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[世界]
マイクロソフト、XPの出荷打ち切りを来年6月末まで延期

新興国向け低価格バージョンの出荷は2010年1月30日まで

(2007年10月01日)

 米国マイクロソフトは9月27日、Windows XPの出荷を2008年6月30日まで継続すると発表した。当初同社は、Windows Vistaへの移行を促すため、2008年1月30日でXPの出荷を打ち切るとの意向を示していたが、企業ユーザーの強い反発を受け、5カ月間延長することになった。

 また同社は、アジアや南米などの新興市場をターゲットにしたWindows XP Starter Editionの出荷も、2010年1月30日まで続けることを明らかにした。

 調査会社IDCのアナリスト、アル・ギレン氏は、「マイクロソフトは、自社の方針と顧客の意向(XPの使用継続)が一致しておらず、方針を変更しなければ、顧客の反発を買うことになると気づいた」と指摘する。

 ギレン氏は、アプリケーションの互換性やVPNのサポート、稼働させるのに必要なハードウェアの要件など、Vistaにまつわる技術的な問題だけが不満の原因ではなく、企業、とりわけ中小規模の企業で移行の準備が出来ていなかったり、その意思がなかったりするという事情も背景にあると分析している。

 「企業や団体が2種類のクライアントOSを使いたいと思うだろうか。答えはノーだ。だれでも、可能な限りそうした事態を避けたいと考える」(同氏)

 ウォーカー・インフォメーションがITサービス/製品販売大手CDWの委託を受けて今年5月に実施した調査によると、Vistaの製品評価や導入作業を開始しているユーザーは増えているものの、パフォーマンスやパッチ対応、ハードウェアの要求条件など、これまで明らかになった問題に対する懸念も強まっているという。

 ギレン氏は、今年出荷されるVistaのうち、XPにダウングレードされることなく使用されるのは4分の1から3分の1程度にすぎないと見ている。「これが一般的な顧客の対応であり、今新しいPCを導入する企業ユーザーの大半は、まずXPを使おうとする。組織全体としてまだVistaに移行していないからだ」

 ちなみに、Vistaのライセンス規約では、新しいデスクトップPCを導入した時点でXPに「ダウングレード」し、準備が整った時点でVistaにアップグレードする権利が認められている。

 OSの移行に際しては、どうしても一定期間、2種類のOSを並行稼働させる必要があり、その間は、2種類のOSの管理やパッチ対応、講習などが必要になる。

 ギレン氏は、「どちらかといえば、Vista出荷後12カ月間の実績に関するマイクロソフトの見通しはあまりにも楽観的だった。同社はいつも楽観的すぎる」と指摘する。

 マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマー氏は今年4月、シティグループが50万台のPCをVistaにアップグレードする予定であると発表した。また同社は7月、Vistaの累計出荷本数が6,000万本になったと発表したが、これらの発表は、Vistaの普及拡大を誇示するために計画された広報活動の一環だと見られている(関連記事)。

 同社COOのケビン・ターナー氏は、同じく7月、金融アナリストを前に、「われわれの計算では、出荷後5週間でアップルの全インストール・ベースに相当するシステムがVistaに移行したことになる」と説明した。

 同氏は、顧客がライセンスを購入しようとしているのは、Vistaの導入を検討しているからにほかならないと強調する。しかし、IDCのギレン氏は、Vistaのライセンスを購入することと、それをロールアウトすることとはまったく別の話だと指摘する。

 マイクロソフトのWindows製品管理担当コーポレート・バイスプレジデント、マイク・ナッシュ氏は9月27日、同社のWebサイトに次ぎのようなコメントを掲載し、当初の見通しが甘かったことを認めた。

 「これまで当社のOSの大半は、新バージョン投入後もおよそ2年間は出荷されていた。したがって、Windows Vistaリリース後わずか1年でWindows XPを出荷する必要がなくなると考えたのは少し楽観的だったかもしれない」

 しかしそのナッシュ氏も、前日に行われたマイクロソフトの開発者向けWebサイト「Channel 9」でのインタビューで、Vistaへの移行に疑問の声が出ている原因の一端は、「XPを懐かしがるノスタルジックなユーザーにある」と発言していた。

(ジョン・フォンタナ/Network World 米国版)




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