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【インタビュー】
プロジェクト責任者に聞く「Windows Server 2008」開発の舞台裏
「目指したのは高い信頼性と真の実用性」
(2008年04月18日)
マイクロソフトは2008年4月15日、Win dows Server2008のリリースを正式に発表した。Windows Server2008は、「管理性」「堅ろう性」「柔軟性」の向上に重点を置いて開発が進められたという。では、企業やシステム管理者にとって、導入のメリットはどの程度あるのか。米国MicrosoftでWindows Server部門のゼネラルマネージャーを務め、Windows Server2008の開発にも携わったビル・レイン氏に話を聞いた。
Windows Server World編集部
| 「Windows Server2008の開発では、顧客やパートナーの意見を積極的に取り入れた」と語る米国マイクロソフトのビル・レイン氏(Windows Server部門ゼネラルマネージャー) |
――まず、Windows Server2008の開発で担当した役割を教えてほしい。
5年前からWindows Server2008の開発プロジェクトにかかわってきました。このプロジェクトにおける私の役割は、顧客やパートナーの声を聞き、Windows Server2008の開発とテストにフィードバックして、品質を向上することです。このように開発段階から顧客やパートナーの声を反映するのは、マイクロソフトにとって新しい試みでもありました。
――開発コンセプトとして「管理性」「堅ろう性」「柔軟性」の3つを重視した理由は?
開発プロジェクトの当初にいくつか目標を設定しましたが、特に重視したのが「信頼性の高い、ほんとうに使えるサーバを目指す」ということでした。その具体的なコンセプトが「管理性の向上」「堅ろう性の向上」「柔軟性の向上」です。
これまで企業のIT部門は、あまりに既存システムの運用やメンテナンスに時間や費用をかけ過ぎていました。ある調査によれば、IT予算の80%が既存システムの運用と保守に使われており、新規システムの導入など、新たな取り組みに投資できるぶんはわずか20%だといいます。管理性や堅ろう性、柔軟性のすべてが向上したWindows Server2008を導入することで、こうした新しい取り組みにも、より多くの時間と予算を使えるようになるはずです。
――企業やシステム管理者にとってのメリットをできるだけ具体的に挙げてもらいたい。
まず、企業における総保有コスト(TCO)の大幅な削減が期待できます。これがWin dows Server2008を開発した大きな目的の1つでもあります。Windows Server 2008では機能の「モジュール化」が進められており、サーバの機能として必要なコンポーネントだけをインストールできるようになりました。これにより、運用や保守のコストが低減されます。
また、仮想化テクノロジーを導入することによって、柔軟なシステムを実現できるようになります。さらに、システム管理者には「PowerShell」と「サーバマネージャ」が大きく貢献します。PowerShellはタスクの自動化に役立ちますし、サーバマネージャでは単一のGUIコンソールからほとんどの監視・管理タスクを実行できるので、管理者の負担はかなり軽減されるでしょう。
――パートナーや顧客からの要望でWindows Server2008に実装した機能としては、どのようなものがあるか。
「Server Core」は、まさに顧客の要望を実現した機能の1つです。多くの顧客は、セキュリティ面やメンテナンス面から、GUIシェルやInternet ExplorerのないシンプルでコンパクトなOSを要求しました。
また、「リードオンリードメインコントローラ(RODC)」も、安全にドメインコントローラを運用したいという顧客からのフィードバックで実現した機能です。「ネットワークアクセス保護(NAP)」についても、展開が容易で使い勝手がよいネットワーク検疫システムの要望があったため、標準機能として実装しました。
――Server Core上でPowerShellが使えないのは非常に残念だが、これについては改善の予定はあるのか。
Server Coreを実装するうえで、標準のWindows Server2008のコンポーネントがいくつか削除されています。PowerShellの動作に必要な.NET Frameworkも削除されました。したがって、この部分を見直して、Po werShellが動作するように必要なコンポーネントをServer Coreに組み込むことを考えています。将来のバージョンでこれを実現しますが、そう遠くはないはずです。
――Windows Server2008では、最新のハードウェア・テクノロジーへの対応も大きなトピックだと思うが。
現在、ハードウェアのアーキテクチャ面では「64ビット」「仮想化」「マルチコアプロセッサ」「省電力」という4つの大きな流れがあります。Windows Server2008は、こうした新しい流れにすべて対応しています。
実際、Windows Server2008のベータ版の段階で、60%のユーザーが64ビット環境での評価を行っていることがわかりました。また、ベータ版の評価を仮想化環境上で行っている人も数多くいました。さらに、あまり注目されていませんが、Windows Server2008では電源管理機能も大幅に強化されています。これにより、15〜20%の省電力が実現できます。
――今夏に正式提供される仮想化機能の「Hy per-V」は、他社の仮想化製品とどう差別化していくのか。
まず「OSの標準機能」という価格面でのメリットがあります。使い勝手の良さ、そしてパフォーマンスの面からも競争力は高いと自負しています。また、物理環境と仮想化環境の両方を同じ管理ツールで管理できる点もメリットになるでしょう。さらに、ノベルやシトリックス・システムズとのパートナーシップも市場では大きな強みになると思います。
マイクロソフトが掲げている理念の1つに「多くの人にマイクロソフトのテクノロジーを利用してもらう」というものがあります。これが、仮想化テクノロジーをWindows Server2008の中に取り込んだ理由でもあります。
――最後に、本誌の読者に向けてメッセージを。
Windows Server2008は、非常にエキサイティングなプラットフォームです。管理性や堅ろう性、柔軟性が高いだけでなく、仮想化やNAPといった独自の機能も備えているので、さまざまな利用方法が考えられます。皆さんも、Windows Server2008を早く体験し、その実力を存分に引き出してください。

























