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オープンソース

【解説】
IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[前編:25〜11位]

「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち

(2008年07月12日)

19位
GNU Hurd

写真2:GNU Projectの創設者、Richard Stallman氏。現在、Free Software Foundation(FSF)の会長を務めている

 リチャード・ストールマン(Richard Stallman)氏(写真2)が1983年に立ち上げたGNU Projectは、当初からフリーのOSの開発を目的としていた。カーネル、ツール、ユーティリティ、アプリケーション、ドキュメントなどをすべてそろえることを目指していたのだ。

 同氏の賢明さを表しているのは、OSの根本部分を後回しにしたことだ。それゆえ、プロジェクトの立ち上げから約25年が経過した今でも、依然としてGNUカーネルは登場していない。

 GNU Machマイクロカーネル上で動作する「GNU Hurd」は、フリー・ソフトウェア・ムーブメントの最大の成果となるべき存在だったが、現在では失敗したソフトウェア開発プロジェクトの象徴として、毎年のように“ベーパーウェア”(発表されながらも、なかなか実物が提供されないソフトウェア)ランキングの上位に名を連ねている。だれでも使えるフリーのOSカーネルがもたらす恩恵は小さくないだけに、こうした現状は非常に残念だ。

18位
Oracle Raw Iron

 データベース・サーバに最も適したOSは何だろうか。Windows、Linux、AIX、あるいはそれ以外のOSだろうか。1998年にOracleが出した答えは、そのいずれでもなかった。

 この年、同社CEOのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏は、OSがインストールされていないサーバ・ハードウェア上で動作するアプライアンス版Oracle8iを発表した。「Raw Iron」の開発コード名を持つ同データベースは、すべての面倒をOracle側が見ることから、顧客はOSベンダーと別途サポート契約を結ぶ必要がなくなるという触れ込みだった。

 試作品のRaw Ironではカスタム版のSolarisが動作していたが、それは結局どうでもいいことであった。顧客はEllison氏がRaw Ironについて詳しく説明しないことの真意を見抜いていたのである。結局、このプロジェクトはさほど関心を集めることなく、いつの間にか立ち消えとなった。ネットワーク・アプライアンス市場が立ち上がるわずか数年前のことである。

17位
B2B型eコマース

 2000年代の初めにドットコム・バブルが弾けると、ベンチャー・キャピタリストは最後の賭けに出た。投資先の新興eコマース企業がコンシューマー相手に利益を上げることができないのなら、既存企業を相手にしてはどうかと考えたのである。彼らはこれを“B2B(企業間)型eコマース”と呼び、デジタルの世界でも“中抜き”をしようと試みる動きが生まれた。

 しかし、潜在的な顧客の多くは中間業者を排除することにさほど興味を示さなかった。わずかな営業スタッフしか持たず在庫管理の経験もほとんどない新興オンライン企業との取引だけのために、わざわざそのようなことをする必要はなかったのだ。

 ただしそれでも、そうした新興企業に引き合いが相次いだこともあった。皮肉にも、彼らが資産を競売にかけたときである。

16位
Apple Newton

写真3:1993年に発表されたNewton MessagePad。完成度は高かったが、PDAとしては大きすぎた

 「iPhone」のはるか以前に登場したAppleの「Newton」は、多少の手を加えるだけで、それ以降のいかなるPDAにも対抗できるだけの魅力を備えていた。いまだにNewton OSを懐かしく思う熱狂的なマニアも多く、毎年Macworld Expoの時期には新しいPDAが発表されるとのうわさがささやかれるほどだ。

 しかし残念ながら、Newtonシリーズは成功を収めるまでには至らなかった。1993年に登場した「Newton MessagePad」は、PDAとしては大きすぎるうえ、バッテリ寿命も非常に短かった(写真3)。PalmやWindows系PDAメーカーがポケット・サイズのデバイスを市場に投入するなか、1997年に登場した「Newton eMate 300」も、フルサイズのキーボードを備えた無骨なクラムシェル型のデバイスだった。結局、この分野でのAppleの損失は膨らむ一方となり、同社は市場から撤退することになる。

 Newtonがこのような形で姿を消したのは残念なことだ。iPhoneやiPod touchにしても、ソフトウェアをいくらか改良すれば、ビジネス市場で勝負できるはずである。しかし、Newtonが残した傷跡の大きさを考えると、Jobs氏にそれを提案するのは、(本サイト以外には)なかなか難しいかもしれない。


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