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【インタビュー】
「IPv6にもNATは必要」――IETF会長が明言

IPv4からのスムーズな移行には不可欠との認識

(2008年07月22日)

IPv6用のNAT(ネットワーク・アドレス変換)開発に標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)が取り組んでいる。IPv6に移行すればNATは不要になると思われていたが、IPv6へのスムーズな移行にはNATが不可欠、というのがIETFの考えだ。その理由について、同団体の会長を務めるラス・ハウスリー(Russ Housley)氏に話を聞いた。

Carolyn Duffy Marsan
Network World米国版

IETF会長のRuss Housley氏
――IPv6用のNATメカニズムを担当しているワーキング・グループがIETFには4つある。この開発プロジェクトは、IETFが取り組んでいる他の開発プロジェクトと比べてどれくらい重要なのか。

Housley氏:インターネットの成長を支えるにはIPv6の広いアドレス空間が必要だ。よってこのプロジェクトは、IETFにとってきわめて重要な位置づけにある。

 数年前、IPv6の設計者らは、すべてのホストとルータでIPv4とIPv6が同時にサポートされると考えていた。そしてこのことは、IPv6への緩やかな移行をもたらした。実際、多くのホストとルータは、IPv4のアドレス割り当てが問題になるずっと前からIPv6を使用することができる。

 だが、あえてIPv6を実装/展開するほどの経済的なインセンティブが今のところない、というのが企業や組織の実情のようだ。したがって、すべてのホストとルータがIPv6をサポートできるようになるまで、IPv4とIPv6を変換する機能、すなわちNATが必要となる。

――IPv6は何年も前からインターネット上のNATを不要にするプロトコルと言われてきたのに、IETFがIPv6用のNATメカニズムを開発するというのは皮肉に聞こえる。

Housley氏:確かにそのとおりだ。とはいえ、IPv6への移行が完了すれば、NATは必要なくなるだろう。

 IPv4とIPv6のアドレス変換は、インターネット上のIPv4だけのNATとは異なる場所に展開されると思う。また、これらNATデバイスは移行期間中だけ使えればよいのだ。

――IPv6用のNATは必要悪だと?

Housley氏:繰り返すようだが、インターネットの重要な特性を維持しながらIPv4からIPv6へとスムーズに移行するためにはNATは不可欠だと、われわれは考えている。

――IPv6用のNATについて、IETF内ではどのような議論がなされているのか。

Housley氏:IETFのエンジニアやコンピュータ科学者は、当初の計画をすでに達成したと思いたいようだが、もちろんまだ達成してはいない。IETFへの参加者らは実際的なソリューションを求めており、NATがベストなやり方だという点でおおむね合意している。

――IETFの各ワーキング・グループは、IPv6用の新たなNATメカニズムを開発するスケジュールをどう考えているのか。インターネットを今後も成長させていくには、いつまでに完了する必要があるのか。

Housley氏:その点については人それぞれ意見が異なる。私個人としては、開発/展開に向けた仕様を1、2年以内に完成させる必要があると考えている。

――IPv6用のNATというテーマは、ダブリンで開催されるIETFのコンファレンス(2008年7月27日〜8月1日)でホット・トピックとして取り上げられるのか。また、ほかのホット・トピックは?

Housley氏:NATが注目株の1つであることは間違いないが、ホット・トピックはほかにも3つある。

 まず1つ目はVoIP。これは、引き続き大きな関心を呼ぶはずだ。2つ目はMPLS(Multi-Protocol Label Switching)である。そして3つ目は、われわれIETFがピア・ツー・ピア基盤の新たな開発プロジェクトを考えていることだ。

(Computerworld.jp)




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