【 ここから本文 】
- TOP
- > Topics : ネットワーク機器
- >
ネットワーク機器
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[米国]
【CES 2007】ビル・ゲイツ氏が語る「コネクテッド・ホーム」構想
(2007年01月09日)
マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏は1月7日、米国ラスベガスで開催中の「2007 International CES」で基調講演(オープニング・セレモニー)を行い、パーソナル化されたコンテンツをリアルタイムで提供するという同社のビジョンと、それを支えるWindows Vistaや新製品について語った。
マイクロソフトはかねてから、「コネクテッド・ホーム」と呼ばれる構想の実現を訴えてきた。この構想は、PC(最近ではセントラル・サーバ・ハブも登場している)に保存されているマルチメディア・コンテンツに各種のデバイスからアクセスしたり、そのコンテンツを共有したりできるようにするというものだが、現時点でこの構想の恩恵を部分的にせよ享受できるのは、この構想を熱心に支持している一部のIT企業や裕福な人々だけだ。
| コネクテッド・ホーム構想について語る米国マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏 |
しかし、7日の基調講演で、ゲイツ氏や同社エンターテインメント/デバイセズ部門の責任者であるロビー・バック氏は、マイクロソフトが近い将来、コネクテッド・ホームの恩恵を多くの人々に提供することを示そうとした。
ゲイツ氏は、講演の後半に行われたデモンストレーションを通じて、同氏が描く世界を提示した。その世界では、有益な情報をタッチ式のスクリーンやデバイスからリアルタイムで入手できる。例えば、スクリーンにもなる台所のカウンターに表示されたレシピを見たり、バスを待っている人がバス停のキオスクに表示される公共交通機関の情報を見たりといった具合だ。
ゲイツ氏は、マイクロソフトのコネクテッド・ホーム構想が単にネットワーク接続された世界の実現を目指すものではないとしたうえで、会場を埋めた聴講者にこう語りかけた。
「われわれが思い描いているのは、各種のデバイスを用いて、多くの人々とさまざまなことをしてみたいと思えるような環境だ。自動車に乗っているとき、自宅にいるとき、あるいは居間にいるときでも、自分の好きな音楽を聴きたい。しかも、簡単に聴けるようになってほしい。家族のスケジュールを見たり、電話やPCを使って簡単にスケジュールを更新したい。冷蔵庫の中身を調べたい。職場でも、家庭でも、みんなと連絡を取り合えるような体験がしたい。私は、『消費者』という言葉を使わない。こうした体験は、ビジネス環境にも広がっていくからだ」
ゲイツ氏は続けて、マイクロソフトと同社のパートナーが構想の実現に向けて製品を投入すると述べ、数年後には自分のビジョンが具現化するとの見方を示した。
ゲイツ氏がCESで基調講演を行うのは今回が9回目であり、来年も行う予定だという。しかし2008年以降、同氏は非常勤となり、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じた慈善事業に精力の大半をつぎ込むことになっている。そのため、CESでの講演は来年が最後になると思われる。
「来年以降、ここに招待されるかどうかはわからない。講演を行うにしても、すぐれたソフトウェアのことではなく、感染症の話になってしまうのではないか」とゲイツ氏は語り、聴講者の笑いを誘った。
ゲイツ氏が講演の主テーマとしたのは、大方の予想どおり、1月30日から一般消費者向けに出荷が開始されるVistaだった。同氏はVistaについて、「これまでで最も重要なWindowsのリリースであり、これまでで最も品質の高いリリースでもある。しかも、コネクテッド・ホームを実現するための基本的な製品だ」と語った。
その後、同氏はVistaの新機能を披露するとともに、マイクロソフトがフォックス・スポーツと新たな契約を締結したことも明らかにした。この契約により、VistaのユーザーはMedia Center機能を通して好きなスポーツ・イベントを追跡できるようになるという。
「Vistaの一部として提供されるWindows Media Centerを使えば、テレビに接続されたPCに保存されているコンテンツを利用したり、PCなどのデバイスを使ってTV用のコンテンツを用意したりすることができる」(ゲイツ氏)
今回の基調講演で披露されたもう1つの新機能は、「Xbox 360」のコントローラをVista PCに接続し、Xboxと同じ要領でナビゲーションするというものだ。会場に居合わせたVistaのベータ・テスターで、リーフ・ワイヤレスのCEO(最高経営責任者)でもあるブランドン・リー氏は、この機能を高く評価し、ライバルに差をつけることができるとの見方を示した。
マイクロソフトは今回、オンライン・ゲーム・サービス/コミュニティのXbox LiveとVistaとの統合機能についても明らかにした。それによると、Xbox LiveにアクセスしたVistaユーザーは、Xbox Liveユーザーとほぼ同じ体験をすることができるという。
| ゲイツ氏(右)と握手する米国マイクロソフト エンターテインメント/デバイセズ部門の責任者、ロビー・バック氏 |
一方、バック氏は、IPTV(Internet Protocol Television)を提供しているAT&Tなどのサービス・プロバイダーが、セットトップ・ボックスの代わりにXbox 360を提供すると発表した。これによりユーザーは、IPTVに対応する従来型のセットトップ・ボックスとXbox 360のいずれかを選べることになる。
これについては、IP接続デバイスとしても機能するXbox 360を使えばテレビやインターネットを利用できるというシナリオが提示されている。こうした動きは、ソフトウェアだけでなく、ホーム用のデジタル機器も提供するというマイクロソフトの将来像を示すものだ。
今回発表された「Windows Home Server」(従来は「Quattro」という開発コード名で呼ばれていた)も、各種のデバイスを使ってどこからでもデータにアクセスできるようにするというコネクテッド・ホーム構想の一翼を担うものだ。同サーバは一般消費者に直接販売されることはないが、ヒューレット・パッカード(HP)などのOEMベンダーが新しいハードウェアのベースとして採用することになっており、家庭内のVista PCを接続するために使われる。
ブロードバンド接続が可能で、インターネット接続機能をサポートする複数のコンピュータやデバイスを保有しているユーザーであれば、だれでもWindows Home Serverに保存されているデータにアクセスすることが可能だ。また、データ・セキュリティ機能を提供するとともに、毎晩自動的にデータのバックアップを行うことができるとされている。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)
- 米国マイクロソフト
- http://www.microsoft.com/
今年のCESで、業界のメインプレーヤーたちが提示した「コンピューティングの近未来」



