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[米国]
進化するオープンソース・コラボレーション・ソフト

【LinuxWorld San Francisco 2006リポート】

(2006年08月18日)

 今週、米国サンフランシスコで開催された「LinuxWorld Conference & Expo San Francisco 2006」(8月14日〜17日)では、オープンソース・コラボレーション・ソフトウェア・ベンダーが、相次いで新バージョンをリリースした。各社は、低コストで柔軟性が高いという製品の長所を強調することで、市場を支配するマイクロソフトのExchengeやIBMのLotus Notesに挑戦しようとしている。

 スケーリックスは8月14日、コラボレーション・ソフトウェア「Scalix」バージョン11を発表。ジンブラも、各種の機能を搭載し、編集可能な文書やスプレッドシートを電子メールに組み込むことが可能な新しいツールを搭載した「Zimbra Collaboration Suite(ZCS)」バージョン4をリリースした。

 メッセージング/コラボレーション市場を支配する3つの有力な製品(マイクロソフトのExchange、IBMのLotus Notes、ノベルのGroupWise)に対抗するソフトウェアは、以前から存在していた。オスターマン・リサーチのアナリスト、マイケル・オスターマン氏は、こうした製品を提供するベンダーとして、ミラポイント、ロックリフ、IPSウィッチ、ゴルダーノなどの名前を挙げている。

 しかし、最近投入された製品(ベンダー独自のソリューションとオープンソース・ソリューションの両方がある)の大半は、マイクロソフトを視野に入れている。マイクロソフトは、来年初頭にExchange 2007をリリースする計画だが、対応するOSはWindowsの64ビット・バージョンのみだ。

 オスターマン氏は、「現在、Exchange 5.5やExchange 2000を使用しており、アップグレードを検討しているが、マイクロソフトのSharePointやLive Communication Serverと統合する必要性を感じていないユーザーや、コストを節減したいと考えているユーザーも少なくない」と指摘する。

 こうしたユーザーには、無料で試用できるコミュニティ・エディションや、Ajaxを使ってデスクトップ・アプリケーション・ライクな機能を提供するWebブラウザ・ベースの電子メール・インタフェースに移行可能なScalixなどのソリューションを導入するという選択肢がある。

 実際に、スケーリックスのCEO、グレン・ウィノカウアー氏は、「多くの顧客が、Outlookでのアップグレードの繰り返しから脱却したいと考え、当社のWebクライアントに移行した」と説明する。

 スケーリックスは、400の顧客を抱えており、1万の電子メール・サーバが100万を超える電子メール・ボックスをサポートしている。2002年に設立された同社は、2003年にヒューレット・パッカード(HP)からグループウェア「OpenMail」(バージョン7)のライセンスを取得した。

 今回発表されたScalixのバージョン11には、パブリック電子メールとプライベート電子メールのインデックスをリアルタイムで作成し、すばやく検索できるようにする機能のほか、管理者を補佐するスタッフが上司や設置されたグループのカレンダーと電子メールにアクセスできる委任機能、ERPやCRMアプリケーションとの統合を可能にするWebサービス・インタフェースなどの新機能が搭載されている。既存のOutlookクライアントをい使い続けながら、電子メール・サーバを簡単に交換することも可能だ。

 オスターマン・リサーチのオスターマン氏は、Scalixのバージョン11の新機能について、「従業員の日常業務に影響を与えないかなりシームレスな移行というメリットがある」と評価する。

 Scalixを使っているラディソンSASホテル&リゾーツは、欧州にある40カ所のホテルでおよそ1,000人の電子メール・ユーザーをサポートする。また、シリコン・バレーのあるチップ・メーカーは、7,000人のLotus NotesユーザーをScalixに移行するためのパイロット・プロジェクトがスタートさせた。さらに、サンフランシスコ・ベイエリアのあるネットワーキング・ベンダーは、8,000の電子メール・ボックスをScalixに移行させたという。

 ジンブラも、両方の選択肢を提供するとともに、電子メール、コンタクト管理、カレンダリング機能などをサポートしている。新しいZimbra Documents機能は、Ajax Linking and Embedding(ALE)技術をサポートしており、ユーザーは、1つの電子メール・メッセージに数多くの文書をネスティングし、同僚たちにその情報を編集するよう求めることができる。

 エンダール・グループのアナリスト、ロブ・エンダール氏は、「ユーザーは、慣れ親しんだツールを使い続けたいと考えている」と指摘する。ジンブラは、ユーザーが「生活し、呼吸する」ようにコラボレーション・ソフトウェアを使えるようにするというライバルのIBMが失敗した試みを成功させようとしているという。

 3年前に設立されたジンブラは、昨年10月に最初のソフトウェアを正式出荷した。今回発表された新バージョンのZCS 4.0は、モトローラ、ノキア、パームなどのスマート・フォンをはじめとする各種モバイル・デバイスとグループウェアとの無線同期機能をネーティブ・サポートするZimbra Mobileも搭載している。

 ジンブラは、人気の高いリサーチ・イン・モーションのデバイス「BlackBerry」をネーティブでサポートしておらず、現時点ではそのサポートはノーティファイ・テクノロジーなどのパートナーに頼っている。しかし、ジンブラの社長兼最高技術責任者、スコット・ディーツェン氏は、ネーティブ・サポートを行う意向を示している。

 ディーツェン氏によると、ジンブラは、50シートの中小企業から数百万のユーザーを抱えるインターネット・サービス・プロバイダーまでおよそ200の有料顧客を抱えているという。同社が名前を公表している顧客には、Webブラウザ「Firefox」の開発元であるモジラ、ブラジルのインターネット・サービス・プロバイダーであるオロリクス、税金サービス・プロバイダーのH&Rブロックなどが含まれている。

 オスターマン氏は、スケーリックスやジンブラ、オープンエクスチェンジなどのオープンソース・ベースのグループウェアを超える機能を必要としているユーザーは、期待したほどの経費節減効果が得られない場合があると指摘する。

 「OfficeやLive Communications Server、文書リポジトリなどとの統合を必要とする企業や、大規模な分散組織を持つ企業では、コスト面のメリットが期待したほど得られない可能性もある」(同氏)

 オスターマン氏によると、スケーリックスはオープンソース・ベンダーのリーダー的存在であるという。同社は、HP OpenMailのユーザーを引き継いでおり、そのインストール・ベースを基盤に、コラボレーション・ソフトウェア市場での活動を本格化させている。

(エリック・レイ、チャイナ・マーテンス/Computerworld オンライン米国版)




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