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[米国]
オープンソース・ライセンス違反は著作権侵害に該当――米国の裁判所が画期的判断

「ジャコブセン対カッツァー」訴訟で新たな見解を示す

(2008年08月18日)

 オープンソース・ソフトウェアが広く利用されるようになってから10年以上が経つが、そのライセンスの法的な位置づけに関しては、今なお不明確な部分が残っている。こうしたなか、米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は8月13日、この問題に関して画期的な見解を示した。

 CAFCはある裁判で、一定の条件を満たすのであればオープンソース・ソフトウェアのライセンサー(実施許諾者)は著作権法によって保護される、ということを実質的に認めた。「オープンソースのライセンスにかかわっている著作権所有者は、著作権の設定された素材の改訂と配布を管理する権利を有する」との見解を示したのだ。

Artistic Licenseの内容

 CAFCがこの判断を示した裁判は、いわゆる「ジャコブセン対カッツァー」訴訟である。この訴訟は、ソースコードの形で提供されるオープンソース・ソフトウェアを巡って争われているもので、ダウンロード可能なこのコードは、公開かつ無償であり、オープンソース・ライセンス「Artistic License」の対象となっている。

 Artistic Licenseの場合、ソースコードの改訂や他のソフトウェア・プログラムへの組み込みが認められているが、この種のプログラムを配布するときには、組み込まれているコードのソースを特定するための情報と、Artistic License自体のテキストなどを入れなければならないと規定している。

 同訴訟は、コード開発グループのリーダーであるロバート・ジャコブセン(Robert Jacobsen)氏が、マシュー・カッツァー(Matthew Katzer)氏とその会社Kamind Associatesを著作権侵害で訴えたもの。ジャコブセン氏は、自分たちが開発したコードがカッツァー氏の独自ソフトウェア製品に使用されているにもかかわらず、カッツァー氏はArtistic Licenseを順守していないと主張していた。

 これに対しカッツァー氏(同氏は、自分たちの製品でジャコブセン氏らが開発したコードを一部使用していることを認めている)の側は、ライセンスの適用範囲を逸脱してはいないと反論した。同氏は、このオープンソース・コードは広範な非独占的ライセンス条件に従って無償で提供されており、それゆえ自社製品にこのコードを組み込む行為もライセンスの適用範囲から外れるものではないと主張。必要な情報を製品に含めなかった単なるライセンス条項違反であると述べた。

 著作権法の下では、ライセンス適用範囲からの逸脱があった場合にのみ、柔軟かつ強力な救済措置が適用されることになっている。一方、条項違反に対する救済措置はさほど強力なものではなく、無料で配布されているこのオープンソース・ソフトウェアの場合、救済措置はさらに限定されたものになる。

 CAFCは、Artistic Licenseのライセンス条件が実質的に著作権法によって保護されると判断。オープンソース・アプローチの社会的な価値も幅広く認定し、「従来型ライセンスのロイヤリティよりもはるかに幅広いパブリック・ライセンスの下で、著作権の設定された作品を作成、配布する行為には、経済的利益を含む実質的な利益がある」との見解を示し、ジャコブセン氏の訴えを認めた。

 この判断は、オープンソース・コミュニティにとっては重要なものだ。だが、オープンソース・コードのユーザーにとっては、さほど目新しい内容ではない。というのも、オープンソース・ソフトウェアをビジネス用途で使用する際は、商用ソフトウェアの場合と変わらないマネジメント体制が求められるからだ。例えば、オープンソース・コードのダウンロードと使用を管理するメカニズムの導入、オープンソース・コードに付属するソフトウェア・ライセンスの文書化、要求条件順守状況の定期的な監査などである。

(Maureen Garde & Jeffrey Neuburger/CIO米国版)




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