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[米国]
グーグル、ネット検閲/人権問題の議案を株主総会で拒否する構え

反対票を投じるよう株主へ勧告

(2008年03月27日)

 米国Googleが米国証券取引委員会(SEC)に提出し、3月25日に公表された株主総会召集通知によると、Googleの取締役会はインターネット検閲の禁止と、同社の人権ポリシーを検討する委員会の設立に反対しているようだ。

 Googleの取締役会は、5月8日に予定されている年次株主総会において、インターネットへの自由なアクセスを実現するべきだとする議案に反対票を投じるよう、株主へ勧告する意向だ。また、同社の人権ポリシーを検討する委員会の設立議案についても、反対票を投じるよう訴えている。取締役会は、その理由については明らかにしていない。

 1つ目の議案は、ニューヨーク市会計監査局とSt. Scholastica Monasteryにより別々に提出されたものだ。

 「米国のテクノロジー企業は、言論の自由と表現の自由に関する基本的人権を守りながら、いかに独裁国家とビジネスを行うかについて、これまで十分な基準を策定してこなかった」と、提出された議案には記されている。

 ニューヨーク市会計監査局のウィリアム・トンプソン(William Thompson)氏は、発表声明において、同局は米国Yahoo!とGoogleに対し、両社がビジネスを展開している国々において、基本的人権を保護するポリシーを確立するよう求めてきたと語った。「Yahoo!もGoogleも、ユーザーとの信頼関係をビジネス基盤としている。独裁国家がインターネット上の情報を検閲することを許したのでは、その信頼が崩れる」(Thompson氏)

 監査局の広報担当者によると、2007年も同様の議案が提出され、そのときはGoogleの株主らにより否決されたという。なお、監査局が管理する基金では、358万8,131のYahoo!株、67万9,497のGoogle株を保有している。

 この件についてGoogleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 2番目の議案は、Googleに同社の人権ポリシーを検討する委員会を設立させるという内容だ。この議案は、投資会社の米国Harrington Investments(カリフォルニア州ナパ)により提出された。

 「(取締役会の意向は)予想どおりだったが、別に落胆はしていない」とHarringtonの広報担当者、ジャック・ウッチフェーリ(Jack Ucciferri)氏は述べた。「(人権委員会といった)こうした企業統治メカニズムを導入すると、取締役会が自社の人権に対する取り組み手法にまで責任を負うことになる。そのため、取締役会も企業統治の専門家も二の足を踏むようだ」(同氏)

 Harringtonが提出した議案は、Googleの方針転換を見据えた多年度プロセスにわたるファースト・ステップであり、人権問題に対するGoogleの責任について現在同社と話し合っているところだと、Ucciferri氏は付け加えた。

 「Googleには、前向きに対応してほしいと願っている。実際、われわれの考えに耳を傾ける気持ちはあるようだが、今の時点では反対の立場だということだろう」(同氏)

 また、Ucciferri氏は、「Googleは、人権委員会の設立が企業統治の大きな資産になることをいずれ理解するはずだ。人権委員会を設立すれば、潜在的な問題を事前に突き止めて、Googleの評判に傷が付く前に対策を講じられるからだ」と説明した。

 Harringtonは、同社Webサイトで、「Yahoo!やGoogleといった一部の企業は、インターネット上のアクセスを制限して情報をフィルタリングするだけでなく、民主主義を提唱するブロガーなど、インターネット・ユーザーの識別にも手を貸した。そのせいで逮捕や収監、ひどい場合は拷問を受けたユーザーさえいる」と指摘している。

 Googleは2006年、中国のユーザー向けに検索サービスを立ち上げたものの、同国政府にとって都合の悪い検索結果を故意にブロックしているとして非難された。同社は、この決定に際してずいぶん悩んだが、たとえ部分的であってもインターネット・サービスを提供するほうが、まったく提供しないよりはましだという結論に至ったという。

 米国ワシントンに本拠を置く、World Organization for Human Rights USA のInternational Justice Project担当ディレクター、テレサ・ハリス(Theresa Harris)氏は、今回の件について、「Googleの株主提案の内容は詳しく知らないが、一般論として、Googleはサービス提供先の国で、自分たちのビジネスと人権問題との関係をもっと理解する必要があるという点には大いに賛成だ」と語った。

(Linda Rosencrance/Computerworldオンライン米国版)




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