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[米国] 【IT Forum 2008】
マイクロソフトの顧客を悩ます、仮想化環境でのソフトウェア・ライセンス

ライセンス条件から逃れる手だてはなし。ただし保守契約などでコスト節減が可能に

(2008年05月28日)

 「たとえ物理サーバを複数の仮想マシンに切り分けたとしても、そこで稼働するMicrosoft製ソフトウェアのライセンス条件から逃れる手だてはない」――米国のIT市場調査会社Forrester Researchのアナリストが5月23日、同社主催のフォーラムでこう語った。

 5月20日から23日までの4日間、ラスベガスでForrester主催の「IT Forum 2008」が開催された。セッションの1つである「Microsoft Licensing in a Virtual World」では、Forresterのクリストファー・ヴォーチェ(Christopher Voce)氏がスピーカーを務めた。

 マイクロソフトの顧客にとって、仮想化環境におけるソフトウェア・ライセンスは悩みの1つだ。ソフトウェアが仮想マシンで稼働しているからといって、ライセンス条件が大きく変わるわけではないからである。「Microsoftのソフトウェアから何らかの恩恵を受けているのであれば、その恩恵が物理マシンと仮想マシンのどちらに対してであれ、ライセンスが必要だ。テクノロジーを駆使してライセンス・コストを節減しようとしても無駄である」(Voce氏)

 とはいえ、いかなる手段を使ってでもコスト節減を図ろうとする顧客はいる。米国Burton Groupが最近発表したリポートによると、仮想マシン上でアプリケーションが稼働していることを意図的に隠したり、サポートに電話する前に仮想マシンを物理サーバにクローニングして制約条件を回避したりするケースが目立つという。

 Voce氏は、ライセンス条件を技術面から避ける方法はないと前置きしつつ、Microsoftとの契約内容を詳しく精査することでコスト節減は可能だとアドバイスする。

 例えば、Windows Server 2008には数とおりのエディションがあり、エディションごとにライセンス条件が異なってくる。Voce氏によると、Standardエディションはライセンス当たり1つの仮想マシンを利用できる。またEnterpriseエディションはライセンス当たり4つの仮想マシン、Datacenterエディションはプロセッサの数に応じて決まる。このうち、最も安く済むのは、Datacenterエディションでサーバ当たり10〜20の仮想マシンを運用するケースだという。

 Voce氏は顧客に対し、サーバの仮想化/統合プランを立てるとの同時に、Windows Serverのライセンス・プランも新たに検討するよう勧めている。「ソフトウェア・ライセンスの交渉担当者と仮想サーバの導入担当者は異なることが多い。サーバ仮想化に向け新しいソフトウェア・ライセンスについてMicrosoftと交渉するときは、Microsoft側の窓口を一本化してもらい、もっと有利な乗り換え条件を出すよう強く働きかけるとよい」(同氏)

 Voce氏はまた、Microsoftの保守プログラム「Software Assurance」についても検討するようアドバイスする。同プログラムを契約すれば、複数年の分割払いで支払えるうえ、無料でのアップグレードも受けられ、仮想化環境に大変有利だと、同氏は説明する。デスクトップを仮想化する場合でも、同プログラムの下では、追加ライセンスを取得しなくても自宅とオフィスの両方で作業できるという。

 顧客の不満はあるものの、仮想化のライセンス条件については、Microsoftは比較的緩いほうだ。Burtonは前出の調査リポートで、仮想化に有利なライセンス条件を提示しているソフトウェア・ベンダーとして、Microsoftのほかに、Hewlett-Packard(HP)、Opsware、Sun Microsystems、Symantecの4社を挙げている。

 「Windows Server 2003については、仮想マシンを物理サーバから別の物理サーバに移すときだけライセンスの移行が必要となる。だが、それ以外の点では、Microsoftは全体として良好なライセンス条件を提供している」(Burtonのリポート)

 ただし、仮想マシンで稼働するミドルウェア製品のライセンスについては、Microsoftにはまだまだ改善の余地がある。Microsoftの「Exchange Server 2007」と「SQL Server 2005」を使っているユーザーの場合、90日当たり1回しか物理サーバ間で仮想マシンを移動できないという。

 Burtonのアナリストらは、懲罰的なライセンス条件がサーバ仮想化の普及に水を差しかねないとリポートの中で指摘している。ベンダー各社が定めている懲罰的なライセンス条項としては、「特定の仮想化ハイパーバイザしかサポートしない」というものから、「決められたハードウェア・コンポーネントにライセンスを縛りつける」「ディザスタ・リカバリ目的で仮想マシンのオフライン・コピーを作成した顧客に違約金を科す」というものまでさまざまだ。

 米国Epicorの製品マーケティング担当バイスプレジデント、ジェームズ・ノーウッド(James Norwood)氏は、同社の顧客はもっと緩いライセンス条件をMicrosoftに望んでいると話す。「それが当社の顧客の願いだ。EpicorはMicrosoftのパートナーだが、どの顧客もVMwareに多額の投資をしており、ライセンス条件が緩和されないかぎり(Hyper-Vの)採用は難しい状況だ」(Norwood氏)

 同セッションとは別に行われたパネル・ディスカッションには、Microsoftのライセンス/価格担当ジェネラル・マネジャー、ジェイソン・カップ(Jason Kap)氏も姿を見せ、同社のライセンス体系に問題はないとの認識を示した。「われわれとしては、仮想環境に移行する顧客から騙されるような事態にはなりたくない。ハードウェアでなく仮想マシンで利用しても、顧客にとってアプリケーションの価値に変わりはないはずだ」(Kap氏)

(Jon Brodkin/Network World米国版)




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