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[米国]
アップル、省電力CPUベンダーのPAセミを買収――UMPC参入への布石?

「非インテルCPUで差別化を図るのが狙い」とアナリスト

(2008年04月24日)

 米国Appleがファブレス半導体メーカーの米国PA Semiを買収したと、米国の経済誌Forbesが4月23日に報じた。今回の買収に詳しい人物から得られた情報によると、AppleによるPA Semiの買収額は現金で2億7,800万ドルだという。

 PA Semiは、Powerアーキテクチャのライセンス供与をIBMから受けており、同アーキテクチャに基づいて設計した低消費電力型のプロセッサを製造している。そのため、同社のプロセッサはAppleが以前使用していたPower PCチップとソフトウェア上の互換性がある。

 PA Semiの創業は2003年で、従業員数は約150名。創業者の1人であるダン・ドバーパル(Dan Dobberpuhl)氏は、DEC(現Hewlett-Packard)に在籍中、Alphaプロセッサの設計に使われた「T11」など多数のプロセッサの開発を率いてきた人物だ。

PA Semiが昨年2月に発表したデュアルコア・プロセッサ「PA6T-1682M PWRficient」

 PA Semiは昨年2月、ネットワーク/ストレージ機器や電話通信インフラなどの組み込みシステム向けデュアルコア・プロセッサ「PA6T-1682M PWRficient」をリリースした。同製品は既存のプロセッサと比べて、同じ消費電力で4倍の性能を発揮できるという。

 今回の買収に関してヨーロッパのApple代理人にコメントを求めたが、不在だった。しかし、この買収によりAppleが今後どう動くのかをある程度予測することはできると、米国の市場調査会社Gartnerのリサーチ・ディレクター、アラン・ブラウン(Alan Brown)氏は語る。

 Appleはおそらく、PA Semi製のプロセッサを利用したウルトラモバイルPC(UMPC)を製造する――これがBrown氏の見方だ。その一方で同氏は、PA Semiの技術が「iPhone」に将来採用される可能性は低いと言う。iPhoneに採用されているARMプロセッサと比べ、PA Semiのプロセッサは消費電力が高いというのが、その理由だ。

 AppleがMac用のプロセッサをIntel製に切り替えた大きな理由は、熱の拡散性だ。Appleが以前使用していたモバイル用Power PCプロセッサは、発熱によるパフォーマンス低下という問題を抱えていた。一方、Intelのモバイル・プロセッサは発熱問題を起こすことなく、より高い性能を発揮できる。

 もっとも、AppleとIntelの提携関係が今後も続くかどうかは、AppleがPA Semiを買収したことで、より不透明になった。Appleは別のプロセッサを使用することで、UMPC市場における差別化を狙っていると、Brown氏はみている。

 「AppleはPA Semiに、Intelにはない何かを見いだしたのだと思う。もしくは、(PA Semiが持つ人材などの)知的財産を獲得するほうが、コストが低く抑えられると判断したのではないか」(Brown氏)

 AppleはMac OS Xの開発と平行して、Intel製プロセッサへの切り替えも行った。ただし同社は現在も、Mac OS Xをはじめとするソフトウェアを、x86用だけでなくPower PCベースのMac用に提供している。両方のプラットフォームに対応したソフトウェアは「ユニバーサル・バイナリ」と呼ばれている。

 この件に関しては、PA Semiのオーナーである米国の投資ファンド・グループの1社、Bessemer Venture Partnersもコメントを拒否している。

(Mikael Ricknas/IDG News Serviceストックホルム支局)




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