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【解説】
IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[前編:25〜11位]
「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち
(2008年07月12日)
23位
ARCアーカイバ
もしライバル企業があなたの書いたコードを勝手にコピーして、あなたが作ったソフトウェアの改良版をリリースしたら、あなたはどう反撃するか。裁判所に訴えて、相手をたたきつぶすのも1つの手である。1980年代、フィル・カッツ(Phil Katz)氏がSystem Enhancement Associates(SEA)のアーカイブ・プログラム「ARC」のクローン製品を公開したとき、SEAが取った行動がまさしくこれだった。
Katz氏によって書き直されたARCのクローンは、オリジナルのARCよりも高速に動作したと言われている。しかしKatz氏は、SEAの製品からソースコードを盗用したとしてSEAに訴えられ、敗訴してしまう。
Katz氏の敗訴は多くのユーザーを落胆させた。彼らの目には、Katz氏のすぐれたソフトウェアにSEAが不当な圧力をかけているように映ったからだ。その後、新規に開発した「ZIP」をKatz氏が発表すると、ARCのユーザーはこぞってZIPに乗り換えた。その結果、SEAのビジネスは頓挫したのである。
22位
OpenDoc
Cocoa/Carbon APIがMac OS Xアプリケーション開発者の熱狂的支持を集めるはるか以前、Appleはもう1つの画期的なプログラミング技術に力を注いでいた。軽量かつモジュール型のコンポーネントを用いてアプリケーションを開発できるようにする、OpenDocと呼ばれる技術がそれだ。
OpenDocの考え方に従えば、例えばワープロ・ソフトは複数のモジュールの集まりにすぎなくなる。つまり、テキスト・エディタやスペル・チェッカー、ファイル・マネージャなどの集合体がワープロだというわけだ。OpenDocはこのような発想の下、適切なモジュールを組み合わせることでアプリケーションを開発できるようにしようとしたのである。
しかし、残念ながらこの技術が普及することはなかった。結局のところ、ほとんどのアプリケーションは、Appleが考えるほど単純にモジュール化されているわけではなかったのだ。また、軽量とされたコンポーネントも、その名前とは裏腹に大量のメモリを消費することがあとになって判明した。結局、OpenDocは登場からわずか5年ほどで姿を消すことになった。
21位
プッシュ技術
1992年創業のPointCastが発案したアイデアは、確かに画期的だった。ユーザーがWebサイトをブラウズすることなく情報をリアルタイムで受け取れるよう、株価情報やニュース見出しなどをデスクトップに直接配信(プッシュ配信)するというのがそれだった。PointCastのあとを追って、同様のサービスを提供する企業が数多く現れたのは言うまでもない。
しかし、回線速度が限られていた当時のインターネット環境にプッシュ技術が与える影響を、残念ながらだれも予見できなかった。しばらくすると、企業のネットワーク担当マネジャーはPointCastクライアントの使用を禁止し、モデム接続の一般ユーザーは情報と一緒に送られてくる広告に閉口して、PointCastを使用するのをやめてしまった。
一時はNews Corpから4億5,000万ドルで買収提案を受けるほど勢いがあったPointCastだが、ブームが去ったその2年後、わずか1,000万ドルで売却されている。
20位
Copland
失敗は取り返すこともできる──現在のMac OS X がすばらしいOSに仕上がっているのを見れば、この言葉の正しさは明らかであろう。だが、もしAppleが予定どおり1995年にCoplandという開発コード名の次世代OSをリリースしていたら、はたしてMac OSはどこまで進化していただろうか。
Coplandは、Mac OSの正統な後継となるはずだったOSである(画面2)。しかし、Apple社内の政治的内紛が数年にわたって続いたことで、その開発は迷走状態に陥った。有能な人材を多数抱えていたにもかかわらず、最終的にAppleは、独力で新Mac OSを作り上げることは不可能だと判断した。
Appleは1996年にスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏のNeXTを買収し、そのNeXTのOSをベースに開発したMac OS Xを1999年にリリースした。NeXT買収のおよそ10年前、政治的内紛の果てにAppleを追われたJobs氏が、このような形で同社を救うことになるとは皮肉な話である。
| 画面2:Coplandのデスクトップ画面。Apple社内の政治的内紛に巻き込まれ、結局開発は中止された |
【解説】IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[後編:10〜1位]


「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち
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