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【解説】
ITIL適用の真実──いかに着手し、実践するか

ベスト・プラクティスを自社で活用するためのポイントを探る

(2008年05月07日)

ITサービス業務を行うための有力なプロセス・フレームワークとして、すでに多くの企業で活用が進んでいるITIL(Information Technology Infrastructure Library)。2007年5月には最新バージョンの「ITIL Version 3」が公開され、これまで欧州などに比べて導入が遅れていた米国でも、ITIL導入に取り組む企業が急激に増えている。そこで本稿では、そうしたITILの適用に取り組む米国企業の姿を紹介しながら、実際にみずからの組織にITILを適用する際のポイントを探ってみたい。

Sue Hildreth
Computerworld米国版

ITサービス業務の改善が
不要な企業など存在しない

 米国ノースカロライナ州サリスベリーのスーパーマーケット・チェーンFood Lionは2004年、SOX法(Sarbanes-Oxley Act:米国企業改革法)に準拠するにあたって、ITシステムの変更管理を自動化する必要に迫られ、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)の変更管理プロセスを導入した。だがそのとき、変更管理以外のITILのフレームワークについては導入を見合わせた。「ITILを直ちに全面導入するつもりはなかったので、当面必要がないと思われたものは外したのだ」と、同社のITオペレーション担当シニア・マネジャー、デール・エドミストン(Dale Edmiston)氏は説明する。

 ところがFood Lionでは、その後すぐにITILの他のパートの導入も真剣に検討するようになり、まもなく全面導入へ踏み切った。

 他の多くの企業と同じく、Food Lionも最初は1つの問題を解決するためにITILを導入し、後により幅広い問題にITILを適用するようになった。それはITILがさまざまなIT運用管理業務に役立つベスト・プラクティス(成功事例)をまとめたフレームワークであるからだ。

 例えば、ITILのサービス・サポートとサービス・デリバリのセクションには、インシデント管理、問題管理、構成管理、変更管理、リリース管理、IT財務管理、IT継続性管理、キャパシティ管理、サービス・レベル管理などのガイダンスが含まれる。こうした領域において、まったく改善の必要のない企業など存在しないはずだ。

 実際、ITILの適用範囲はきわめて広い。ITILトレーニング会社のITSM Solutionsでバイスプレジデントを務めるリック・ルミュー(Rick Lemieux)氏は、「われわれはITILがどのようなものであるか、どのような価値をもたらすか、あるいはどのようなプロセスで行うかといったことを、顧客に対して正確に説明しなければならない立場にあるが、一言ではとても説明しきれない」と語る。

 もっとも、ITILの実利的な価値については、IT分野にかかわる人間であればだれでも理解できるはずだ。Lemieux氏は、「ビジネスとITの目標を一致させるためにどうすればよいかをITILは教えてくれる」と強調する。


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