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オープンソース

[米国]
レッドハット、ジェイボス買収後の次なるねらいは?

(2006年04月12日)

 ジェイボスを3億5,000万ドルで買収するレッドハットは、買収成立後にジェイボスが一定の業績を達成できた場合は、契約金額を4億2,000万ドルまで引き上げる意向を示している。オープンソース・ソフトウェア・スタックの機能を強化し、レッドハット製品の魅力を高めるのがそのねらいだ。

 商用オープンソース分野における2大企業の電撃的な合併合意に、ユーザーやアナリストからは賞賛の声が上がっている。

 企業や政府機関の福利厚生プログラムの管理を手がける米国シティストリートのCIO、バリー・ストラスニック氏は、「ジェイボスを買収する可能性のあったあらゆる企業の中で、オープンソースを支持しているレッドハットは、当社にとっても相性のよい相手だ」と語る。同社はかつてBEAのアプリケーション・サーバ「WebLogic」を活用していたが、2004年にジェイボスへの移行を決断。移行作業を完了した現在では、すべてのミッション・クリティカルなアプリケーションを「Red Hat Linux」上で稼働しているという。

 なお、レッドハットはこれまで、オープンソース・アプリケーション・スタックを独自開発しようと努めてきたが、今までのところわずかな成功しか収めていない。

 例えば、レッドハットは2005年6月、ディレクトリ・サーバ・ソフトウェア「Red Hat Directory Server」をリリースした。これは、2004年秋に米国アメリカ・オンライン(AOL)傘下のネットスケープから買い取った「Netscape Directory Server」を自社のプラットフォームに対応させたものである。

 しかし、ディレクトリ・サービス市場では、米国マイクロソフトの「Active Directory」と米国ノベルの「eDirectory」という上位2製品が圧倒的シェアを占めており、それに対して、レッドハットのシェアは「きわめて小さいとしか言いようがない」と、米国ラディカティ・グループのアナリスト、サラ・ラディカティ氏は指摘する。「企業の大半が、ディレクトリ・サービスを乗り換えるような大規模な移行に難色を示す向きがある」と同氏。

 また、レッドハットは、オープンソース・ソフトウェア・コンソーシアムのオブジェクトウェブで開発した「JOnAS」に基づくJavaアプリケーション・サーバ「Red Hat Application Server」を2004年に投入した。だが、ジェイボスの「JBoss」のほか、IBMが無料で提供している「WebSphere Application Server Community Edition」(旧「Gluecode」)や、アパッチのオープンソース・アプリケーション・サーバ「Geronimo」などの競合製品があり、これまで同製品はあまり広くユーザーに採用されていない。

 レッドハットのCEO、マシュー・ズーリック氏は、引き続きJOnASに“多額”の投資を行う意向を示しているが、多くの業界アナリストは、ズーリック氏のそうした楽観的な姿勢に対して懐疑的だ。

 米国451グループのアナリスト、レイチェル・シャルマース氏は、「ジェイボスが提供するクロスプラットフォーム対応のJ2EEアプリケーション・サーバは欧米を中心に人気を博しており、その堅調な売上げの後押しを受けて、2005年には5,000万ドル規模の収益を計上したと思われる」と分析する。同氏によると、その売上げの大半はサービスおよびサポート料金によるものだという。

 また、コンサルティング会社の米国オプタロスで戦略部門担当バイスプレジデントを務めるスティーブ・ワリー氏は、「IBMのWebSphereやBEAのWebLogicといった競合製品と比べると、ジェイボス製品の導入コストは圧倒的に低いことから、多くのユーザーが複数のプラットフォームでJBossを利用するようになった」と指摘する。

 ジェイボス自身も、昨年9月にマイクロソフトと提携を結んだ際、JBossユーザーの約半数が.NET環境でWindowsサーバとの接続に利用していることを認めている。ワリー氏は、こうした背景が今後のレッドハットのマーケティングを複雑にする可能性があると指摘している。

 だが、そうしたJBossユーザーがWindowsからRed Hat Linuxへ移行することを検討する余地も生じそうだ。ヒューストン・ジェイボス・ユーザー・グループ(HJbug)の設立者であるジェイソン・ロング氏は、「これまでも何度かWindowsからレッドハットへ乗り換えたいと考えたが、Linuxになじみがないのがネックとなり見送ってきた。しかし今回両社が合併したことで、JBossユーザーにとってレッドハットはより魅力的な選択肢となるだろう」と述べている。

(エリック・ライ/Computerworld オンライン米国版)




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