【 ここから本文 】

オープンソース

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


オープンソース

[米国]
Samba開発者がノベルとマイクロソフトの提携を批判

(2006年11月14日)

 マイクロソフトとノベルの提携に対して、オープンソース・ソフトウェア陣営から新たな批判の声が上がった。彼らはノベルがオープンソースの原則に背いているとして、契約を見直すよう迫っている。

 今回批判の声を上げたのは、LinuxサーバからWindowsクライアントにファイル/プリント・サービスを提供できるようにするためのオープンソース・プログラム「Samba」の開発者たちだ。基本的にSamba開発チームはノベルと協力関係にあり、SambaがノベルのSUSE Linuxと一緒に出荷されているため、このグループの発言には注目が集まっている。

 オープンソース・コミュニティの他のグループと同様、Sambaチームも知的所有権に関する部分の契約を問題視している。11月12日に出された声明では、この提携は軋轢を招くものであり、オープンソースの目標にも背くものと指摘している。営利的な立場なのか、非営利的な立場なのかによって、ソフトウェア開発者とユーザーに対する扱いが異なっているからだ。

 Sambaチームは、「ノベルがこのような提携に踏み切ったのは、同社がフリー・ソフトウェア・コミュニティとの間で維持してきた関係を完全に無視したということを示している。われわれは、基本的に同社に製品を供給する立場にあり、フリー・ソフトウェア・コミュニティの目標と理想に反するような他の勢力のために利己的な契約を結ぶ権利はないということを彼らは認識するべきだ」と述べている。

 Sambaチームは、ノベルがGPL(SUSE Linuxはこのライセンスに基づいて流通している)を侵害したと批判しているわけではないものの、特許に関する契約を取り消し、フリー・ソフトウェア・コミュニティの義務を認めるよう求めている。

 ノベルは、この件について今すぐコメントすることはできないとしている。これまで同社は、提携により特許訴訟を起こされる危険がなくなるため、SUSE Linuxのユーザーとディベロッパーにとって利益になると説明してきた。

 11月2日に発表されたこの提携では、マイクロソフトとノベルがそれぞれのOSの相互運用性を向上させることで合意している。またマイクロソフトは、SUSE Linuxを使っているユーザーに特許権を主張せず、SUSE Linuxにコードを提供した非営利のディベロッパーに対しても特許権を行使しないことに同意した。

 オープンソース陣営が懸念を示しているのは、契約のこの部分だ。著名なLinux唱道者のブルース・ペレンス氏は、SUSE Linuxユーザーを訴えないという内容の契約をノベルと締結することで、マイクロソフトが他のLinuxディストリビューションを使っているユーザーを暗に脅していると指摘する。

 ペレンス氏は、「GPLとは、それを採用したソフトウェアのディストリビューターが一致団結してソフトウェアの特許と戦わなければならないということを明確に示すものだ。ノベルは、マイクロソフトと提携することで、この統一された防衛体制を破壊し、フリー・ソフトウェア・コミュニティ全体の長期的な利害と引き換えに、ライバルに対する短期的な優位を得ようとしている」と語っている。

 オープンソース・ディベロッパーを法律面から支援しているソフトウェア・フリーダム法律センターも、この提携を批判しており、とりわけマイクロソフトがSUSE Linuxディベロッパーに対して特許権を主張しないと約束した点を問題視している。

 同センターの最高技術責任者ブラッドリー M.キューン氏は、11月9日に出されたオープンソース・ソフトウェア・ディベロッパー向けの書簡で、「特許に関するこの合意は、自宅で開発し、自分で使うソフトウェアにのみ適用されるものであり、ソフトウェアを配布した場合、配布先にまで拡大されるわけではない」と書いている。

 キューン氏によると、ディベロッパーが特許に関する免責を受けるには、自分が行った開発作業に対する報酬を受け取らないようにしなければならない。また、マイクロソフトには条項を変える権利があるため、契約の内容をそのまま信じることもできないという。

 キューン氏は、「この“空約束”は、安全性に対する誤った意識を生み出す可能性があり、無益どころか有害ですらある。マイクロソフトは、特許に関するこの契約を利用して、孤立し、報酬を受け取らず、重要性も低いフリー・ソフトウェア・ディベロッパーだけが良いという見方を示そうとしている」と述べている。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

「Borland SilkPerformer」(ボーランド)

予想外のアクセス集中によるシステム・ダウンをどう防ぐか?

期間限定の月額ライセンスで低コストを実現した負荷テスト・ツール

「Borland StarTeam」(ボーランド)

増えてきた遠隔地との共同開発だが、課題は山積。どう解決するか?

今、構成・変更管理ツールが注目されている理由


Weekly Ranking

集計期間:11/16〜11/22


連載

【連載】エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション](全8回)

業務アプリ、ネットワーク、セキュリティ……分野ごとの“雄”を一挙紹介

第1回:業務アプリケーション
第2回:ネットワーク
第3回:プラットフォーム/ミドルウェア
第4回:セキュリティ
第5回:モニタリング
第6回:ストレージ管理
第7回:開発言語
第8回:開発ツール

スペシャル・フォーカス

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコシステム

オープンソース非採用の理由、英国の場合は「顧客からの要請」と「ライセンス上の制約」

ソフト開発会社の多くはオープンソースを支持

レッドハットとノベル、企業向けLinuxのアップデート版をそれぞれ発表

いずれも次期メジャー・リリースまでの「つなぎ的」製品として各種機能を拡充

サン、Solarisのオープンソース版「OpenSolaris 2008.05」を正式リリース

オープンソース・プロジェクト開始から3年、初の非開発者向け

【Gartner調査】2010年にはSaaSプロバイダーの90%がOSSを利用

ソフトウェアの調達コスト引き下げがねらい

サン、買収後初のアップグレード版「MySQL 5.1」をリリースへ

パーティショニング/イベント・スケジューリング機能などを強化

Videoインタビュー

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

Linuxの生みの親がVistaについて忌憚なく言及

キーパーソン

GPLv3は企業ユーザーへの「招待状」――FSF代表ストールマン氏が強調

「プロプライエタリ製品はビジネスの革新を妨げる!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

Wikipediaの創始者が語る検索エンジンの理想像

「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調


OSS業務アプリケーション

オープンソースVoIP「Asterisk」エンタープライズ展開の現実味

大規模企業はOSSのメリットを電話においても享受できるか

フリーソフト/オープンソース・グループウェアという「選択肢」

メリットは価格の安さとカスタマイズの自由度の高さ

「オープンソース業務アプリケーション」の時代

エンタープライズ・レベルの注目ソフトを12分野で一挙紹介

キャッチアップ

AT&T、「Android」への支持を表明

「グーグル製品以外のアプリも提供できる保証が得られたため」と同社

Linuxコードのコントリビューター、今では大半が企業勤務者

カーネルへの貢献はRed Hat、Novell、IBMの3社で全体の28.4%

マイクロソフトの「情報公開」にオープンソース・コミュニティから失望の声

「相互運用性原則はお題目にすぎない」

レッドハットとノベル、Linuxを標的にした特許侵害訴訟に直面

Linuxにかかわる初の特許侵害訴訟、ノベルは訴訟却下の申し立てを検討

「GPLv3」の最終ドラフトが公開――正式版リリースは6月29日

マイクロソフトのLinux特許問題にも対応

「オープンソース・ソフトのセキュリティ・バグは1,000行に1件」

国土安全保障省の外郭団体が明らかに

非営利団体のOSA、オープンソース・ソフトの相互運用に向けて本格始動

今後の活動内容と新プロジェクトもあわせて発表


Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国