【 ここから本文 】

オープンソース

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示



[米国]
GPLバージョン3の初期ドラフトが公開、特許/DRM問題への対応が焦点に

(2006年01月17日)

 フリー・ソフトウェア・ファウンデーション(FSF)は1月16日、広く使われているソフトウェア・ライセンス規約「GPL(GNU General Public License)」のバージョン3(GPLv3)の初期ドラフトを公開した。ソフトウェア業界で重要性が指摘されている「ソフトウェア特許」と「デジタル著作権管理(DRM)」の問題への対応などが盛り込まれている。

 GPLは、15年前の1989年に初版が公開され、1991年にバージョン2に改定されて以降、バージョン改定は行われておらず、バージョン3が実質的に初の大幅改定となる。現在、Linux、Samba、MySQLを含むさまざまなオープンソース・ソフトウェアに使用されており、改定の影響は広範囲にわたると見られる。GPLv3ドラフトは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で開催されているGPLv3に関する初の国際コンファレンス(2006年1月16〜17日)で発表された。

 ドラフトには、「特許ライセンスに依存していることがわかっているコードを配布する」ソフトウェア・ディストリビューターに対し、「想定できるいくつかの特許侵害請求から下流のユーザーを守ること」を義務づける条項や、DRMコピープロテクト・ソフトウェア内でGPLソフトウェアを使用するのを禁じる条項が含まれている。FSFでは、DRMコピープロテクト・ソフトウェアのことを「デジタル制限管理」ソフトウェアと呼んでいる。

 GPLv3ドラフトの起草者の1人であるFSFの理事会メンバー/法律顧問のエベン・モグレン氏は、「われわれはデジタル制限管理の無制限な拡大に対抗するために、可能な限り、自由なライセンス形態を維持できるよう努力している」と語り、DRM条項が、GPL準拠のソフトウェアを製品に組み込んで使用したいと考えている機器メーカーに対して、はっきりしたメッセージを伝えるものになると強調した。「“ソフトウェアが安くすむから50ドルの音楽プレーヤーを提供できる”と言って、音楽とユーザーの自由を奪おうとするな、ということだ」

 また同規定について、知的財産管理ソフトウェア・ベンダーの米国ブラック・ダック・ソフトウェアで法務顧問を務めるカレン・コペンヘーバー氏は、ソニーBMGミュージック・エンターテインメントのDRMアプリケーション「XCP」(セキュリティ上の問題が指摘されたため、数百万枚のコピー・コントロール音楽CDが自主回収・交換の対象になった)のようなプログラムへのGPLソフトウェアの利用を阻止することにもつながるとしている。

 コペンヘーバー氏はさらに、特許侵害に関する規定は、特に特許を多数保有している大手メーカーの間で、かなりの論議を呼び起こす可能性が高く、「下流のユーザーを守る」ために具体的に何をしなければならないかが大きな論争点になりそうだと予想する。「これは、大手メーカー各社にとってかなりの負担になるだろう」(同氏)

 モグレン氏は、この規定条項の文言は、GPLv3の最終バージョン公開までに変更される可能性が高いと説明する。「われわれは特許の問題を深刻な問題だと考えているが、推薦すべき解決策を持っているわけではない。現在のドラフトの文言は、これがもはや無視できる問題ではないことを警告しているにすぎない」

 また、ドラフトには、米国の法律概念や法律用語への依存性を減らすために新しい表現が採用されているほか、GPLソフトウェアのWebサービスへの利用に関係した条項も組み込まれている。

 一部の関係者は、Webサービスに関するより詳細な規定がドラフトに盛り込まれると予想していたが、モグレン氏によると、FSFはWebサービスに関して「的を絞ったアプローチ」を選択したという。「われわれは、多大な犠牲を払うのにほとんど何も達成されないような策を講じたくなかった。こうした限定的な対応により、非常にわずかなコストで身のある結果がもたらされると確信している」(モグレン氏)

 今回のGPLドラフトは、少なくとも著名なオープンソース開発者の1人には好評だ。Sambaファイル/プリント・サーバ・プロジェクトの中心的開発者の1人であるジェレミー・アリソン氏は、電子メールでの取材に対して、「一見したところでは、なかなか良いように思われる。いくつか明確化したほうがいいと思われる点はあるが、Sambaでの採用をためらう理由になるような点は見受けられない」と評価するコメントを寄せている。

 モグレン氏によると、FSFは初期ドラフトに対して寄せられるコメントを検討した後、ドラフト第2版をまとめ、今年9月までに最終ドラフトを公開、10月初めにもドラフトを完成させる見通しという。FSFでは従来からGPLv3は2007年3月までに完成予定としているが、モグレン氏は2007年1月ぐらいになる可能性が高いと見ている。

(IDG News Service サンフランシスコ支局)




▲ページの先頭へ戻る


連載

【連載】エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション](全8回)

業務アプリ、ネットワーク、セキュリティ……分野ごとの“雄”を一挙紹介

第1回:業務アプリケーション
第2回:ネットワーク
第3回:プラットフォーム/ミドルウェア
第4回:セキュリティ
第5回:モニタリング
第6回:ストレージ管理
第7回:開発言語
第8回:開発ツール

Videoインタビュー

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

Linuxの生みの親がVistaについて忌憚なく言及

ホワイトペーパー

「Borland SilkPerformer」(ボーランド)

予想外のアクセス集中によるシステム・ダウンをどう防ぐか?

期間限定の月額ライセンスで低コストを実現した負荷テスト・ツール

「Borland StarTeam」(ボーランド)

増えてきた遠隔地との共同開発だが、課題は山積。どう解決するか?

今、構成・変更管理ツールが注目されている理由

キーパーソン

GPLv3は企業ユーザーへの「招待状」――FSF代表ストールマン氏が強調

「プロプライエタリ製品はビジネスの革新を妨げる!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

Wikipediaの創始者が語る検索エンジンの理想像

「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調


スペシャル・フォーカス

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコシステム

オープンソース非採用の理由、英国の場合は「顧客からの要請」と「ライセンス上の制約」

ソフト開発会社の多くはオープンソースを支持

レッドハットとノベル、企業向けLinuxのアップデート版をそれぞれ発表

いずれも次期メジャー・リリースまでの「つなぎ的」製品として各種機能を拡充

サン、Solarisのオープンソース版「OpenSolaris 2008.05」を正式リリース

オープンソース・プロジェクト開始から3年、初の非開発者向け

【Gartner調査】2010年にはSaaSプロバイダーの90%がOSSを利用

ソフトウェアの調達コスト引き下げがねらい

サン、買収後初のアップグレード版「MySQL 5.1」をリリースへ

パーティショニング/イベント・スケジューリング機能などを強化

OSS業務アプリケーション

オープンソースVoIP「Asterisk」エンタープライズ展開の現実味

大規模企業はOSSのメリットを電話においても享受できるか

フリーソフト/オープンソース・グループウェアという「選択肢」

メリットは価格の安さとカスタマイズの自由度の高さ

「オープンソース業務アプリケーション」の時代

エンタープライズ・レベルの注目ソフトを12分野で一挙紹介

キャッチアップ

AT&T、「Android」への支持を表明

「グーグル製品以外のアプリも提供できる保証が得られたため」と同社

Linuxコードのコントリビューター、今では大半が企業勤務者

カーネルへの貢献はRed Hat、Novell、IBMの3社で全体の28.4%

マイクロソフトの「情報公開」にオープンソース・コミュニティから失望の声

「相互運用性原則はお題目にすぎない」

レッドハットとノベル、Linuxを標的にした特許侵害訴訟に直面

Linuxにかかわる初の特許侵害訴訟、ノベルは訴訟却下の申し立てを検討

「GPLv3」の最終ドラフトが公開――正式版リリースは6月29日

マイクロソフトのLinux特許問題にも対応

「オープンソース・ソフトのセキュリティ・バグは1,000行に1件」

国土安全保障省の外郭団体が明らかに

非営利団体のOSA、オープンソース・ソフトの相互運用に向けて本格始動

今後の活動内容と新プロジェクトもあわせて発表

Weekly Ranking

集計期間:08/29〜09/04



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国