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Windows Server 2008
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【解説】
「エンタープライズWindows」の実力と課題
企業の信頼を勝ち得るまでの軌跡を再確認する
(2008年06月05日)
オープン・システム時代が幕を開けたころ、企業ユーザーのWindowsに対する信頼は低かった。時は流れ、クライアントPCユーザーのだれもがWindowsを使うようになり、サーバ分野でも今や金融機関の基幹システムのプラットフォームに選ばれるまでになっている。本企画では、Windowsという製品の進化過程を振り返り、そこから、企業コンピューティング・プラットフォームとしての現在の実力、そして課題を探ってみたい。
山口 学
OSの基本的役割は開発重複の回避
そもそも、OSの役割とは何だろうか。
例えば、販売管理や顧客管理などの業務をシステム化するうえで必要なのは、アプリケーション・ソフトウェアだ。原理的には、これらのアプリケーションが直接、ハードウェアを制御することは可能である。実際、そのようにしていた時代もあるし、特殊な分野においては、現在もそのようなアプリケーションが使われている。
では、なぜ、OSは存在しているのだろうか。それは、「同一機能の重複開発によるむだを省くため」だと言ってよいだろう。乱暴に言ってしまえば、多くのアプリケーションが使用する機能は、1つにまとめたほうが効率がよい。こうして生まれたのがOSやミドルウェアなどの、システムの基盤となるソフトウェアである。このうちOSは、主にハードウェア制御を行う機能を提供し、ミドルウェアはOSとアプリケーションの中間的な機能を提供する。そして、どのような機能までを提供するのかは、OSによって異なる。
現在、IA(インテル・アーキテクチャ 注1)を採用したコンピュータの多くは、WindowsをOSとして採用している。もちろん、UNIXやLinux、Mac OS Xを選択することも可能だが、いずれのOSも、市場占有率ではWindowsに遠く及ばない。そして、企業コンピューティングの世界においても、クライアントOSとしてはもちろん完全に普及し、サーバOSとしても確実に普及が進んできている。以下、Windowsの進化、機能強化の軌跡を確認していく(図1)。
| 図1:Windowsの系譜。1983年にWindows 1.0が登場、1993年から1995年にかけて大きな転機を迎え、2007年のWindows Vistaと2008年のWindows Server 2008に至る(クリックして拡大) |
Windowsヒストリー──“ビジネスWindows”の元年は1993年
Windowsが誕生したのは1985年のことである。当時のWindowsは、「MS-DOS(PC-DOS)」(注2)のための、ウィンドウ型ユーザー・インタフェースという位置づけだった。
初版のWindows 1.0はウィンドウを重ねることができないタイリング・ウィンドウ方式だったが、1987年に登場したWindows 2.0からは、ウィンドウを重ね合わせられるオーバーラッピング・ウィンドウ方式が採用された。同時に、より大きなメモリ空間を確保する目的で「Expanded Memory Specification(EMS)」(注3)に対応し、仮想メモリ・システムをサポートしたIntel 80386(注4)用のWindows/386 2.0が別バージョンとして投入された。しかし、これらは、お世辞にも実用レベルに達していると言えるものではなかった。
Windowsがビジネスにも使えるOSとして認識され始めたのは、1990年に登場したWindows 3.0からだろう。さらに、Windows 3.1が登場した1992年ごろになると、多くのアプリケーションがWindowsに対応するようになる。ちなみに、1993年に発売されたWindows for Workgroups(別名:Windows 3.11、日本では未発売)では、ピア・ツー・ピアLAN(注5)も利用できるようになった。しかし、Windowsが企業ユーザーから本格的に注目され始めたのは、1993年以降のことである。特に大きな転換期となったのは、1993年から1995年にかけてだろう。
注1:インテル・アーキテクチャ:Intel Architecture-32(IA-32)とIntel Architecture-64(IA-64)の総称。IA-32はx86アーキテクチャと呼ばれることもある
注2:MS-DOS:Microsoft Disk Operating Systemの略で、インテル・アーキテクチャの16ビット・プロセッサのためにマイクロソフトが開発したOS。Ver.1.0は1981年に登場した。「Personal Computer DOS(PC-DOS)」はIBMブランドとしての商品名
注3:EMS:Expanded Memory Specificationの略で、640KB超のアドレス空間をMS-DOSから利用するための技術
注4:Intel 80386:インテル・アーキテクチャの32ビット・プロセッサ。初期のWindowsはインテル・アーキテクチャの16ビット・プロセッサである、Intel 80286でも動作可能だった
注5:ピア・ツー・ピアLAN:サーバを用意せず、クライアントどうしが対等(peer)の立場で接続する方式のLAN



























