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[米国] 【Q&A解説】
MicrosoftとYahoo!の提携で検索市場はどう変わる?

Yahoo!サイトは見た目が変わるか/個人情報のやり取りはあるか/Googleの牙城は崩せるか ほか

(2009年07月30日)

 MicrosoftとYahoo!の“波瀾万丈の婚活”は、ようやく終わりが見えてきた。同社の提携は、検索技術および検索ポータル市場にどのような影響を及ぼすのだろうか。王者Googleはどう思っているのだろうか。PC World米国版が、読者の疑問にQ&A形式で答える。

JR Raphael/PC World米国版

Microsoft CEO スティーブ・バルマー氏とYahoo! CEO キャロル・バーツ氏。検索大手2社は仲むつまじい“夫婦生活”を送られるのだろうか

 ウェディング・ベルの音が響き渡る日が近づいてきたのか。史上まれに見る長い春も、ついにハッピー・エンドで終わるのか。エイプリル・フールならぬ“ジュライ・フール”の冗談などではない。MicrosoftとYahoo!が、検索分野における提携でようやく合意に至ったのである。これにより、Yahoo!自身の検索技術は事実上消滅し、「Bing」と呼ばれるMicrosoftの検索エンジンが市場シェアを9%伸ばすことになる。

 とはいえ、Yahoo!そのものがなくなってしまうわけではない。実のところ、Yahoo!ユーザーはほとんど変化に気づかないはずだ。それならば、今回の提携の実態はどうなっているのだろうか。Q&A形式で皆さんの疑問に答えたい。

(Q1)Yahoo!のサイト上に目に見える変化は現れるのか

 おそらくサイトの見た目は今と変わらないだろう。Yahoo!は自社の検索ページをブランドとして保持し、存在意義を失わないようにするはずだ。しかし、あらゆる検索の背後ではMicrosoftのBingシステムが処理を行う。Yahoo!関連の全サイトで、「特殊なアルゴリズム検索および有料検索プラットフォーム」が動くことになる。

(Q2)Yahoo!がMicrosoftとの提携の中で果たす役割とは

 Microsoftが検索分野を担当し、Yahooは広告事業の一部を受け持つ。具体的には、Yahoo!が「各国にまたがる大規模なネットワークを生かした営業力」を行使し、両社の「プレミアム検索広告」を販売していくという。Microsoftは、社内の広告部門およびディスプレイ広告部門の指揮権はそのまま温存する予定だ。

(Q3)自分の情報がどちらの企業にも利用されることになるのか

 ポリシーに関する詳細はまだ発表されていないが、両社が出した声明にはユーザーのプライバシーは保護されると明記されていた。両社間のデータ共有は、「統合された検索プラットフォームを運用し、改善していくのに必要な最低限度にとどめる」そうである。

(Q4)「Hotmail」や「Yahoo! Mail」などのWebサービスも統合されるのか

 これらのサービスは統合されない。両社は検索事業についてのみ提携契約を交わしており、そのほかのWeb製品は無関係で現状のままとなる。

(Q5)Googleにとって両社の提携はどのような意味があるのだろうか

 MicrosoftおよびYahoo!のパートナーシップが検索市場にどういった影響を与えるのかは、まだだれにもわからない。ただし、両社がGoogleを視野に入れていることは確かである。MicrosoftのCEOを務めるスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏によれば、両社の提携は「単一企業にほぼ独占されている現市場において、消費者にほんとうの選択の自由を与えるもの」だという(動画)

 だが、そもそも何らかの影響を与えることなど可能なのだろうか。多くの人々がこの点を疑問視している。しかし一部のアナリストは、MicrosoftとYahoo!が検索市場にGoogleが築いた牙城を少しでも突き崩せるなら、そこからチャンスが生まれるかもしれないと指摘している。

 米国Gabriel Consulting Groupのアナリスト、ダン・オールズ(Dan Olds)氏はComputerworld米国版の取材に対し、「MicrosoftおよびYahoo!の個々のアクセス数はGoogleと比べてごくわずかだが、この2社が1つになり、よく練られた計画と緊密な協働をもってすれば、Googleに多少の手傷を負わせることはできると思う」と語っている。

 なお、Google自身は検索市場のプレーヤーが減ることは、市場競争やユーザーにとってマイナスになるというコメントを残している。

(Q6)提携問題に決着がついたことで、これからは両社の話ばかり聞かされることはなくなるだろうか

 そうともかぎらない。ありがたいことに、何カ月も前から毎週のように取りざたされていた「提携するのかしないのか」という話題は消えるだろう。だがその代わりに、「両社に○○は可能か」的なトピックが乱立すると思われる。両社の提携はまだ規制機関の承認を得ていないし、承認されたとしても、それはそれで苦しい戦いの始まりを意味する。米国Wall Street Journal紙が取材した情報筋も、連邦独占禁止機関は今回の合意を綿密に調べ上げるだろうと予測していた。2008年にGoogleとYahoo!の提携を阻止するべく大声で反対した事実も、Microsoftには悪い材料となる可能性がある。

 結局、ウェディング・ベルが鳴るのはまだ先のことと考えておくべきだろう。両社の“婚活”は終わりを迎えたのかもしれないが、現時点ではまだ婚約指輪を交わしただけにすぎない。愛し合っているように見えるこのカップルが、ほんとうに結婚するかどうかについては、何の保証もないのだ。




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