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オープンソース

【解説】
「KVM」――Linux標準の仮想化機能の得意領域を知る

Linuxカーネルに統合された仮想マシン環境

(2008年07月07日)

完全仮想化に特化した軽量なモジュール

 KVMでは独立したハイパーバイザが存在せず、Linuxカーネルの1モジュールとして実装される。また、追加されるコードも1万2,000行程度とXenなどに比べて非常に短いのが特徴だ。なお、メモリ管理やCPUスケジューラなど、通常のハイパーバイザとカーネルのどちらにも必要な機能は、Linuxカーネルのものがそのまま利用される仕組みになっている。

 このように、KVMはカーネルに対する変更が小さくて済むこともあって、Linuxカーネル開発者の間では非常に早く受け入れられた。

 また、準仮想化に特化して開発されたXenとは対象的に、完全仮想化に特化しているのもKVMの特徴の1つだ。「完全仮想化+パラドライバ」というKVMの構成は、VMwareの構成に近いと言える。

 一方、KVMのハードウェア・エミュレーション層では、実績あるQemuのエミュレーション機能を利用する。そのため、登場から間もない新しい実装であるにもかかわらず、KVMで提供される仮想ハードウェア環境の仕様は比較的安定していると言える。

シンプルなシステム構成で既存機能の利用も可能

 前述したように、KVMは独立したハイパーバイザを提供するのではなく、Linuxカーネルにハイパーバイザ機能を追加する。こうした構成には、ハイパーバイザが存在するシステムと比べてシステム構成が単純になる、Linuxの既存機能を利用できるといったメリットがある。

 例えば、KVMによる仮想化環境では、ホストとなるLinuxカーネルが対応している各種デバイスの機能(省電力機能やUSBなど)をそのまま利用することが可能だ。また、通常の仮想化環境では、仮想マシンを管理するためのツールを新しく用意しなければならないが、KVMによる仮想化環境では、仮想マシンを単なるユーザー・プロセスとして扱えるので、従来のLinux管理ノウハウを生かすことができる。例えば、仮想マシンを強制終了したいときにはkillコマンドで終了できるなど、すでにUNIXに馴染んでいる管理者であれば導入は非常に簡単と言えるだろう。

 管理ツールとしては、Qemu関連のツールをほとんど変更なしで利用できるため、最低限必要なものはすでにそろっているが、レッドハットでは、KVMだけでなくXenやQemuなど、複数の仮想化環境の管理用API統一を目的にFedoraプロジェクトが開発中の「libvirt」ライブラリをベースに、各種管理ツールの開発を進めている。


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