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【解説】
Windows Server 2008標準の「Hyper-V」
――Virtual Serverとはここが違う

ハイパーバイザ方式を採用した最新サーバ仮想化技術の実力

(2008年05月29日)

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「統合サービス」でゲストOSのパフォーマンスを最適化

 Hyper-Vでは、x64ベースのゲストOSや、マルチプロセッサに対応した大容量メモリ(最大32GB)の割り当てが可能なため、Virtual Serverと比べてゲストOSの大幅な性能向上が期待できる。それゆえ、大規模な基幹データベースやマルチスレッド・アプリケーションをホストすることも可能だ。

 Hyper-Vで最適なパフォーマンスを得るには、ゲストOSで「統合サービス(Integration Services)」の利用が前提となる。統合サービスは、ゲストOSにVMBusを認識させ、ストレージやネットワークのVSCを提供する機能だ。統合サービスは、以下のゲストOSをサポートしている(Hyper-V RC0時点)。

  • Windows Server 2003 x86およびx64
  • Windows Server 2003 R2 x86およびx64
  • Windows Server 2008 x86およびx64
  • Windows Vista SP1 x86
  • Windows XP SP3 x86

 統合サービスがサポートしないOS、例えば、Windows 2000 Serverは、Hyper-Vで運用しないほうがよい。おそらく、Virtual Server R2 SP1で運用したほうが、高いパフォーマンスが得られるだろう。Hyper-V環境で統合サービスが利用できない場合、IDEコントローラやネットワークのI/Oにエミュレートされたハードウェアを利用することになる。しかし、Hyper-V環境では、Virtual Serverの仮想マシン追加機能がサポートされていないうえに、エミュレートされたハードウェアはVirtual Serverほど最適化されていないため、I/O処理のパフォーマンスが逆に落ちてしまうのだ。

 Windows Server 2003以降であれば、現在、Virtual Serverの仮想マシンで運用しているシステムを、比較的スムーズにHyper-Vへ移行することができる。ゲストOSがIDEディスクにインストールされているのであれば、VHDをそのままコピーすればよい。ネットワークは無効化されてしまうが、統合サービスをインストールすることで、ネットワークVSCが利用可能だ。一方、Virtual Serverの仮想SCSIアダプタは、Hyper-Vとは互換性がないため、SCSIディスクにインストールされたゲストOSをHyper-Vに移行するには、変換作業が必要になる。

Xen対応カーネルもゲストOSとしてホスト可能

 Virtual Server 2005 R2 SP1は、ゲストOSとして複数のLinuxディストリビューションを正式にサポートしているが、ゲストOSにLinuxを利用する際のサポート方法がHyper-Vでは根本的に変更されている。Virtual Serverでは、仮想マシンにLinuxカーネルをインストールすることで、LinuxをゲストOSとして動作させることができるほか、一部のLinuxディストリビューションに対しては仮想マシン追加機能(「VM Additions for Linux」)を提供している。

画面A:Hyper-Vの仮想マシンで、Intel64版のXen対応カーネルが動作

 一方、MicrosoftはHyper-Vの開発にあたって、Xenの開発元である米国XenSource(米国Citrix Systemsが2007年8月に買収)や、SUSE Linuxの開発元である米国Novellとの協業を通して、Linux版統合サービスを開発し、Xen対応カーネルをサポートした(画面A)。

 Xenは、Hyper-Vと同様にハイパーバイザ型の仮想化技術であり、Hyper-Vのペアレント・パーティションとチャイルド・パーティションは、ホストOSの役割を果たすXenの「ドメイン0」とゲストOSの「ドメインU」にそれぞれ相当する。Linux版統合サービスには、ドメインUに相当するXen対応LinuxカーネルをHyper-V上で動作できるように、XenのハイパーコールをHyper-Vのハイパーコールへと翻訳する「Hypercall Adapter」と、VMBus対応のネットワークVSCとストレージVSCが含まれている。Hyper-Vのネーティブな仮想マシンでLinuxをゲストOSとして運用できるので、Virtual Serverに比べて大幅にパフォーマンスが向上する。

 Microsoftは、Hyper-Vベータ版のリリースと同時期に、「Linux Integration Components for Microsoft Windows Server 2008 Hyper-V」のベータ版をMicrosoft Connectサイトを通じて公開した。この段階では、SUSE Linux Enterprise Server 10 SP1(x86およびx64)のみのサポートとなるが、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)5も今後サポートする計画だ。


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