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【解説】
IT業界で闘う“アスピーズ”
アスペルガー症候群を抱えたITプロたちの“苦悩”と“現状”
(2008年06月25日)
アスペルガー症候群とIT業界の深い関係とは
自閉症という症状が最初に報告され、正式にそう命名されたのは1943年のことだ。自閉症は神経発達障害が原因だと考えられているが、その解明はいまだ十分に進んでおらず、原因や症状、研究、治療法など、あらゆる側面で現在も激しい議論が続いている。
特に、知能指数が比較的高いアスペルガー症候群とHFAはその定義が難しく、診断が確定されなかったり症状が過小評価されたりすることがしばしば起こる。そのため全体の人数が正しく把握されておらず、また症状への理解も進んでいない。
米国では近年、自閉症(アスペルガー症候群を含む)と診断されるケースが急増している。米国疾病予防管理センターの概算では、8歳児の150人に1人の割合で、何らかの自閉症の症状があるとされている。
この数字は以前の統計と比較し、急速に増加している。その理由がより正確な診断が下せるようになったためなのか、より幅広い症状まで自閉症とするようになったためなのか、本当に自閉症を抱える人が増加しているためなのか、あるいはこれらの要因やその他の要因が複数関係しているためなのかははっきりしていない。
こうした背景から、成人したアスピーズの人口を把握するのはさらに困難だ。通常、アスピーズの知的能力は平均的かそれ以上であることが多い。そのため、その症状を隠して職場や社会に適応できてしまうことが少なくないからだ。その結果、診断を受けることなく一生を過ごしてしまう人も多いという。
米国国立精神衛生研究所の広報担当者によると、成人したアスピーズの人数を把握している政府機関や学術研究は、同研究所が知るかぎりでは存在しないという。
統計がないのであれば、アスピーズたちのエピソードに頼るしかない。アスペルガー症候群を自覚しているIT技術者に、IT業界とアスピーズの関連性を尋ねたところ、前出のRyno氏からは以下のようなメールをもらった。
またデータベース・アプリケーション・プログラマーのBob氏からは、「紋切り型の見解ではあるが、ハイテク業界のアスピーズ率は、一般社会のアスピーズ率よりも高い」という返答をもらった。
このテーマを語ってもらうのに、テンプル・グランディン(Temple Grandin)氏ほどの適任者はいないだろう。Grandin氏はアスペルガー症候群を抱えながら博士号を取得した大学教授であり、動物の環境に配慮した家畜施設の設計者として世界的に知られている。現在はセカンド・キャリアとして、アスペルガー症候群についての執筆と講演活動に注力している(注1)。
「アスペルガー症候群とITとの間に相関関係はあるのか──。もしアスペルガー症候群というものが存在しなければ、コンピュータは誕生しなかっただろう。“ギーク(Geek)”や“ナード(Nerd)”とは、要するに軽度のアスペルガー症候群のことだ。アスピーズの関心は、人ではなくモノに向けられている。そしてモノに関心を抱いた人たちが、現在われわれが使用しているコンピュータを作ってくれたのだ」(Grandin氏)
注1:『我、自閉症に生まれて』『自閉症の才能開発』など、日本語にも翻訳されている(両書とも発行:学習研究社)

























