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[米国]
物言う株主アイカーン氏、力ずくの買収阻止工作を行っていたヤン氏らを自滅的と批判

「ヤフーの救済にはマイクロソフトとの合併しかない」

(2008年06月05日)

 米国の著名投資家カール・アイカーン(Carl Icahn)氏は、米国Yahoo!の経営陣に宛てた6月4日付けの公開書簡で、同社とCEOのジェリー・ヤン(Jerry Yang)氏に対する不満を表明し、「自滅的な最終兵器」のような存在と批判した。

 Yahoo!の現経営陣との間で委任状争奪戦を繰り広げているIcahn氏は、Yang氏と同社の役員が自分たちの地位を守り、Microsoftによる買収の可否を株主が判断できないようにするため「常軌を逸した手段」を講じているとして強く批判した。

 とりわけIcahn氏の怒りをかきたてたのは、株主がYahoo!を相手取って起こしている訴訟で明らかになった情報だ。この訴訟は、今年2月にMicrosoftが446億ドルでの買収提案を行ったにもかかわらず、Yahoo!の経営陣が受け入れなかったことを不服として起こされた。

 訴状は、これまで非公開だったが、判事の判断で6月2日に公開された。訴状の中で原告側は、Microsoft側が双方に有利になるような形で合意をすべく話し合いを進めようとしたにもかかわらず、Yang氏を含むYahoo!の経営陣は意図的に交渉を決裂させようとしたと主張している。訴状には、「(Yang氏が)誠実な交渉に入ることを力ずくで遅らせた末に拒否し、数々の障害を設けた」と書かれている。

 原告側が特に問題視しているのは、従業員の退職制度改訂に関するYahoo!の経営判断だ。訴状によると、改訂後の制度では、Yahoo!が買収され従業員が退職することになった場合、「多額の給付」が受けられるようになっているという。

 公開書簡の中でIcahn氏は、「Microsoftへの売却を望むかどうか判断する機会を株主に与えないための多大な“努力”をYang氏とYahoo!経営陣が行ってきたことに驚いている。この間、Yang氏と現在の役員の経営手腕に対してMicrosoftの信頼を獲得するのは不可能となった。Microsoftが事態を当面静観するようになったことで、450億ドルが失われるかもしれないという状況になっている」と述べている。

 Icahn氏は、Yang氏と現在の役員を交代させ、Microsoftと真摯な話し合いを行うことにより、MicrosoftとYahoo!の合併を成功に導くチャンスが生まれると指摘した。「これまで、『自滅的な最終兵器』などというものは、007の映画に出てくる想像上の産物にすぎないと信じていた。しかし、それはYang氏やYahoo!の役員のような人物が存在することを知らなかっただけの話だ」(同氏)

 Yahoo!は、この件についてコメントしていないが、社長のスー・デッカー(Sue Decker)氏は取材に応じ、「同社の退職制度に問題はない」と答えた。

 Decker氏は、「当社の退職制度は、買収手続きが終了するまで、才能ある人材を引き留めるために考えられたものだ。企業の多くは、経営権が変わる際に従業員を引き留めるため、経営権変更に関する契約を導入している。当社の従業員は資産であり、Microsoftも関心を持っていた。Yahoo!の役員が大きな価値を認めていた資産とは、次世代の製品やサービスを生み出す従業員の才能だ。この資産が失われた場合、再び獲得するのはきわめて困難だ」と説明した。

 Icahn氏によると、同氏を含む多くの株主が、長期的に見てYahoo!を救済するにはMicrosoftと合併するしかないと考えているという。

 Icahn氏は、Yahoo!経営陣に対して、「問題の退職制度を撤回し、Microsoftがまだ買収の意向を持っているかどうかを確認するとともに、米国Googleに対する真の競争相手となるべく努力するべきだ。最終的には、『株主の利益』を最大限確保するよう動いてくれるものと期待している」と呼びかけた。

(Linda Rosencrance/Computerworld米国版)




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