことを投票で可決した。Dブロックは10MHz幅の帯域で、公共安全機関が管理する別の10MHz幅の帯域とセットにされ、落札者は、公共安全と商用の両方の目的を果たす全米規模の音声/データ・ネットワークの構築を義務づけられることになっていた。このDブロックは、最低入札価格が13億3,000万ドルだったが、今回は、Qualcommが申請した4億7,200万ドルの入札しかなかった。

 FCCの広報担当者によると、同団体はDブロックの再競売をただちに実施する計画はない。「今後、この帯域の免許をどのように付与するかについて、選択肢を検討する」(広報担当者)という。

 オープン・アクセス・ルールを要望していた団体Free Pressでポリシー・ディレクターを務めるベン・スコット(Ben Scott)氏は、今回の競売では、米国議会が予算に組み入れていた100億ドルを上回る売却額が達成されたが、その一方で、新しい公共安全ネットワークの実現のメドがたっていないほか、ブロードバンド・サービスの分野で、ワイヤレス通信事業者が、CATV会社や電話事業者の新たな競合者として台頭することも期待できなくなったと指摘した。

 「大手の電話事業者やCATV会社の競争相手の登場が必要とされている。だが、Cブロックを落札したVerizonは、DSLの大手プロバイダーでもある。まったく新しい第3のブロードバンド回線がワイヤレスを使って提供される可能性は、今やほとんどなくなってしまった」(Scott氏)

 2001年9月11日の米国中枢同時テロや最近の災害の際に、緊急対応機関同士が十分な連絡をとれなかったことで、多くの米国議会議員が公共安全ネットワークの構築を求めていた。今回、競売対象となった700MHz無線周波数帯は、米国のテレビ局が2009年2月までに開放することになっているもので、多くの通信専門家は、長距離ワイヤレス・ブロードバンド・サービスに最適と考えている。700MHz帯では、より高い周波数帯と比べて、無線信号が3〜4倍遠くまで伝送され、ビルなどの障害物を通過しやすいからだ。

 上記以外の競売の落札者としては、米国Triad 700、Frontier Wireless(EchoStar Communicationsの子会社)、Cavalier Wirelessなどがある。

(Grant Gross/IDG News Service ワシントン支局)




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