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[米国]
「レッドハットのシェアはまだ小さい」――ホワイトハーストCEOが市場拡大を宣言

不得意業界への注力やISV/SIerとの協業など具体的な施策を語る

(2008年10月08日)

 米国Red Hatの社長兼CEO、ジム・ホワイトハースト(Jim Whitehurst)氏は10月7日、アナリストとの会見で、同社の主要な顧客である金融業界が大きな打撃を受けるなか、同社が特定業界向けの市場を超えてビジネスを展開し、Linuxの普及を拡大していくことが重要になるとの見方を示した。

米国Red Hatの社長兼CEO、ジム・ホワイトハースト氏

 ホワイトハースト氏は、ニューヨークで開催したアナリスト向けイベントで、競合に対する優位を確保するためにITを利用しているユーザー企業の間では好業績を挙げているものの、最新技術に対する関心の低い平均的な企業については未開拓の領域であると認めた。

 Red Hatは、金融企業や大手映画スタジオなど、自社のビジネスを伸ばす手段としてITを活用している企業群において高い市場シェアを有している。しかし、このような企業は、全体のごく一部であり、エンタープライズ市場の本流へと事業を拡大していくには、商業面での能力を確実に高めていく必要がある」(ホワイトハースト氏)という。

 同氏によると、今のRed Hatに求められているのは、ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)や大手SIerとの協力関係を維持し、主力製品のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)がWindowsと効果的に競えるようにするための能力だという。

 ホワイトハースト氏は、同社の主戦場であるITインフラ市場におけるビジネス・チャンスは2,000億ドルに達するという米国の市場調査会社IDCの数字を引用したうえで、自社がおよそ500億ドルという「小さなシェア」しか確保できていないとの認識を示した。

 RHELをいち早く導入した金融業界は、周知のように現在、米国を震源とする深刻な経済危機の渦中にあるが、これまでのところ同社はあまり大きな影響を受けていない。この点についてホワイトハースト氏は、サブスクリプション・ベースのオープンソース・ソフトウェア・ビジネス・モデルのおかげとの見方を示した。「当社が採用しているのは、経済的にすぐれた開発モデルであり、企業にとっても受け入れ可能なものである。われわれが数年前から導入しているこのモデルを、他社はまねることができない」(同氏)

 サブスクリプション・モデルなら、新たな会計年度の収益も会計帳簿に記載できるため、実情に即した成長見通しを立てることもできる。ホワイトハースト氏は、前職がDelta AirlinesのCOO(最高執行責任者)で、2007年12月、長期にわたってRed Hatを率いてきたマット・ズーリック(Matt Szulik)氏が健康上の理由で辞任したのを受けてCEOに就任した人物だ。今回のイベントでは、ホワイトハースト氏にとって就任後初めてとなるアナリストとの会見がセッティングされた。この会見で同氏は、エンタープライズ市場と並ぶ有望な市場として、Red Hat Linuxのコミュニティ・バージョンであるFedoraプロジェクトののユーザーを挙げている。

 「進取の気性に富むこのコミュニティには大きなビジネス・チャンスがある」としたうえで、Fedoraを導入し、維持管理するためのコストを考えた場合、サブスクリプションを購入したほうがコスト効率が高くなるようなユーザーもいると同氏は語り、このようなメッセージを発信していく必要性を強調した。

 さらにホワイトハースト氏は、ライセンス許諾条件を超えてRHELを導入している顧客が存在すると指摘し、自社のビジネス・モデルについてさらに啓発活動を行うことで新たな収益を確保できる余地があると語った。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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