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【解説】
ITIL適用の真実──いかに着手し、実践するか
ベスト・プラクティスを自社で活用するためのポイントを探る
(2008年05月07日)
“ビッグバン導入”で
大きな効果を引き出す
テキサス州タラント郡では、他の多くの組織と異なり、ITILの初期段階から大規模な導入が展開された。同郡のIT部門は2005年9月、ITIL専門のコンサルティング会社Pink Elephantと契約し、さまざまなITプラクティスの分析を行った。その結果に基づいて作成された20ページのリポートで、同郡のITオペレーションは「全般にわたり未熟」と評価された。「事実、サービスデスクがなく、ヘルプデスクがあるだけだった。ヘルプデスクはコールを受けて他の部署へ回すだけだが、サービスデスクはコールを受けて問題解決を目指す点が異なる」と同郡のオペレーション担当ディレクター、ピート・リッツォ(Pete Rizzo)氏は語る。
ITIL導入にあたって、同郡のITスタッフはITIL/ITSM関連のトレーニングを受講し、24人がITIL認定資格を得た。それらのスタッフは、複数立ち上げられたプロセス導入チーム(PIT)に配属された。同郡のITオペレーション担当プロジェクト・マネジャー、ジャン・オールレッド(Jan Allred)氏によると、PITは特定のITILプロセスに特化したチームで、サーバ・グループやデータベース管理グループ、デスクトップ・サポートなど、複数のセクションに分けられている(なお、各チーム・メンバーはIT部門内でフルタイムの日常業務にも従事している)。
ITIL導入は、まずインシデント管理と問題管理から着手し、その後、変更管理、構成管理へと展開することにした。また、コンサルタントの助けを借りて、従来のプラクティスとITILのそれを比較し、そのギャップを埋めるまでのロードマップを作成した。例えば、ヘルプデスクをITILのサービスデスクに転換し、スタッフとオペレーションの時間を増やす、などである。さらに、Hewlett-Packard(HP)のITサービス管理ツール「HP ServiceCenter software」のインシデント管理、変更管理、構成管理の各機能モジュールを導入し、機能の拡張を図った。
こうした“ビッグバン導入”の過程において、タラント郡のIT部門は、急速にITILの世界観を取り込んでいったとRizzo氏は振り返る。「ITILは、インシデント管理を『サービスの迅速な復旧』と定義している。したがって、もしだれかのプリンタが機能しなくなった場合、サービスデスクの最終目標はプリンタを修理することではなく、何らかの方法でプリントできるように支援することとなる。プリンタが動かない原因を探るのは、問題管理の領域になる」(同氏)
ITILは常に進化し続ける
終わりのない改善のサイクル
Food LionのEdmiston氏と配下のスタッフは、ITIL導入後、すぐにその価値を確信し、ITガバナンスの成熟度を測る標準フレームワークであるCOBIT(Control Objectives for Information and related Technology)とともに、他のITILプロセスの追加導入を決断した。
Edmiston氏は、「ITILの特定のサービス領域を単独で導入するのは現実的ではない。例えばインシデント管理を行うなら、問題管理と変更管理も必要となる。また、インシデントには原因分析が不可欠であり、その結果は変更に直結する」と語る。
同氏によると、Food LionのIT部門では、最初に実装した4つのITILプロセス領域(変更管理、インシデント管理、問題管理、サービス・レベル管理)ごとにスタッフ10名からなるチームを編成しているという。各プロセス領域では順調に作業が進行しており、構成管理とリリース管理に責任を持つ新たなチームの追加も決定した。それでも、ITILへの取り組みに終わりはない、とEdmiston氏は断言する。「ITILは常に進化し続ける、終わりのない改善のサイクルなのだ」(同氏)

























