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[米国]
グーグル、年次株主総会で人権ポリシーの変更案2件を否決

一部の株主は中国での事業活動のあり方を問題視し、否決理由に納得せず

(2008年05月09日)

 米国Googleが5月8日に開いた年次株主総会において、人権に関する同社ポリシーの変更案2件が否決された。人権ポリシー問題は今回の株主総会で最大の争点であったが、取締役会の意見を株主が受け入れた格好となった。

 Googleの共同創設者で技術担当プレジデントのSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏は、2件の提案について投票を棄権した。同氏は、その理由について、「これらの提案の趣旨には賛同したが、内容すべてを支持しているわけではないため、賛成票を投じるのは避けたかった」と説明した。

 Googleは、複数の米国企業と同様、中国での企業活動について非難されている。具体的には、中国の検閲規則に従った検索エンジンを運用していることが非難の的となっているのだ。Google側の言い分としては、中国市場で少しでも人々に情報を提供しているほうが、活動を何もしないよりましだというものである。

 しかし、株主や国際的な人権団体であるAmnesty Internationalなどは、人権侵害や言論の自由を制限しているとされる国々でのポリシーの改善をGoogleに求め続けている。株主提案の1つは、ニューヨーク市職員退職システムを監督するニューヨーク市会計検査局からのものであった。同団体は2億ドル相当のGoogle株を所有している。

 今回の改善提案は、インターネット・アクセスの自由を守るために必要な、一連のポリシーを定めることをGoogleに促すものである。提案では、法律上のあらゆる手段を講じて検閲要求に抵抗することや、検閲の要求に従ったときにはユーザーに知らせること、インターネット・アクセスが制限されない国でのみユーザーを特定できる情報をホスティングすることを含めるべきだとしていた。これらは、Amnesty Internationalのメンバー、トニー・クルーズ(Tony Cruz)氏によって説明がなされた。

 Cruz氏は、インターネット企業が検閲要求に対してどのように対応すべきかという自主ガイドラインの作成プランに、Googleが参加する意思を示しているのは正しいことだとしているが、中国での事業開始以来、Googleはいまだにこの点に関して何も改善措置を取っていないと非難した。

 「一連の問題点が浮上して以来、Googleからは言葉と自己弁護的な姿勢以上のものがほとんど何も示されていない」とCruz氏。「Googleは標準化についての対話を続けているが、この問題の改善措置を妨げるものは何もないはずだ」(同氏)

 米国Harrington Investmentsも、関連した提案を株主総会で提出した。それは、人権ポリシーを再検討する人権委員会をGoogle社内に作るという案であったが、同じく今回は否決された。

 GoogleのBrin氏は、「情報を自由に利用できるようにするという点に関して、Googleの実績は他の検索会社よりもはるかにすぐれている」と、同社の中国活動を弁護している。これは、Yahoo!のことを意識して発言したのかもしれない。以前、Yahoo!が中国当局にユーザー情報を提供したことで、ある作家が投獄されてしまったからだ。

 Brin氏は、中国市場は複雑であり、当初は中国でのサービス開始にGoogleは乗り気ではなかったとしたうえで、「(中国でのサービス開始にあたって)受け入れなければならない制約が、当初、Googleのポリシーにそぐわないとの懸念を抱いていた。しかし今では、ポリシーの多くを満たすことができている」と力説した。

 またBrin氏は、中国最大のネット検索企業であるBaiduにもGoogleのポリシーが影響を与えた点を強調した。Googleが政府の要求に応じて情報を削除した際、そのことがユーザーにもわかるようにした後で、Baiduも同じ対応をするようになったと、同氏は述べた。

 さらにBrin氏は、Googleが中国市場に進出したのは、収益拡大のためだけではないとしている。「中国のような国において事業活動を明日やめても、収入への影響はほとんどない。われわれの目標は、可能な限り会社にとってプラスになることを行うことだ」(Brin氏)

 だが、その説明で納得した人物はいなかったように思われる。株主総会に出席していたAmnesty Internationalのメンバーの1人は、中国での事業展開は困難である点を理解しているが、Googleの取り組みは現状、明らかに不十分だと語っている。

(Nancy Gohring/IDG News Serviceシアトル支局)




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