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[米国]
【LinuxWorld San Francisco 2008】
「業務オープンソース・アプリの普及の遅さにいらだつ」――IBMのOSS事業幹部
原因の1つとして、増えすぎたライセンス方式を指摘
(2008年08月08日)
「特定業界向けの業務アプリケーションに関しては、オープンソース・ソフトウェア(OSS)はあまり普及しないかもしれない。次の10年がこの分野におけるOSSの正念場になるだろう」――。米国IBMのOSS推進者、Bob Sutor(ボブ・スーター)氏は8月6日、米国サンフランシスコで開催中のLinuxWorld Expo&Conference 2008の基調演説でそう語った。IBMのLinuxへのコミットから10年の節目にあたっての、同社の一連の10年予測の1つである。
現在、オープンソース/標準担当バイスプレジデントの職にあるSutor氏は、これまでのところ特定産業向けに作成されたOSSはほとんど存在しないとして、「私はもう、待つことにうんざりしてきている」と本音を漏らした。「うまくいくのか、いかないのか、どちらかだ」(同氏)
| IBMのSutor氏は、成功しそうな特定業界向けOSSの1つとして、オープンソースのコラボレーション/学習ソフトウェア「Sakai」の名を挙げた |
Sutor氏いわく、多くの企業では「Firefox」に代表される汎用的なアプリケーションは使っているが、特定産業向けのLinuxアプリケーションを使っているようなところはほとんどないそうだ。公共部門、特に教育分野に関しては、「Sakai」のようなコラボレーション/学習ソフトウェアの存在もあってかすかな望みがあるが、他の業務分野では、オープンソースが支持を得るのに長い時間がかかるか、まったく支持を得られない可能性があるという。
「会場の皆さんは、いずれすべてのソフトウェアがフリー・ソフトウェアもしくはOSSになる日が来ると信じているかもしれない。だが、それは明日ではないし、おそらく来年でもないし、おそらく10年後でもない」(Sutor氏)
Sutor氏は、企業で一部のOSS採用が進まない要因の1つに、ライセンス方式の多様化を挙げた。「OSSを用いる準備ができていると顧客が言うとき、彼らが想定しているのは、今、OSS業界で多く採用されているライセンス方式ではないのだ」と同氏。現在、ソフトウェアの使用の法的な側面にさまざまな変更を加える動きが進んでいるが、それは顧客には受け入れがたいことだ、と同氏は強調した。
「現在、OSI(Open Source Initiative)によって承認されたオープンソースのライセンス方式は約60もある。その中で幸いにしてオープンソース・プロジェクトの約90%で使われているのは、そのうち一握りのライセンス方式だけだ」とSutor氏。そうした主なライセンス方式には、Apache、Eclipse、Mozilla、GPL(General Public License)、Lesser GPLが含まれる。次の10年間には、これらがさらに洗練されていき、異なるタイプのライセンス方式を作り上げようという動きは減るに違いない、とSutor氏は見解を述べた。
Sutor氏はLinuxの将来についても言及した。このOSプラットフォームは、今では多種多様なデバイスに対応し、クラウド・コンピューティング、SaaS(Software as a Service)などのさまざまなインターネット・ベースのサービスの基盤にも採用されるようになりつつある。今後は、デスクトップPC用のOSや、x86プロセッサ・プラットフォーム用のOSといった見方はほとんどされなくなるだろう――このような予測を同氏は示した。「Linuxははるかに広範に利用されるようになるかもしれないが、そうなっても気づかないだろう。なぜなら、もはや当たり前の存在だからだ」(Sutor氏)
(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
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