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【解説】
次世代仮想化プラットフォーム「Hyper-V」研究

サーバの仮想化はどう進化するのか!?

(2008年03月31日)

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プロセッサの仮想化支援機能が必須
ペアレントパーティションのシステム要件

 Hyper-Vは、プロセッサが備える仮想化支援機能を利用するため、システム要件としてはインテルVTまたはAMD-V、ハードウェアデータ実行防止機能をサポートするx64プロセッサ搭載マシンとなる。

 また、大容量メモリやより多くのプロセッサをサポートするため、ペアレント・パーティションには64ビットバージョンのWindows Server 2008が必須となる。32ビットバージョンのWindows Server 2008はサポートされない(サポート予定もない)。

 Hyper-Vは「Server Core」でもサポートされ、ペアレント・パーティションのリソース節約と安定性向上、セキュリティ向上を図り、仮想環境向けにハードウェアリソースを最大限に割り当てることが可能だ。

Virtual Serverのバーチャルマシンとの互換性は!?
ハイパーバイザ非対応OSにはレガシーデバイスで対応

 マイクロソフトは、現在、Virtual Server 2005 R2の仮想環境で使用しているバーチャルマシンのVHDを、Hyper-Vのバーチャルマシンに移行できることを約束している。つまり、Hyper-Vの登場を待たずとも、Virtual Server 2005 R2で仮想化を進めても既存資産はむだにならないということだ。

 既存のバーチャルマシンの移行のために、Hyper-V自身にインポート機能が用意されるのか、あるいは「System Center Virtual Machine Manager 2007」の次期バージョンである「R2」に、変換機能が用意されるのかは未定だが、少なくともVHDは完全な互換性があるので、現時点でも手動で移行することは条件付きながら可能だ。

 なお、Hyper-V Betaにはインポート/エクスポート機能が用意されているが、これはHyper-Vのサーバ間でバーチャルマシンの構成とVHDを移動するための機能のようだ。

 Virtual Server 2005 R2のバーチャルマシンの構成は、XMLベースのVMC(Virtual Machine Configuration)ファイルに格納されているが、こちらはHyper-Vとは互換性がない。手動で“受け皿”となるバーチャルマシンを作成し、既存のVHDファイルをアタッチするという手順になる。

 Hyper-V Betaでは、レガシー環境向けに、エミュレートされたネットワークアダプタを提供している(画面6)。また、Windows NT向けにプロセッサ機能を制限するオプションも用意されている。おそらく、レガシーなSCSIアダプタについても、今後対応してくれることに期待したい。

画面6● Hyper-V Betaでは、Windows Hypervisor非対応のレガシーOS向けに、Virtual PC/Severと同じ、DEC 21140 10/100MBイーサネットネットワークアダプタをエミュレートする「Legacy Network Adapter」を提供している。標準のネットワークアダプタとSCSIコントローラには、VMBusが必要

そのほかの新機能
一部の機能は次期リリースに持ち越し

 Windows Hypervisor、x64ゲストOSのサポート、マルチプロセッサゲストのサポート、大容量メモリのサポート、新しいI/OアーキテクチャのVMBus、これらはバーチャルマシンのパフォーマンスを向上させるHyper-Vの新機能になる。このほか、運用管理やリソース管理のための注目すべき新機能がいくつかある。

 「スナップショット」機能は、従来の「復元ディスク」機能に代わるロールバック機能を提供する。

 Virtual Server 2005 R2以前は復元ディスク機能により、バーチャルマシンを起動してからのディスクI/Oの差分をアンドゥディスクに保持することで、バーチャルマシンをすばやく起動時点の状態に戻すロールバック機能を提供していた。

 この機能は、システム構成を変更する際などに、失敗した場合にすぐ元に戻せるので便利だ。ただし、ロールバックできるポイントは1つだけだったので、さらに変更を確定するにはアンドゥディスクをVHDに結合するという処理が必要になった。差分が大きくなると、VHDへの結合処理にはさらに多くの時間を要することになる。

画面7● スナップショットは動的に複数のチェックポイントを設け、任意のチェックポイントにロールバックすることを可能にする復元ディスクに代わる機能

 新しいスナップショット機能では、オンラインのままいつでも、何度でもチェックポイントの作成できるようになる(画面7)。バーチャルマシンで問題が発生した場合は、任意のチェックポイントまで戻すことが可能だ。

 また、スナップショット適用前に、再度スナップショットを作成できるので、いったんロールバックしてから、再びロールフォーワードすることも可能だ。

 また、仮想ネットワーク機能では、新たにVLANの識別子がサポートされる(画面8)。これにより、レイヤ2スイッチと組み合わせることで、同じ物理ネットワークに接続しながら、バーチャルマシンのネットワークをグループ化したり、トラフィックを切り離したりすることが可能になる。

画面8● VLANのサポートにより、バーチャルネットワークごとに、異なるVLAN IDを設定することが可能になる

 このほか、ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)と連動したライブバックアップ機能、バーチャルマシンの監視・管理のためのWMI(Windows Management Instrumentation)インタフェース、プロセッサとネットワークの最大値・最小値・相対値ベースでのリソース管理、オフラインでのVHDへのアクセス、メモリの有効活用のためのページシェアリング、メモリリザーブ機能などがサポートされる予定だ。

 なお、Hyper-Vの当初の計画では、オンラインのままバーチャルマシンのインスタンスを別の物理コンピュータに移動できる「ライブマイグレーション」機能、メモリやストレージ、プロセッサ、ネットワークアダプタのオンラインでの拡張を可能にする「仮想リソースのホットアド」機能が搭載される予定であったが、これらの機能はHyper-Vの初期バージョンへの実装は見送られ、将来のバージョンで実装されることになった。

(Windows Server World 編集部) 


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