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オープンソース

[米国]
レッドハットによるジェイボス買収の衝撃──SOAの勢力図を変える

(2006年04月10日)

 米国レッドハットは4月10日、オープンソース・ミドルウェア・ベンダーである米国ジェイボスを買収することで合意したと発表した。

 合併によって、レッドハットは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)への取り組みをさらに強化するとともに、統合的なソフトウェア・スタックの提供規模を拡大していくことが可能になると強調する。一方のジェイボスは、レッドハットの国際的な販売チャネルを活用して、自社製品を広く世界へ配布できるようになるとしている。

 レッドハットとジェイボスの幹部は10日に行われた電話インタビューの中で、今回電撃的に発表された買収契約は、現在規制当局の認可を得て、5月末にも成立する見込みだと語った。レッドハットがこの買収のために支払うのは現金と株式を合わせて最低3億5,000万ドルで、買収後のジェイボスが一定の財政目標を達成した場合の追加支払額を含めると、合計で最大4億2,000万ドルになるとされている。

 

 両社の幹部は合併によってシナジー効果が生まれることを強調、ユーザーやパートナーは大規模かつ独立したオープンソース企業の誕生を歓迎していると説明した。なお、今年2月には、データベース/アプリケーション・ベンダーのオラクルがジェイボス買収交渉を進めているとうわさされていたが、今回、その件への言及はなかった。

 ジェイボスの創立者で、会長兼最高経営責任者のマーク・フルーリ氏は、「われわれはレッドハットの申し出を受け入れることにした。両社のビジネスの相性は良いと信じている」と、インタビューの中で述べた。

 フルーリ氏は、ジェイボスはLinuxのサブスクリプション(定額契約)サービス事業で一日の長のあるレッドハットを手本としたミドルウェア・ベンダーであり、そうした意味でレッドハットは同社の「兄貴分」のようなものだと語っている。

 フルーリ氏によれば、ジェイボスはレッドハットの独立した部門としてその傘下に入り、同氏自身はレッドハットの会長兼CEOであるマシュー・ズーリック氏の指揮下に入る。「ジェイボスを取り巻く環境が平穏で安全なものであることを確認することが、私にとって最も大切な使命だ」(フルーリ氏)

 ジェイボスを取得すれば、レッドハットはSOAに対する顧客のニーズによりすばやく対応できるようになると、ズーリック氏は強調する。ジェイボスのJavaアプリケーション・サーバはマイクロカーネルを採用しており、ユーザーは必要な機能のスワップ・インおよびスワップ・アウトを簡単に行えるという。これは、SOAを実装する際に重要な要素である。

 ズーリック氏はまた、レッドハットの製品ラインにジェイボスのミドルウェアが追加されれば、企業ユーザーも「コンポーネント・ベース・アプリケーション・アーキテクチャ」の構築を検討しやすくなるとも述べている。

 レッドハットが、「Web Application Stack」「Java Web Application Stack」「Enterprise Java Stack」の3種のオープンソース・アプリケーション・スタックの稼働を認定し、サポートしていく計画を最初に発表したのは、2005年12月のことだ。Enterprise Java Stackは、オブジェクトウェブ・コンソーシアムの「Java Open Application Project(JOnAS)」に基づくJavaアプリケーション・サーバをサポートしている。

 ジェイボスは、JOnASと競合する製品を提供しているが、ズーリック氏は「われわれはこれまでJOnASに大きな投資を行っており、こうした取り組みは今後も続けていきたい」と述べている。

 ジェイボスの「JBoss」Javaアプリケーション・サーバは、欧州諸国や米国では人気が高いが、その他の地域ではまだそれほど普及しているとは言えない。

 フルーリ氏は、「ジェイボスは世界的な普及を目指して活動してきたが、率直に言って苦戦が続いている」と語り、特にアジア太平洋地域での不振を認めた。レッドハットが有する間接的・直接的な販売チャネルの存在が、ジェイボスのミドルウェアを国際的に広めることに「大いに役立つ」だろうと、同氏は付け加えた。

 ジェイボスは今後も、Java提供企業としての当初のスタンスからの脱却を目指し、顧客が、Java、オープンソースのPHPスクリプティング言語、マイクロソフトの「.Net」に基づくミドルウェアを任意に選択できるようにしていく意向だという。

 ブランド名に関する議論は今も両社間で続いているが、レッドハットはジェイボスという名称を存続させたいと考えていると、ズーリック氏は述べている。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)




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