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オープンソース

【解説】
岐路に立つ、定番のオープンソースIDE「Eclipse」

同Foundationは肥大化を抑えたい意向だが、現状肯定派のユーザーも多数

(2008年04月07日)

Eclipseの「機能削減版」は登場するか

 Milinkovich氏のこうした発言の一方で、Eclipse Foundationは、Eclipseの肥大化を抑えようと計画している。3月に開催された技術コンファレンス「EclipseCon 2008」で、同団体幹部で、Eclipse Test&Performance Tools Platform(TPTP)プロジェクトのリーダーを務めるオリバー・コール(Oliver Cole)氏は、Eclipseプラットフォームについて、機能削減により縮小するのが妥当ではないかとの見解を示した(関連記事)。

 「今のEclipseは肥大化して扱いにくいIDEだ。使っていて困るのは、必要としている機能がなかなか見つからないことだ」(Cole氏)

 その後、Cole氏はInfoWorld米国版の取材に対し、電子メールで次のように回答した。「Eclipseの一部のプロジェクトがなくなるのは避けられないし、そうであってしかるべきだ。私が前に述べた理由からだ。これは恐れるべきことではなく、Eclipseの成熟の証しとして受け入れるべきことだ。現時点では、どのプロジェクトが打ち切りになるか私にはわからない。だが、2010年のEclipseの活動プロジェクトリストでは、現在のプロジェクトの一部が消えていることだろう」

 さらにCole氏は、Eclipse全体が1つのIDEと考えられているのであれば、そのIDEは大きすぎると強調した。

 実際、Eclipseは拡張に次ぐ拡張を重ねており、Data Tools Platform、Device Software Development Platform、Voice Tools Projectといったプロジェクトやサブプロジェクトが続々と追加されてきた。しかし、Milinkovich氏は、Eclipse自体が手に負えなくなっているとは考えていない。

 そんなCole氏も、2010年にリリースが予定されている次期メジャー・バージョン「Eclipse 4.0(e4)」では、より小さくて軽量なIDEフレームワークが実現されることを期待している。「このバージョンアップは改良のチャンスだ」(同氏)

ユーザー企業からの根強い支持

 一方、Eclipseを使い込むユーザー企業の開発者たちからは、現状のEclipseを肯定する意見が多く挙げられている。米国LinkedInのシニア・ソフトウェア・エンジニア、アイシェイ・スミス(Eishay Smith)氏は、Eclipseの機能を削ることに反対の意を表している。「Eclipseを縮小しようというのは、Eclipseを日々使っているプログラマーの意見ではない。Eclipseの重要なメリットの1つは、そのベースとなっているOSGiフレームワークが提供するモジュール性だ。Eclipseは複数のモジュールに分割できる」

 Smith氏はこう付け加えた。「Eclipseではこのモジュール性のおかげで、非常に小さくて軽いコアを用意し、機能を追加することでアプリケーションを作成するリッチ・クライアント・プラットフォーム・モデルが成立している。Eclipse IDEもモジュール・セットの1つだ。機能を減らしたければ、そのコンポーネントを削除すればよいのだ」

 フィンランドのNokiaのエンジニア、ミカ・アンダーソン(Mikka Andersson)氏も現状肯定派だ。「私はいつもEclipse IDEを使っている。本当にすぐれたプラットフォームであり、特に拡張性がすばらしい。社内の開発者に、Visual Studioの代わりにEclipseを広く利用するよう呼びかけている」と同氏は語った。

 米国eBayのPayPal部門プリンシパル・テクニカル・ライター、ゲーリー・マキュー(Gary McCue)氏は、「私は基本的に、使いやすいJava環境を手に入れるためにEclipseを利用している。Eclipseは私にとってこの目的を満たしている」と述べ、今のEclipseに不満を持っていないとした。

 米国General Motors(GM)のソフトウェア開発者、リッチ・シャップバック(Rich Schupbach)氏によると、同社がEclipseを採用しているのは、要求分析、設計、テストなど設計プロセス全体が統合されているからだという。それを可能にしているのはアドオン・モジュールだ。「私はEMF(Eclipse Modeling Framework)に最も関心がある。なぜなら、当社はソフトウェア設計作業の多くでモデリングを積極的に利用しているからだ」(Schupbach氏)


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