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オープンソース

[米国]
2005年の米国オープンソース事情──“運用性”と“信頼性"の向上が焦点に

(2005年12月26日)

 2005年、オープンソース・ベンダーは、ユーザーがオープンソース・ソフトウェアをより快適に安心して運用できるようにするための取り組みを推進した。使いやすさの向上に取り組むとともに、製品間の相互運用性を強化した。また、オープンソース・ソフトウェアの利用に伴う法的リスクという顧客の懸念の解消を目指したサービスや構想も打ち出された。本稿では、IDG News Serviceボストン支局のチャイナ・マーテンスが2005年のオープンソース市場を振り返る。

充実してきたサポート/サービス

 まず、使いやすさに関しては、オープンソース・ソフトウェアを標準化された動作保証済みのサポート付きソフトウェア製品としてパッケージングする動きが広がった。開発者が各種ソフトウェア・コンポーネントを連携して動作させるために構成・テストする時間の短縮も図られている。スパイクソースソースラボなどのベンダーが、こうした課題に積極的に取り組んだ。

 ユーザーのプロジェクトを分析し、オープンソース・コードが含まれているかどうか、そのソフトウェアがライセンス上の義務を満たしているかどうかを判定するソフトウェア・コンプライアンス関連のサービスも豊富に提供されるようになった。ブラック・ダック・ソフトウェアパラミダなどのベンダーがこうしたサービスを手がけている。

 リスク管理コンサルティングを提供するオープンソース・リスク・マネジメント(OSRM)と、ロイド保険の引受会社であるキルン、ロイド保険のブローカーであるミラー・インシュランス・サービシズの3社が提携し、初のオープンソース・コンプライアンス保険の企業への提供に乗り出した。当初の最大補償額は1,000万ドルとなっている。

 新しい構想に基づく取り組みとしては、スパイクソースとインテルが、カーネギーメロン大学ウエスト・キャンパスのオープンソース調査センター(COSI)が提案する「Business Readiness Ratings(BRR)」モデルの共同スポンサーとなった。BRRモデルは、現在の10万以上に上るオープンソース・プロジェクトの成熟度を評価する仕組みだ。また、パラミダは、オープンソース・ベンダーに対し、ソフトウェアの構成要素について顧客の安心を得るために、自社製品に含まれる第三者の知的財産の一覧を開示するよう呼びかける取り組みを始めた。

再編淘汰に向かうオープンソース業界

 オープンソース企業は引き続き増加し、1週間に1〜2社のペースで新顔が登場した。だが2006年には、業界が再編淘汰に向かうのは避けられない。ソフトウェアを無料配布し、サービスとサポートで高収益を獲得するビジネス・モデルの有効性が、期待したほどではないことを思い知る企業も出てくるに違いない。

 一方で、明るい材料もある。多くのアプリケーション分野でオープンソースの選択肢を提供する企業が登場していることだ。例えば、エンタープライズ・コンテンツ管理分野でEMCIBMといった既存ベンダーと張り合うアルフレスコ・ソフトウェア、メッセージングやグループウェアの分野でマイクロソフトやIBMに立ち向かうジンブラなどである。ウイルス対策など他の分野でもオープンソース・ソフトウェアの開発が進むなか、こうした流れが続きそうだ。

 2005年のオープンソース企業の動きを象徴的に示したのがCRMベンダーのシュガーCRMだ。同社は10月にベンチャー・キャピタル会社などから出資を募り、1,880万ドル近くの資金を調達した。シュガーCRMのCEO、ジョン・ロバーツ氏は、「我々はこのように健全なバランス・シートを維持することで、すでにシュガーCRMのソフトウェアの商用版を利用しているか、導入を検討しているフォーチュン500企業のために、当社の長期的なビジネスの継続をさらに確実にすることができた」と話している。

乱立するライセンス

 2005年を通じて活発に議論されたテーマの1つは、オープンソース・ライセンスの数や種類の増加である。オープンソースとそうでないものを線引きする役割を担っているオープンソース・イニシアティブ(OSI)は、これまでに60近くのライセンスをオープンソース・ライセンスとして認定している。

 60という数が多すぎるというのは衆目の一致するところだが、ライセンスの数がいくつなら適正なのかについてはさまざまな議論がある。ライセンスが多すぎると、相互運用性の問題を招くという意見がある一方で、ライセンスが少なすぎると、制約が厳しすぎてソフトウェアのイノベーションの妨げになるという意見もある。今後も論争が続き、両論のそれぞれの支持者がOSIに働きかけを続けるのは間違いない。

 2006年には、オープンソース・ソフトウェアのライセンス方式を定めたGeneral Public License(GPL)の次期バージョンGPL 3(2007年初めの完成を目標に策定作業が進められている)の内容を巡って、多くの議論が展開されると見られるている。

オープンソース化の新たな流れ

 サン・マイクロシステムズは今年、オープンソースへの取り組みをどの同業他社よりも積極的に進めたと言える。なかでも同社のUNIX系OS「Solaris」のオープンソース版「OpenSolaris」を6月にリリースしたことが注目された。サンの当初の予想を超えて、開発者はOpenSolarisを他のプラットフォーム、特にIBMのPowerPCに移植する試みも始めた。サンは後に同社のソフトウェア・ポートフォリオ全体をオープンソース・コミュニティに公開すると約束。また、同社は「UltraSPARC T1」チップの設計仕様の公開を「ハードウェアのオープンソース化」と位置づけた。

 一方、ノベルは8月、同社のLinux OS「SUSE Linux」をユーザーと開発者に無償提供する「openSUSE」プロジェクトの開始を発表した。また、CAは今年、2004年にオープンソース化した自社のリレーショナル・データベース「Ingres」をプライベート・エクイティ投資会社に売却した。この投資会社はIngresの開発、販売を行う新会社を設立する。

 大手ソフトウェア・ベンダーがオープンソース企業を飲み込むケースもいくつかあった。IBMは新興ミドルウェア・ベンダーのグルーコード・ソフトウェアをオラクルはフィンランドのデータベース開発会社イノベースをそれぞれ買収した。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service)




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