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[米国] 【CES 2009】
マイクロソフト、「Google Docs」対抗のWeb版Officeアプリをテスト開始

広告モデルで無償提供の予定、ブラウザ上で文書作成や編集が可能に

(2009年01月13日)

 米国Microsoftは、「Microsoft Office」アプリケーションがインストールされていないPC上においても、Webブラウザ上でOfficeドキュメントの新規作成や編集が可能な“オンライン版Officeアプリケーション”のテストを開始した。これは、米国Googleが提供する「Google Docs」などの対抗馬となる製品だ。

 「Office Web Applications」と呼ばれるこのWebアプリケーションは、すでにテクニカル・プレビュー版が提供されており、今年後半からパブリック・ベータ・テストが開始される予定だ。同社のOfficeクライアント部門でグループ製品マネジャーを務めるジャスティン・ハッチンソン(Justin Hutchinson)氏は、「2009 International CES(Consumer Electronics Show)」において、「このアプリケーションを利用すれば、Webブラウザ上でドキュメントの新規作成や編集といった作業ができるようになる」と説明した。

現在の「Office Live Workspace」の画面。ドキュメントの共有や内容閲覧は可能だが、新規作成や編集にはPC上にインストールされたOfficeアプリケーションが必要

 現在、Microsoftが提供している「Office Live Workspace(ベータ版)」は、Microsoftが稼ぎ頭のOfficeシリーズを初めてWebに対応させたサービスだ(関連記事)。同社のOffice Live Small Business部門製品マネジメント/マーケティング担当ディレクター、マイケル・シュルツ(Michael Schultz)氏によれば、「(2008年3月の)ベータ・サービス開始以来、すでに150万人のユーザーが登録している」という。

 もっとも、Live Workspaceの機能は非常に限られたものだ。Google Docsや「Zoho」に代表される競合のオンラインOfficeアプリケーションでは、ドキュメントの作成、保存、編集などすべての作業をブラウザから実行できる。だが、Live Workspaceでドキュメントの新規作成や編集を行うためには、ユーザーのPCにインストールされた「Word」「PowerPoint」「Excel」アプリケーションを利用する必要がある。

 Live Workspaceを介して提供されることになるOffice Web Applicationsは、Word、PowerPoint、Excelおよび「OneNote」のアプリケーション群で構成される。デスクトップ版Officeとよく似た「リボン・インタフェース」を備えており、ブラウザからテキストや表の書式設定を含む「単純な編集作業」を行うことができるという。

 Microsoftでは、Live Workspaceのテスターに対し、2009年後半にも同Webアプリケーションのベータ版を試用提供する予定だ。ただし、詳細な時期や対象人数などは明らかにしていない。数か月前にリリースされたテクニカル・プレビューを何人が試用しているのかも明らかではないが、ごく少数だと思われる。

 Microsoftは、Webアプリケーションの位置づけについてGoogleとは異なる見解を持っており、シュルツ氏やハッチンソン氏も今回のOffice Web Applicationsが「Google Docsの対抗馬」であるとは明言しなかった。こうしたWebアプリケーションを、Googleはユーザーをデスクトップ・アプリケーションから完全に解放するものと考えているが、Microsoftでは「Software plus Services」戦略の下、デスクトップ版Officeアプリケーションを補完するものと見ている。

 そのため、MicrosoftはOffice Web Applicationsとデスクトップ版Officeとの併用を推奨している。Web Applicationsのほうは、電子メールを介さないドキュメント共有や、携帯電話端末などからドキュメントにアクセスするための手段と位置づけられている。Microsoftでは、複雑な編集作業のためにはデスクトップ版Officeを選ぶユーザーが多いだろうと考えているようだ。

 「Office Web Applicationsの編集機能は、単純なものに焦点を絞った。ちょっとした文章を書いたり、書式を設定したり、ドキュメントを移動したりするだけならば問題ない。だが、長文を編集する、もしくはCEO(最高経営責任者)あての手紙を書く場合などは、やはりユーザーもPC上のアプリケーションで作業したいだろう」(ハッチンソン氏)

 とはいえ、このWebアプリケーションでドキュメントを作成/編集するためにOffice製品のライセンスは必要ない、とシュルツ氏は説明している。広告モデルのサービスとして提供されるため、ユーザーは無償で利用できるという。

 調査会社Forresterのアナリスト、シェリ・マクリーシュ(Sheri McLeish)氏は、「Googleやその他の企業が、ベーシックだが低コストの生産性アプリケーションを武器にMicrosoftへ戦いを挑んでいる現状に鑑みれば、同社がLive Workspaceを通じてドキュメントの作成および編集機能を提供するのはごく自然な流れだ」と話した。

 マクリーシュ氏は、「SaaS(Software as a Service)や(Officeの)簡易版など、ユーザーに与えられた選択肢はたくさんあるものの、(Microsoftが)それらに対抗する手だてはそう多くない」と述べている。Web版のOfficeアプリケーションは、Microsoftが「原価ベースで苦戦している」(マクリーシュ氏)小規模企業市場において、特に歓迎されているという。

(James Niccolai, Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




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