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【仮想化の教室 第9回】
企業デスクトップの仮想化 〜MDOPの新顔、MED-V〜

仮想化技術のすべてをここで学べる!

(2009年08月25日)

MED-Vが提供するアプリケーションは
Virtual PCの仮想マシン上で動いている

 MED-Vは、Virtual PC 2007 SP1の仮想マシンを利用した、企業デスクトップのアプリケーション展開ソリューションである。

 アプリケーションの互換性問題は、しばしば、企業デスクトップのバージョンアップを阻む大きな要因になる。この互換性問題を解決する“最終手段”と言えるのが、仮想化テクノロジーの利用だ。

 例えば、Windows VistaにVirtual PCをインストールして、Windows XPやWindows 2000の仮想マシンを動かし、その上でWindows Vistaに対応していないレガシーなアプリケーションを動かすのである(画面4)。

画面4● Virtual PCの従来の利用方法。レガシーOSを仮想マシンで動かして、仮想マシン上でレガシーアプリケーションを利用する

 この方法は、多くの互換性問題を簡単に解決できるが、ユーザーエクスペリエンスはよいとは言えない。そもそも、コンピュータ内で別のコンピュータが動くということ、スタートメニューが2つ(物理と仮想)あること自体、一般のエンドユーザーには理解しがたいことだろう。あるアプリケーションを実行するために、仮想マシンの起動を待つのも耐えがたいかもしれない。

 MED-Vの役割は2つある。1つはエンドユーザーにとって面倒な部分や理解しにくい部分を隠し、あたかもローカルのアプリケーションと同じように、仮想マシン内のアプリケーションを実行できるようにすることだ。

 MED-Vは、Windowsの起動と同時にロードされる。このロード処理は「保存状態の仮想マシンの起動」なので、それほど時間はかからない。仮想マシン内のアプリケーションは、仮想マシンのデスクトップ内ではなく、クライアントのデスクトップにシームレスに統合され、しかもVirtual PCのインタフェースがユーザーから完全に隠される(画面5)。

画面5● 前ページの画面1のバックグラウンドで動作している仮想マシン(Windows2000 Professional)にリモート操作ソフトの「VNC」で接続した様子。白いデスクトップ上でIE 6 SP1が動いている

 MED-Vのもう1つの役割は、仮想マシンイメージの展開だ(図1)。IT管理者は、クライアントに展開する仮想マシンを作成し、ポリシーベースで「ワークスペース」(スタートメニューに統合するアプリケーションやメニューの設定など)を定義して、圧縮ファイルにパッケージングする。

図1● MED-Vのアーキテクチャ。ユーザーからは見えないところで、Virtual PCの仮想マシンが動作し、仮想マシン内のアプリケーションがクライアントのデスクトップとシームレスに統合される

 あとは、この圧縮ファイルをMED-Vサーバにアップロードするだけでよい。MED-Vのクライアントは、ロード時にイメージのバージョンを識別し、最新のイメージをダウンロードする。仮想マシンのイメージを最初に起動したときに、コンピュータ名やドメイン構成を再設定できるので、1つの仮想マシンイメージを複数のクライアントに展開することが可能だ。

 MED-V、App-V、TS RemoteAppの3つにはそれぞれ得手不得手があるが、ユーザーエクスペリエンスはどれも同じである。そして、これらを混在させることも可能だ。ある目的を実現するために、さまざまな手段を選択できるのは、IT管理者にとって非常に心強い。もっとも、それぞれのテクノロジーの違いをよく理解して、適材適所に活用することが重要だ。

【コラム】Windows 7搭載の「Windows XPモード」はスタンドアロン版のMED-V!?

 マイクロソフトは現在、Windows 7向けのVirtual PCの最新バージョン「Windows Virtual PC」のRC(製品候補)版を公開している。

Windows Virtual PC

 Windows Virtual PCは、現行の「Virtual PC 2007 SP1」と同様、x86ベースの仮想マシン環境を提供し、任意の32ビットゲストOSを実行できる。64ビットゲストOSには対応しないが、ようやく仮想マシンでUSBデバイスがサポートされるようになった。

 もう1つ新しい機能として「Windows XPモード(Windows XP Mode)」が、Windows 7 Professional、Enterprise、Ultimate向けに提供される。Windows XPモードは、レガシーアプリケーションを実行するためのWindows XP Professional SP3がインストールされた構成済みのVHD(仮想ハードディスク)イメージで、追加ライセンスなしでWindows XPの仮想マシンを実行できる。

 注目点は、通常の仮想マシンとして利用できるほか、仮想マシンのWindows XP環境にインストールされたアプリケーションをWindows 7のスタートメニューから起動し、仮想マシンのコンソールを隠した状態で、アプリケーションのウィンドウをデスクトップやタスクバーとシームレスに統合できることだ。

 テクノロジー的には、今回紹介したMED-Vのスタンドアロン版と考えればよいだろう。なお、マイクロソフトはMED-VのWindows 7対応版を、Windows 7の正式出荷後90日以内に提供する予定だ。

▲「Windows XPモード」を利用すると、Windows XP仮想マシンにインストールされているWord 2003とIE 6をWindows 7とシームレスに統合することができる。OSのライセンスを持っていれば、「Windows Vistaモード」や「Windows 7モード」の環境を作成することも可能だ

(Windows Server World)


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