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[米国]
IEEE、Ethernetデバイスの電力効率を高める新技術の開発に着手

米国企業全体で年間4億5,000万ドルの電力コストを削減へ

(2007年02月05日)

 標準化団体のIEEEは、Ethernet接続が確立されていない、あるいは使用率の低いデバイスを省電力で動作させる技術の開発に乗り出している。成功すれば、大企業では電力コストの大幅削減につながる可能性がある。この取り組みの焦点は、接続速度を10Mbpsから10Gbpsまでの間でシームレスに切り替える方法を確立することにある。

 IEEEは最近、この方法の確立を模索する「Energy Efficient Ethernet(EEE)」スタディ・グループを設置した。IEEEの目標は、この方法によって、LANリンクが空いている場合や、その帯域が十分に使われていない場合に、デスクトップPCやノートPC(最近ではこれらのPCのほとんどがギガビットEthernet機能を備えている)の消費電力を節約することにある。

 研究者の推計では、こうした技術により、米国企業全体で年間に4億5,000万ドルの電力コストを削減できるという。

 EEEスタディ・グループは基本的に、Ethernetネットワークの使用可能な速度(10/100/1000Mbpsなど)を検知してリンクを確立する自動ネゴシエーション・プロセスの改良に取り組む。このプロセスをリアルタイムに行うようにすることが目標だ。

 この取り組みが実現すれば、例えば、ギガビットEthernet対応のノートPCが、通信を行っていない場合は、接続インタフェースを10Mbpsに切り替え、電子メールやWeb閲覧など、使用帯域が少ない通信を行う場合は100Mbpsに、大容量ファイルやストリーミング・ビデオをダウンロードする場合は1Gbpsに切り替えられるようになる。

 ローレンス・バークレー国立研究所のシニア・ネットワーク・エンジニアでEEEスタディ・グループの会長を務めるマイク・ベネット氏は、「目標を達成するには、多くの課題を克服しなければならない」と語る。

 大きな課題の1つは、PCのNIC(Network Interface Card)が接続速度をより高速に変更できるようにすることだ。ベネット氏は、「この切り替えを可能な限りシームレスに行えるようにするには、自動ネゴシエーションよりもケタ違いに速いスピードが要求される」とし、「自動ネゴシエーションは通常1〜4秒ほどで行われるが、われわれが目指しているのは、ミリ秒単位での切り替えだ」と強調する。

 もう1つの大きな課題は、そうした処理をリンクの両端で機能させる必要があることだ。リンクの一方の端のデバイスが速度を変更する場合、そのデバイスはフレームの転送を停止し、他方のデバイスに、速度を変更することを通知しなければならない。それを可能にするには、Ethernet製品のバッファリング・サイズを標準化する必要がある。

 「ベンダーによってデバイスの作り方が違う。バッファが大きいものも小さいものもある」(ベネット氏)

 IEEEと機器ベンダーがこうした課題をすべて解決することができれば、多数のPCやサーバ、デバイスを運用し、Ethernetポートが膨大な数に上る大企業では、大幅なコスト削減が可能になる。

 EEEスタディ・グループのミーティングでは、米国エネルギー省が実施した2002年の調査がよく引用される。同調査では、米国のオフィスで使われるエンタープライズIT機器の消費電力が年間97テラワットに達し、そのコストは年間約80億ドルに上ると推計されている。

 IEEEでは、この調査結果にネットワーク関連の消費電力コストを加味し、EEE技術によって年間4億5,000万ドルの削減が見込めると試算している。

 「米国内のすべてのEthernetポートが一気にEEEポートに変われば、少なくともそれだけの省電力効果を実現できるはずだ。われわれが試算した数字は決して誇張ではなく、合理的な計算に基づいている」と、ベネット氏は強調する。

 同氏によると、EEE技術の実現方法に関する議論は、まだ初期段階にあり、これまでに、Ethernetリンク・レイヤとその上位のレイヤで必要となる2つの概念が提示されているという。

 1つは、物理レイヤ接続(PHY)を目的の速度に変更する制御メカニズムで、PHYの速度を、10Base-T、100Base-TX、1000Base-T、10GBase-Tなどに対応して、ミリ秒単位で物理的に変更する方法を定義する。

 サウス・フロリダ大学のコンピュータ科学工学準教授、ケン・クリステンセン氏は、「これから取り組まなければならない問題は、PHYの速度を切り替えるメカニズムをどうするかだ」と指摘する。同氏はEEE研究の草分けの一人である。

 同氏は、デバイスがいつ速度を切り替えるかがもう1つの問題であり、それは制御ポリシーによって規定されることになるだろうと説明する。

 IEEEによる標準化の取り組みでは、PHYの速度の切り替えを制御する方法に重点が置かれるが、どのような場合に速度が切り替わるようにするかといったポリシーに関しては、ネットワーク機器ベンダーによって定義される可能性が高い。この問題を効果的に解決する方法を発見したベンダーは、それを競争の武器として生かせる可能性があるという。

(フィル・ホッホムート/Network World 米国版)




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