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【解説】
「Hyper-V RC1」緊急レビュー

Windows Server 2008標準搭載の仮想化ハイパーバイザを徹底解剖

(2008年05月27日)

【Installation】
ゲストOSのインストール手順を知れば
Hyper-Vの仕組みがもっとよくわかる

 チャイルドパーティションへのゲストOSのインストールも、ハードウェアが抽象化されているので、物理コンピュータにインストールするよりも容易だ。Windows Server2003 R2(SP2適用済み)とWindows Server 2008のインストールを例に見てみよう。

 まず、Hyper-Vマネージャから「新しい仮想マシンウィザード」を起動し、ゲストOSのコンピュータハードウェアとなる仮想マシンを作成する。ウィザードでは「仮想マシン名」(Hyper-Vから見た識別名。ゲストOSのコンピュータ名とは無関係)を指定し、仮想マシンの構成の保存先(デフォルトは「C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V」フォルダ)、メモリの割り当て、ネットワークの割り当て、VHDのサイズとパスを指定する(画面7)。

画面7● 「新しい仮想マシンウィザード」を使用して、空の仮想マシンを作成する

 最後に、インストール開始方法(CD/DVDメディア、ISOイメージ、フロッピーディスク、PXEネットワークブート)を指定する(画面8)。そのまま仮想マシンを起動したり、仮想マシンの詳細な構成を編集したりすることも可能だ(マルチプロセッサ構成の設定、ハードディスクやネットワークアダプタの追加など)。

画面8● ウィザードの最後に、ゲストOSのインストール方法を指定する

 仮想マシンの起動とは、物理コンピュータの電源をオンにするのと同じだ(画面9)。

画面9● 仮想マシンを起動すると、Hyper-Vのロゴが表示される。Virtual Server 2005 R2ではBIOSセットアップユーティリティを起動できたが、Hyper-Vには存在しない(ブート順の変更はHyper-Vマネージャで可能)

 起動後はインストールメディアからセットアッププログラムが開始されるので、物理コンピュータと同様にインストール作業を進めればよい(画面10)。

画面10● セットアッププログラムが開始したら、通常の物理コンピュータにインストールするのと同じように進めればよい

 インストール完了後の作業は、Windows Server 2003R2とWindows Server 2008では若干異なる。一般的な手順であるWindows Server 2003 R2から見ていこう。

●Windows Server 2003 R2の場合

 Hyper-Vの仮想マシンにWindows Server 2003 R2をインストールした場合、インストール完了後にネットワークアダプタが存在しないことに戸惑うかもしれない。SCSIアダプタを追加した場合には、これも認識されない。ゲストOSとして、Windows XPやWindows Vistaをインストールした場合も同様だ。

 実は、仮想マシンのネットワークアダプタやSCSIアダプタは、VMBusが利用できて、初めて利用可能になる統合デバイスである。デバイスマネージャを確認すると、1つだけ「不明なデバイス」が存在するはずだ。これがVMBである。

 ゲストOSにVMBusを認識させるには、ゲストOS環境に「統合サービス(Integration Services)」というコンポーネントを組み込む必要がある(画面11)。

 統合サービスは、「仮想マシン接続」ウィンドウの「操作」から「統合サービスセットアップディスクの挿入」を選択して、インストールできる。ただし、統合サービスを利用できるのは、次のWindows(Hyper-V RCの場合)のみであるため、Windows Server 2003 SP1以前の場合はSP2を適用したあとにインストールする必要がある。

  • Windows Server 2008
  • Windows Server 2003 SP2以降
  • Windows Vista SP1以降(x86のみ)
  • Windows XP SP3以降(x86のみ)

 VMBusが認識されないとネットワークが利用できないとなると、インストール時にネットワーク接続が必要な場合はどうすればよいのか。また、インストール方法にネットワークブートが用意されているのはどういうことか。統合サービスが対応していないゲストOSは、ネットワークを利用できないのだろうか。

 Hyper-Vの仮想マシンでは、そうした場合のためにVirtual Server 2005 R2と同様、「DEC(Intel)2114010/100TX 100MBイーサネットアダプタ」をエミュレートする「レガシーネットワークアダプタ」が用意されている(画面12、画面13)。

画面12● VMBusが利用できない状況下でネットワーク接続を利用するには、レガシーネットワークアダプタを追加する
画面13● 統合サービスがサポートしないWindowsNT 4.0についても、Hyper-Vの仮想マシンで動く。ネットワーク接続にはレガシーネットワークアダプタを使用

 実は、ゲストOSをインストールする際の仮想マシンは、インストールに必要な最低限のデバイス(IDEコントローラ、PS/2キーボード、VGAなど)をエミュレートしている。

 これらは、統合サービスのインストール後にVMBus対応のVSCに置き換えられる。IDEコントローラやフロッピーディスクコントローラについては標準のドライバ(atapi.sysとfdc.sys)のままであるため、エミュレートされたデバイスを使用し続けているかのように見えるが、これらはフィルタドライバ(Disk/CDROM VMBus AccelerationFilter Driver)によって、VMBusを経由するようになる。

●Windows Server 2008の場合

 Windows Server 2008には出荷時にすでにHyper-Vの統合サービスが含まれており、インストール時にVMBusやVSCも自動的に組み込まれる。ただし、Windows Server 2008のインストールメディアに含まれるのは、Hyper-Vベータであることに注意してほしい。Hyper-Vベータのコンポーネントは、Hyper-V RC環境では正しく動作しないのだ(画面14)。

画面14● Windows Server 2008の場合は自動的に統合サービスが組み込まれるのだが、これはHyper-Vベータのもの。統合サービスセットアップディスクの挿入」を使用してHyper-V RC0版を上書きインストールすることはできなかった。更新プログラム「KB949219」をインストールして更新しなければならない

 Windows Server 2008ゲストの場合は、インストール完了後にデバイスをインストールしようとするが、それをキャンセルし、「仮想マシン接続」ウィンドウの「操作」から「統合サービスセットアップディスクの挿入」を選択して、統合サービスをインストールする。Hyper-V RC0までは、統合サービスセットアップディスクからWindows Server2008に統合サービスをインストールすることはできなかったが、Hyper-V RC1からできるようになった。


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