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MicrosoftのYahoo! 買収

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[米国]
MicrosoftのYahoo!買収で懸念されるプライバシー問題

プライバシー保護団体が買収計画に反対する姿勢を明らかに

(2008年02月04日)

 米国のプライバシー保護団体は、規制当局が米国Microsoftによる米国Yahoo!の買収を認めた場合、強く反対していく方針を示している。また、この買収計画は、ヨーロッパで大きなハードルに直面する可能性がある。

 Microsoftは2月1日、Yahoo!の役員会に446億ドルで買収を提案したと発表した。翌朝、このニュースが報じられると、Center for Digital Democracy(CDD)とElectronic Privacy Information Center(EPIC)という2つのプライバシー保護団体のエグゼクティブ・ディレクターが、プライバシーに関する深刻な懸念を表明した。

 CDDのエグゼクティブ・ディレクター、ジェフリー・チェスター(Jeffrey Chester)氏は、米国司法省(DOJ)、連邦通信委員会(FTC)、米国議会に対し、「この買収提案を慎重に審査し、必要な保護対策を取ることを強く求めていく」と述べている。なお、CDDとEPICは2007年、GoogleによるDoubleClick買収を承認しないようにFTCに求めたが、FTCは12月にこれを承認した。

 MicrosoftがYahoo!を買収した場合、「インターネットを支配する2大勢力が誕生することになる。GoogleとMicrosoftは、ジャーナリズム、エンターテインメント、広告といったオンライン・コミュニケーション市場できわめて大きな力を持つようになる。インターネットの発展は両社に管理されるようになり、世界の民主主義に多大な影響を及ぼす」とChester氏は指摘する。

 さらに同氏は、今回の件で消費者のデータを保護するための新たな法律や規制の必要性が再度認識されたと付け加えた。「個人の生活や社会的な活動がオンライン上でも繰り広げられている現在、デジタル世界のエクスペリエンスを管理する企業は、社会のあらゆる側面にますます大きな影響力を持つようになる。消費者の個人情報が、Google Clickや“Microhoo”の資産にされてしまう危険性も高まるだろう」と同氏。

 しかし、ボストン大学法科大学院の教授で反トラスト問題が専門のキース・ヒルトン(Keith Hylton)氏によれば、DOJやFTCが買収に反対する法的根拠はほとんどないという。同氏は、この合併が自社のオンライン・サービスの拡大をねらうものであり、競争を阻害するものではないとMicrosoftが主張すると見ている。

 「Microsoftは、オンライン・サービスとオンライン広告ビジネスを強化しようとしている。この分野において、同社は小さな勢力にすぎず、一方のGoogleの大きな力を持つ。今回の買収は、巨大企業であるGoogleに対抗するために、2つの企業が力を合わせようとしているという構図になる」(Hylton氏)

 ただし、欧州においては、この買収計画が大きなハードルに直面する可能性がある。反トラスト問題に詳しい欧州のある法律家は、「合併によってMicrosoftがWindowsのコンポーネントをオンラインで提供するとしたら、OS市場におけるMicrosoftの支配が強化されることになる。このような懸念があるため、欧州委員会は合併を認めないだろう」と語る。同氏によると、欧州連合のルールでは、市場を支配する企業が支配力をさらに強化するために行う合併は認められないという。

 一方、市場競争に詳しい欧州委員会のある幹部は、合併後の新会社はインスタント・メッセージング・サービスを売却する可能性が高いと語る。「MicrosoftとYahoo!がインスタント・メッセージング・サービスを持ち続けるのは困難だろう」と同氏。

 先週、コロンビア地区米連邦地裁のコリン・コーラー・コーテリー(Colleen Kollar-Kotelly)判事は、反トラスト法違反容疑によるにMicrosoftに対する調査を2年間延長した。米連邦政府がMicrosoftを相手に起こした反トラスト法違反訴訟は、PCとサーバのOSに関するものだが、これがMicrosoftのYahoo!買収に有利に働くと見る向きもある。Hylton氏は、「Microsoftが、自分たちがすでに調査対象になっており、競争を阻害するようなことは何もできないと主張するのは目に見えている」と語る。

 ペンシルベニア大学の教授でコミュニケーション学が専門のジョセフ・テューロウ(Joseph Turow)氏は、MicrosoftがYahoo!の買収を決断したのは、FTCがGoogleのDoubleClick買収を承認したことが直接的な引き金になったと見ている。

 「新しいメディア環境では、無限の選択肢が広がっているように見える。だが、公共の利益よりもユーザーの監視やターゲットを絞り込んだ広告を優先する少数の企業が人々の活動を追跡するようになる可能性がある。今回の買収劇も、それを裏付ける新たな証拠だ」とTurow氏は語り、プライバシー保護の面からこの買収提案を精査することを連邦政府に求めていく必要があると指摘している。

(Grant Gross/IDG News Service ワシントン支局)




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