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[米国]
マイクロソフト、ULPCハードウェア仕様の一部制限をベンダーに要請――Windows XPの大幅割引と引き換え

Windows採用促進/メイン・ストリーム市場とのすみわけがねらい

(2008年05月12日)

 ULPC(Ultra Low-cost PC)へのWindows採用を促進するべく、米国MicrosoftではULPCベンダーを対象とした支援プログラムを導入する考えだ。ただし同社は、このプログラムに参加するULPCベンダーに対し、Windows XPの大幅割引での提供と引き換えに、ULPCのハードウェア仕様を制限するよう求めている。

 Microsoftは、Linuxの代わりにWindows XP Home EditionをULPCで採用するよう促すために、大幅な割引価格でPCベンダーに同OSを提供する計画だ。だが、同社は割引を適用する条件として、ULPCの画面サイズは最大10.2インチ、HDD容量は最大80GB、搭載RAMは最大1GB、CPUは動作周波数1GHzまでのシングルコア製品というように、ハードウェア仕様に制限を設けている。

 なお、CPUについては、Via TechnologiesのC7-M(1.0GHz〜1.6GHzで動作)やIntelのAtom N270などが特例として、割引適用条件を満たすと見なされている。そのほか、タッチスクリーン型ULPCを割引の適用外としている。

 Microsoftは今年4月、ULPC向けの新しいプログラムについて説明した機密文書をPCベンダーに送付していた。同社がこのプログラムでWindows XPの割引適用条件を設定した目的は、ULPCのハードウェア仕様を制限することで、Windows Vistaを搭載するメイン・ストリーム市場をULPCが侵食しないようにすることにあると見られる。メイン・ストリーム市場への侵食は、MicrosoftもPCベンダーも避けたいことである。

 ULPCのハードウェア仕様を制限すれば、PC業界が抱える多くの問題が解決されると、米国EndPoint Technologies Associatesの社長で業界アナリストのロジャー・ケイ(Roger Kay)氏は語った。「PCベンダーは(消費者に対し)安価なPCという選択肢を提供しながら、メインストリーム市場の価格や利益率が圧迫される状況を防ぐことができる」(同氏)

 Microsoftは、PCベンダーに送付した文書についてコメントを控えている。同社は、「われわれは、PCベンダーと交わした契約について公開していない」とPR代理店を通じた声明で述べている。

ULPCの草分け的存在であるOne Laptop Per Childの「XO」

 ULPCはノートPCの新しいカテゴリーで、250〜500ドル程度の低価格で販売されている。台湾Asusの「Eee PC」や、NPO法人であるOne Laptop Per Childの「XO」などがULPCの草分け的存在だ。これらはハードウェア仕様がもともと制限されているが、Microsoftのプログラムは、ハードウェア仕様の制限をより明確にするねらいがありそうだと、EndPointのKay氏は語った。

 Microsoftは機密文書の中で、今後6カ月以内に20種類以上のULPCが市場に登場し、今年は1,000万〜1,300万台のULPCが販売されるとの見通しを示している。一方、米国IDCの予測はより控えめで、ULPCの販売が2012年までに900万台に達すると見ている。

 Microsoftによれば、ULPC用OSとしてはWindowsとLinuxが主に検討されているが、一部のPCベンダーは価格を安くできるという理由からLinuxを選択しているという。

 Microsoftによると、PCベンダーはULPC市場への参入に熱心だが、彼らはULPCをバリュー市場やメイン・ストリーム市場向けPCとは別のカテゴリーにとどめておきたいというのが本音だとしている。今年6月末までに開始される同社のULPC向けプログラムは、こうした意向に沿って設計されているという。

 またMicrosoftは、中国やインドなどの新興国で販売されるULPC向けWindows XP Home Editionを26ドルで、先進国向けでは同OSを32ドルで販売する計画である。だが、同社のMarket Development Agreement(MDA)の条項を満たすPCベンダーは、これらの価格からさらに10ドル割り引いた価格が適用される。そして、割引を適用する条件として、ハードウェア仕様が制限されるわけである。

(Agam Shah/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




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