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Windows Server 2008
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【Windows Server 2008 実践評価ガイド】
Windows Vistaとの連携でWindows Server 2008のパワーを最大化する
管理の効率化、可用性の向上、通信の高速化を実現するために
(2008年04月09日)
【Network Protocol】
次世代プロトコルから標準プロトコルへ
Windows Vista以降のIPネットワークはIPv6が標準
Windows Vista以降では、ネットワークプロトコルとして次世代IPプロトコルである「IPv6(Internet Protocolバージョン6)」が標準でインストールされる。これは、デフォルトでインストールされるという意味だけでなく、従来のIP(IPv4)より“優先される標準プロトコル”としてIPv6が採用されていることを意味する。
IPv6はグローバルアドレス空間の枯渇やルーティングテーブルの巨大化など、従来のIPネットワークの問題を解決すべく生まれた新しいプロトコルであり、IPv4の32ビットに対して、128ビットという巨大なアドレス空間を持つ。
マイクロソフトはWindows 2000向けに“Technology Preview”というかたちでIPv6スタックを提供し、Windows XPで初めて正式に標準プロトコルの1つとして追加した。
しかし、枯渇するはずであったIPv4のアドレス空間も危機的状況ではなく、いまだにインターネットサービスがIPv4で提供されていること、IPv6対応のアプリケーションや機器、サービスの少なさから、一般の実運用環境にはほとんど普及していないのが現状だ。2005年までにIPv6への移行を目指した政府のe-Japan計画も先行きは不透明なままだ。
Windows Vistaのリリース、そしてWindows Server 2008の登場は、このようなIPv6の現状を打開するかもしれない。
| 画面3● Windows VistaにはIPv6が標準でインストールされ有効になる。Windows XPまではnetshコマンドで構成する必要があったが、Windows Vista以降はIPv4と同様のGUIインタフェースを持つ |
Windows Vistaでは、IPv6のプロトコルスタックが標準でインストールされ、有効になる(画面3)。Windows Vistaのネットワーク機能を持つコンポーネントのほとんどはIPv6対応だ。しかし、IPv6のインフラストラクチャがないネットワークにWindows Vistaを導入しても、IPv6が活用されることはほとんどない。一見むだに見えるが、これがWindows Server 2008の登場で一変することになる。
Windows Server 2008もまた、Windows Vistaと同様、IPv6に標準対応する。しかも、Active DirectoryやDNS、DHCP、IIS 7.0を含め、ネットワーク機能コンポーネントがIPv6に完全対応する。Windows VistaとWindows Server 2008だけで構成されるネットワークであれば、IPv6だけで運用することも可能になるのだ。カスタムアプリケーションについても、.NET Frameworkや上位APIを使用するものはコードを書き換えることなくIPv6上でそのまま使えるようになっている。
さらに重要な点は、IPv6がIPv4よりも優先的に使用されることである。Windows Vista以降では、IPv4とIPv6が両方利用可能である場合、IPv6を優先的に使用する。DNSの名前解決においても、AレコードとAAAAレコードの両方を問い合わせ、両方の応答を得た場合はAAAAレコードを優先するようになっている。
ちなみに、IPv4プロトコルスタックは「netsh interface ipv4 uninstall」コマンドで簡単に削除できるが、IPv6プロトコルスタックは同じ方法では削除できない(netsh interface ipv6コンテキストにuninstallコマンドは存在しない)。
IPv6のアンインストールオプションが提供されていないことからも、IPv6が標準・優先プロトコルとして位置付けられていることがわかる。
| 画面4● 「fe80」のプレフィックスから始まるIPv6アドレスは、リンクローカルアドレスと呼ばれるもので、IPv6インフラストラクチャ(IPv6対応ルータなど)がない環境で自動構成されたもの。IPアドレスの自動割り当て機能は、IPv6の特徴の1つ |
IPv6の特徴の1つに、プロトコル自身が「IPアドレスの自動設定(autoconfiguration)」機能を持っていることが挙げられる。IPv6では、IPv6対応のルータやDHCP(DHCPv6)が存在しない環境では、ほかのノードと重複しないリンクローカルアドレスを自動生成する(画面4)。
この機能により、IPv6について何も構成しなくても、Windows VistaとWindows Server 2008間でIPv6による通信が可能になる。言い換えれば、Windows VistaとWindows Server 2008が導入されたネットワークでは、知らないうちにIPv6で通信が行われ、IPv6のメリットを享受できるということである。
もちろん、複数サブネットで構成されるネットワーク全体をIPv6化するには、IPv6対応ルータを導入したり、DHCPv6をセットアップしたりする必要がある。
【評価ガイド3】
IPv4を無効にしてPingを実行してみる
| 画面5● IPv4をオフにすると、Pingの実行や、ファイル共有への接続は、確実にIPv6で処理される |
IPv4ベースのDNSサーバで運用されているネットワークにWindows VistaやWindows Server 2008を導入した場合、IPv6が利用可能であっても、Windowsネットワークの通信にはおそらくIPv4が使用されることになる。なぜなら、DNSによる名前解決でIPv6のAAAAレコードが検索されないからだ。
実際にIPv6が機能していることを確認したいなら、IPv4をオフにするか、DNSのネームサーバの指定を一時的に削除してみよう。Windows Server 2008のコンピュータ名に対して「Ping」コマンドを実行すれば、IPv6アドレスで実行されることを確認できるはずだ(画面5)。この状態でも、サーバ上のファイル共有には問題なく接続できるはずである。
IPv4をオフにしたり、DNSのネームサーバ指定を削除したりしても、名前解決ができていることにお気づきだろうか。実は、IPv6はプロトコル自身に近隣のノードを探索する機能が備わっているのである。この近隣探索機能は、DNSのようにアプリケーション層で動作するものではなく、MACアドレス解決のARPと同じデータリンク層で行われる。
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